持株会でなくてもOKです
とある小売業の創業者からの相談です。
「85歳となり、残りの人生もわずかになってきました。
これまで振り返ると、色々なことがありました。
創業時は、3兄弟で3分の1ずつ出資し、
力を合わせてここまでやってきました。
ゼロからスタートした会社が、
ここまで成長してこれたのは、
もちろん、私たち3人の力、ということもいえますが、
やっぱり、従業員の皆さんが支えてくれた、
という面もとても大きいと思っています。
私は、現在、株式でいえば、約30%を保有していますが、
おかげさまで株価も結構高くなってきました。
色々と考えたのですが、
私が持っている株式の一部は、
幹部はじめ一部の社員さんに贈与したい、と思っています。
どう思いますか?」
「会長、それは結構な考え方だと思います。
社員の方には、売却ではなく、贈与なのですね?」
「はい、それでわが社のために更に頑張ってもらって、
現社長を盛り立ててほしいのです。
こういっては何ですが、
やっぱり、創業者と後継社長というのは、違いがあります。
頑張って業績をあげてもらえば、
それに応じて配当を出すようにしたいと思います。
上場会社でも、ストックオプションでしたっけ?
そういう仕組みに似たようなものを導入して、
今後50年、100年続く会社を作ってもらいたい、と思っています。
そのためのお手伝いをお願いできませんか?」
このように言われました。
「会長、それなら、いまは種類株という仕組みがありますので、
これを使いましょう。これを使えば、
株式が将来分散することもなくなりますので安心です。」
「わかりました。社内で検討します。」
それからしばらくして、会長から質問がありました。
「とある方から、持株会のほうが良いですよ、
と勧められたのだけど、それはどうですか?」
勧めてきたのは、某銀行でした。
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