うちの税理士、信用できなくなりました。②
「うちの地域でいい税理士をご紹介いただけませんか?」
という問い合わせを、必ずと言えるほど、一年に数社からいただきます。
「どうしたんですか?」と尋ねると決まって、
「うちの税理士、信用できなくなりました。」
との返事をいただくのです。
②「特別損失の処理はできません」
災害の被害を受けた修繕は、特別損失に計上しなさい、
と申しております。
そうすれば、その分、営業利益が減ることなく、
税引き前利益が減るだけです。
それは、銀行の格付け評価で重要視する利益が、
営業利益だからなのです。
ある会社が、災害被害を受けました。
社長は、私たちの教えのとおり、
災害被害を修復する修繕費を特別損失に計上しようと、
会計事務所に連絡しました。
そのときすでに、年度末は過ぎていました。
決算処理で特別損失に計上してもらうべく、
連絡したのです。
で、税務署への申告が終わった後、
社長から連絡が入りました。
「会計事務所が申告期限ギリギリになってから、
『あれはやはり修繕費で計上します。
特別損失の計上はできません。』て言うんですよ!
その理由を聞くと、
『そんな話しは聞いたことがないし、
うちのシステムには、対応する勘定科目がないですから』
と、たんたんと説明するんですよ!」
そうです。社長は説明を求めていたのではないのです。
要望どおりに対応してくれるのか、
やり方がわからない、対応する勘定科目がない、
等と言うのなら、もっと早めに相談してほしかったのです。
そんなことは全くなく、いわば、
こちらの意向を無視して、一方的に処理されたのです。
普通に修繕費で処理され、その分、営業利益が減ったのです。
その結果、社長にとっては、
「うちの税理士は、信用できなくなりました。」
となったのです。
会計事務所にすれば、
「一般管理費だろうと、特別損失だろうと、
税引き前利益は変わらないし、一緒でしょ。」
との思いがあったのかもしれません。
しかし、銀行の目線で決算書を見れば、
税引き前利益はどうでも良いのです。
営業利益が多いか少ないか、が重要なのです。
その目線を、多くの会計事務所の担当者は知らないのです。
法人税のことしか、頭にないのです。税務署目線なのです。
今、決算処理を進めている会社が多いと思います。
特別損失に計上したいものが、
その通りに処理されているかどうか、
早めに確認しておいてほしいのです。
されていなかったら、その処理を再度促し、
その理由も説明し、会計事務所に理解してもらってほしいのです。
(古山喜章)
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