全損保険はどこへ行く①
今年の2月13日、国税庁が国内生保担当を集め、
全額損金扱いの商品を一時自粛するよう、申し伝えました。
それに伴い、外資系も含め、全額損金の保険商品が瞬く間に、
販売一時休止、という状況に陥りました。
保険業界担当者は、年度末に売り物がなくなり、
業界内ではその日付から、
「バレンタインショックだ!」と叫ばれています。
①国税庁の方向性が示されました。
4月11日、国税庁から今後の取り扱いについて、
方向性が示されました。
6月以降の取り扱いとして、
(明確な日付は示されていません。)
・解約時の返戻率
50%以下・・・全額損金扱い
50%超~70%以下・・・6割損金計上
70%超~85%以下・・・4割損金計上
85%超・・・上記以下の損金計上(契約内容により異なる
このようになっており、今までの商品を、
今まで通りに売っていたのでは、経営者にとってのうまみを
提案できないのは明らかな数字となっています。
ただ、これでも当初、国税庁が自粛を言い渡したときの
厳しい内容からすれば、まだましなほうだ、という声もあります。
確かにそうなのです。
というのも、
保険販売の手数料で稼いでいるのは、通常の保険代理店や
銀行・証券会社以外に、税理士事務所も含まれます。
しかも、税理士事務所には、
国税OBが立ち上げた事務所も、相当数存在しています。
「お前らええカッコしやがって!
俺たち諸先輩のメシの種をつぶす気か!」
という声が出ても困るので、そこへの配慮の分、
少し対応が和らいだのではないか、と思われるのです。
ここに、国税庁が損金計上保険を全面的に完全抹殺できない、
真の理由があるのです。
どこまでも、OBへの忖度から逃れられないのです。
と、今回4月11日の国税のコメントで明確になったのが、
契約済みの保険にさかのぼって訴求することはない、
ということです。
つまり、全額損金で契約済みのものは、
そのまま、今後も全額損金計上を継続できる、ということです。
今回の損金計上見なおしの対応は、6月からとなっています。
明確な日付は未確定です。
「じゃあ、それまでの間、今、販売休止になっている全損商品は、
一時的に解禁になるのか?」
との期待もあるのですが、そうなる気配は今のところありません。
いずれにせよ、何か動きがあればまた、
お知らせさせていただきます。
(古山喜章)
« 持株会でなくてもOKです | トップページ | 全損保険はどこへ行く② »
「節税対策&決算対策」カテゴリの記事
- 税制改正をどう活かすか?⑤(2025.02.07)
- 税制改正をどう活かすか?④(2025.02.06)
- 税制改正をどう活かすか?③(2025.02.05)
- 税制改正をどう活かすか?②(2025.02.04)
- 税制改正をどう活かすか?(2025.02.03)
コメント