タイボの設定は、1ケ月にしてください
「銀行借入の金利は、タイボ+スプレッドでしなさい!」
と言い続けております。
タイボは,TIBOR(Tokyo InterBank Offered Rate)の略で、
東京の銀行間で日々取引されている金利のことです。
銀行員の間で、市場金利といわれるものです。
そのタイボ金利に、スプレッド(上乗せ金利)を加算します。
その条件で設定してもらいなさい、と言っているのです。
タイボには、1週間、1ケ月、2ケ月、3ケ月、6ケ月、1年
と、6種類がありました。
銀行金利の場合、多いのは、1ケ月タイボでの設定です。
で、かつては2ケ月、3ケ月、6ケ月、1年、となるほど、
タイボ金利も高くなっていました。
ちなみに、
今年の4月1日から、2ケ月タイボがなくなりました。
2ケ月タイボに関しては、この1年半ほど、妙な推移をしていました。
かつては、1ケ月タイボよりも2ケ月タイボの方が、高かったのです。
なのに、この1年半ほどは、1ケ月よりも2ケ月タイボの方が低い、
という妙な逆転現象が起こっていたのです。
2年ほど前に、2019年の3月で2ケ月タイボは廃止する、
と、タイボを取り仕切る全国銀行協会から各銀行に発信されており、
その後、運用が減り、そのような逆転現象が起こっていたのです。
このタイボも、その設定期間が短いほど金利が低い、
ということを知っておいてほしいのです。
「タイボ+スプレッドでできました!」
と聞き、「タイボの期間は?」と尋ねると、
「聞いてみます!」となり、
「1年でした!」ということがありました。
例えば、2019年5月21日であれば、
タイボ1ケ月は、0.05818
タイボ1年は、 0.13636 なのです。
2倍以上、違うのです。
銀行は、できるだけ長い期間のタイボ設定にしたがります。
しかも、条件提案書にはあまり詳しく書かないのです。
「TIBOR金利」「市場金利」などと書くのです。
で、内容をよくよくお聞きすると、6ケ月や1年だった、
ということが、これまでにも多々ありました。
なので、
「タイボ1ケ月+スプレッドでお願いします。」
と、言ってください。
タイボ1週間のほうがさらに金利は低いですが、
最初は1ケ月から設定し、財務状況がさらに向上するのなら、
「タイボ1週間に見なおしをお願いします。」
と交渉を進めてほしいのです。
(古山喜章)
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