決算後の銀行への対応 ④
そろそろ決算が確定します、
という会社が多い時期に入ってきます。
「銀行にはどう対応すればよいでしょうか?」
と気にされる経営者も多いです。
④借入金のない会社はどう対応するのか ~その2~
前回は、借入金はないけれども、当座貸越枠があります、
という場合のその銀行への対応を述べました。
今回は、無借金の状態で、
新たな銀行に新規に当座を開設し、
当座貸越枠を作る、あるいは新規借入をする、という場合です。
無借金ですから、基本、財務状況は良いはずです。
銀行にすれば、是が非でも取引きに繋げたい会社です。
その場合、「損益計算書」と「貸借対照表」だけでOKです。
「販売費及び一般管理費内訳」や「製造原価報告書」も、
渡さなくてよいです。
スコアリング(格付)だけなら、それでできるからです。
「スコアリングだけなら、あの配点表からすれば、
貸借対照表と損益計算書だけでできるでしょ。」
と言えばよいのです。
その発言で、「並みの経営者とは違う」ということを
まともな銀行員なら察知するはずです。
5年分を要求されたら、「損益計算書」と「貸借対照表」のみ、
必要な分をお渡しすればよいのです。
但し、現状の決算状況が芳しくなければ、
その内情を把握すべく、しつこく要求してくることがあると思います。
その場合のみ、もったいぶって渡せばよいのです。
芳しくない、というのは、営業利益段階で収支トントン程度から、
それ以下の場合です。
それでも恐らく、初めての銀行であれば、
「損益計算書」「貸借対照表」のみならず、
その他の資料も要求してくると思われます。
その場合は、「損益計算書」と「貸借対照表」を、
最初にチラ見せすればよいのです。
渡さずに、まずは見せるだけにするのです。
自己資本比率が30%以上あり、
損益計算書の営業利益も10%近く以上あるようなら、
決算書を読める銀行員は、よだれがでる状態になるはずです。
顔に出さないものの「鉱脈を掘り当てた!」
と内心、うかれるはずです。
ここまで利益率がなくとも、数%以上の営業利益率を
維持しているのなら、まずは見せるだけでいいです。
とにかく、
スコアリング(格付)に、販管費内訳表や製造原価報告書は、
必要ないのですから。
損益計算書と貸借対照表をチラ見せして、
「こういう状況です。
だからこれだけで十分じゃないですか、とおたずねしているんです。」
と言えばよいのです。で、
「もちろん、実際に当座貸越枠を使ったり、
新規借り入れをお願いすることになれば、
その際は、販管費内訳も製造原価報告書も提出して説明します。」
と伝えればよいのです。
今は借り手が有利の時代です。
特に決算書の内容が悪くなければ、銀行は絶対にくらいついてきます。
その有利な立場をうまく使って、有利な条件を獲得してほしいのです。
(古山喜章)
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