決算後の銀行への対応 ②
そろそろ決算が確定します、
という会社が多い時期に入ってきます。
「銀行にはどう対応すればよいでしょうか?」
と気にされる経営者も多いです。
この場合、対応といっても、一律ではありません。
まず大きく、銀行からの融資の有無によって、
決算確定後の銀行への対応は、異なるのです。
②銀行は経営者を信用していない
前回、借入金のある会社は、
決算確定後に銀行へ訪問して、
決算報告と業況見通しをお伝えしなさい、
と申し上げました。
そうしておくことで、銀行交渉時には、
自社が優良顧客であることを、アピールできるからです。
ではなぜ、そうしたほうがよいか、ということです。
理由は簡単です。
銀行は基本、中小企業の経営者を、信用していないのです。
「けしからん!」と思うかもしれませんが、
こちらも銀行を信用していないのですから、仕方がありません。
そのことを語るデータが、4月下旬、金融庁から発表されました。
金融庁から地域銀行に対する、
「経営者保証に関するガイドライン」
のアンケートの結果、がそれです。
アンケートの対象は、地域銀行105行です。
そのなかの質問に、
「ガイドラインに基づいて個人保証を外した場合の、
銀行のデメリットは何か?」
というものがあります。
その回答の52%を占めるのが、
「経営者への規律付けの低下に繋がるから」
というものでした。
(添付ファイルの7ページ)
わかりやすくいえば、
保証をとっておかないと、返済しないかもしれないから、
ということです。
いかがですか。なんとも失礼な回答なのです。
それも、なんという上から目線!
「貸してやっている」という姿勢を、ここに感じます。
しかもこの回答が52%を占めるのですから、
中小企業で個人保証を外すことが進んでいないのは、当然です。
さらにその根底にあるのが、
「返済されなかったら自分の成績にひびく」というものです。
結局は、銀行員自身の身を守るため、なのです。
個人保証に関する交渉をするのなら、
先のデータファイルを印刷して見せて、
「地銀の半分は、こう考えているらしいですね。
お宅はどう考えているんですか?
うちの財務体質からみても、そう思うんですか?」
と、たずねてみてほしいのです。
(古山喜章)
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