消えた神話を今も信じる人たち ➂
時代が変わり、
取り巻く環境が変われば、経営の神話も様変わりします。
変化に応じて古き神話を捨てることも、経営には必要です。
なのに今なお、消えた神話を崇め、
変われない経営者が、あちらこちらにおられるのです。
➂資本金神話
「資本金は大きいほうが信用される」
このような、いわゆる資本金神話を
今も抱いている経営者を、時折おみかけするのです。
決算書を拝見すると、
資本金が2億円、3億円、あるいはそれ以上、
というケースに出会うことがあります。
「どうして資本金がこんなに大きいんですか?」
と尋ねます。
「いやあ、資本金は大きいほうが、
社会的信用が高いと思って、増資を重ねてこうなりました。」
という答えが返ってきたりするのです。
しかし今どき、
「資本金が大きいから信用できる会社だ。」
などとは誰も思いません。
むしろ、
資本金が1億円以下とした場合のメリットのほうが、
よほど大きいのです。
そのメリットは、以下のとおりです。
①法人事業税の※外形標準課税の対象外となる。
※資本金額・労務費額にかかる税金
②800万円以下の交際費は全額損金算入できる。
➂30万円未満の資産は少額資産として損金算入できる。
ただし、総額300万円まで。
④即時償却制度など、各種特別償却の制度が活用できる。
⑤同族会社にかかる留保金課税の対象外となる。
⑥欠損金を最大10年、全額繰り越し控除できる。
⑦欠損金の繰り戻し還付請求ができる。
⑧法人住民税の均等割額が少なくなる。
⑨原則、国税局の管轄から外れる
⑩所得金額800万円までは軽減税率(15%)が適用できる。
いかがでしょうか?
これだけの恩恵を受けれるか受けれないか、
で、稼いだお金にかかる税金は大きく変わります。
つまり、残るお金に大きな差が生じるのです。
それに、減資することは大変だ、と思っておられる経営者も多いです。
そんなことはありません。
1)株主総会で決議する
2)振替伝票1枚で減資の処理をする
3)官報に掲載する
4)登記変更する
大きくこの4つの工程だけです。
複雑で面倒くさい処理など、ないのです。
詳細は司法書士に依頼すれば、助けてくれます。
もし、自社の貸借対照表をご覧いただき、
資本金が1億円を超えているなら、
ぜひとも、1億円以下への減資を進めてほしいのです。
(古山喜章)
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