うちには80年前の機械があります
工場現場の方々と話していると、衝撃を受けることがあります。
ある食品工場でのことです。
生産担当の社員数名と話していて、
「古い機械があったら新しいものに変えてゆくから、
あれば教えてくれる?
まさか20年以上も使ってる機械なんて、ないよな。」
とたずねました。
で、ある社員が言ったのです。
「うちの部署には80年前の機械があります!」
「えっ!80年前!! 戦前やないか!」
まさかの80年前に、驚愕です。
「そうなんですよ!わが社の最長老です。」
ヨーロッパ製の機械なのです。
戦前とはいうものの、同盟国製でした。
しかし、喜んでいる場合ではないのです。
「動くの?」
「普通に動きます!」
「メンテナンスとかできるの?」
「いやもう、メンテナンス業者の誰がきても、
この機械を見たら、すっごいテンションあがるんですよ!
存在しない部品も多いんですが、普通に動きますので。」
「機械屋を喜ばしてどうすんねん!」
といった感じなのです。
動くとはいうものの、80年前ですよ。
エネルギー効率は、最新機と比較にならないくらい悪いでしょう。
スピードも遅いです。ロスも多いです。
加えて、維持管理に手間がかかります。
「どうしてそんなに古い機械、使ってるの?」
とたずねました。
「コスト削減を言われているので、買い換えたらダメと思ってました。」
とのことだったのです。
結局、買い替えることになりました。
同時に、80年前の機械は、
もはやお宝状態なので、今も存在する海外メーカーに
連絡して、引き取ってもらうことで進行中です。
しかし問題なのは、経営陣もこの80年前の機械を
放置していたことです。
加えて、従業員に対しては、
コスト削減の意味をミスリードしてしまっていた、
ということです。
古い機械はよく稼ぐ、などというのは大間違いです。
最新機こそ、最も生産性が良いのです。効率もいいのです。
古い機械は、コストの垂れ流しです。
燃費の悪さ、スピードの遅さ、ロスの多さ、など。
そのことを認識し、もう一度、
各現場に古い高齢の機械がないか、点検してほしいのです。
(古山喜章)
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