税務調査がやってきた④
今年の春先に、
顧問先D社に税務調査が入りました。
調査官は、総勘定元帳を使って、
特定の科目の部分を、
一つ一つ丹念に調べていきます。
グループ会社間の取引が狙われると思いきや、
そこはさほど見られませんでした。
その代わりに、オーソドックスな点が指摘にあがります。
指摘であがった点は、次の4つでした。
①旅費交通費の期ズレ
②D社会長の父親の給与
③改装工事に関する修繕費
④備品の経費計上
これらの4つすべてに共通しているポイントは、
たった一つ。エビデンスでした。
もう少し詳しく言うと、
①この会社は、地方にあり、決算期は7月でしたが、
昨年8月に社員が東京出張しています。
旅行会社からの請求書には、
「8月東京出張」とはっきり書かれています。
経費を前倒ししたということで、
いわゆる“期ズレ”との指摘でした。
②金額的に一番大きく、
反論することがかなり難しいと感じた指摘でした。
D社会長の父親は、今年88歳を迎えます。
この父親に、毎月給料を85,000円支払っていました。
元気ではありますが、
ご想像の通り、実質的に仕事はしていません。
普段は自宅にいて、会社に出勤したことは一度もありません。
つまり社員として働いているというエビデンスは、何一つありません。
取締役、あるいは、監査役であれば
まだ良かったのですが、単に社員という扱いでしたので、困りました。
③店舗の駐車場の工事です。
数か所のエリアに分けて舗装版の工事をしています。
エリアごとに請求書はありましたが、
その請求書には、『新設』の2文字があります。
これが調査官の目に留まったのです。
④備品セットを購入していましたが、
その請求金額は、65万円でした。
中小企業の場合は、1台あたり30万円以上なら、
資産計上しなければなりません。
当然ですが、税務調査は短期間のうちに
調査しなければいけません。
時間がないなかで、お土産を持って帰ろうと思えば、
形式的な書類で判断せざるを得ないのです。
この意味で、契約書、請求書、取引記録といった
エビデンスの“見せ方”は、とても大切なのです。
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