税務調査がやってきた⑧
今年の春先に、
顧問先D社に税務調査が入りました。
①旅費交通費の期ズレ
②D社会長の父親の給与
③改装工事に関する修繕費
④備品の経費計上
最後に調査官からの指摘をひっくり返すのが、
一番難しい②会長の父親の給与、を検討します。
実は、調査官と専務の間で、
こんなやりとりがありました。
調査官:
「損益計算書の給料の金額と、
賃金台帳の金額が合いません。
その差が、大崎太郎という方にあるようです。」
専務:
「この方には、振込ではなく、
現金で給料を支払っています。」
調査官:
「なぜ、この方だけこのような取り扱いをしているのですか?」
専務:
「この方の希望で、そのようにしていました。」
調査官:
「そうですか・・・
ところで、大崎さんの出勤記録など、
勤務している実績が分かるものはありませんか?
他の方は、みなさんタイムカードで記録されていますよね?」
専務:
「はい、わかりました。少しお待ち下さい。」
専務:
「えーっと、ですね・・・・
実は、えー、この方はタイムカードなど、
つけていないのです。」
調査官:
「えぇ?!そうなんですか?
他の方は、みなさんつけているのに、
なぜ、この方だけ勤務記録をつけていないのですか?
この方は、どういう仕事をしているのですか?」
専務:
「当社の××××という部門で、
アドバイスをしてもらっています。」
調査官:
「具体的には、どんなアドバイスですか?
月に8.5万円といったら、顧問税理士の先生よりも高額です。
ということは、それなりのアドバイスをしてもらっているんですよね?
ちなみに、ですが、この大崎さんと、
会長、社長、専務さんとはどのような関係でしょうか?
一族と関係ある方でしょうか?」
専務:
「えぇ、あの~、まぁ、はい。会長の父親です。」
その瞬間に調査官の表情が、一気に変わったのでした。
(つづく)
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