税務調査がやってきた⑨
今年の春先に、
顧問先D社に税務調査が入りました。
②会長の父親の給与をめぐるやりとりは、
前回の通りです。
調査官:
「大崎さんは、会長さんのお父さんなのですか?
それは問題です。話を聞く限り、
毎月8.5万円の対価に見合うだけの役務の提供がありません。
これについては、過去5年以上にわたって継続的に支払われており、
過大使用人給与ということで、5年分の否認対象となります。」
専務:
「・・・・・」
調査官:
「状況によっては、直接、会長のお父さんにお話を聞かなくてはいけません。
ご自宅の地図をお見せ下さい。」
いわゆる反面調査の可能性を匂わせてきました。
専務からは、
「本当に会長のお父さんのところに行かれるのでしょうか?
いきなり行かれると、相当びっくりして、大変なことになります。」
と不安な声があがります。
「いえ、そう言っているだけで、実際には行かないでしょう。
調査官も、そのように脅して、修正申告させることを狙っているんです。」
この②のテーマについては、
このような経緯があったのです。
さて、悩みました。
明らかに劣勢な状況をどのように反論するのか。
専務との作戦会議に、
急遽、常務にも参加してもらいました。
ふだん、会長の父親と交流が深いのは、
専務よりも常務なのです。
常務:
「会長の父親って、若い時から、××××を仕事としてやっていますよね。
高齢になった今でも、規模は小さいながらも、××××を続けています。
××××という仕事は、当社の直接の事業ではないですが、
それでも、間接的に当社と関係があります。
考えられるとしたら、このあたりではないですか?」
「なるほど!」
常務から良いヒントをもらいました。
あとは、会長の父親が行っている××××
という仕事がD社の経営に間接的ながらも、
大きな影響を与えていることを示せないか、
夜通し、頭をひねって考えました。
これらを文章にして、税務調査官への反論文書としたのでした。
正直、D社サイドでは、
「この指摘は、なかなか厳しいものだなぁ」と考えていました。
ところが2週間後、専務から電話があり、
「例の会長の父親の給与、税務署から認めてもらいました~!」
と報告があったのです。
今回は、一つ一つの指摘に、
文書で理論的に反論をしました。
これもエビデンスといえば、エビデンス、なのです。
まもなく人事異動というタイミングも追い風に、
こちらの主張は全て認められたのでした。
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