債権放棄でダブル課税①
カレーハウスCoCo壱番屋の創業者、
宗次氏の資産管理会社に税務調査が入りました。
ストラディバリウスを誤って、減価償却していた件については、
前回のブログの通りです。
この会社は、もう1点、国税局から否認されています。
それが、「みなし贈与」という問題です。
ここで、贈与税について、確認しておきます。
例えば、AさんからBさんに、
お金をタダであげる、これは、わかりやすい贈与です。
個人の場合は、贈与を受けた額が
年間110万円までは、贈与税はかかりません。
よく間違いやすいのは、贈与税というのは、
贈与をした人ではなくて、
贈与を受けた人が払うものです。
また、贈与は、直接お金をあげる場合に限らず、
例えば、AさんがBさんにお金を貸していて、
しばらくしてから、
「あのお金は、返してもらわなくていいよ」
という場合も、贈与にあたります。
これも結局は、お金をタダであげた、
ということと変わらないからです。
この話、個人と個人の間だと、比較的イメージしやすいのですが、
個人と法人の間になると、どうなるのでしょうか?
個人と法人の間でも、
上のような話があった場合は、
税金がかかることに変わりありません。
例えば、社長が会社に1億円を貸し付けていました。
会社の資金繰りが厳しいので、
この1億円は、返してもらわなくてよい、
ということにしたとします。
となると、この会社は、社長個人から1億円の贈与を受けた、
ということになります。
ただし、会社の税金のなかに、贈与税という税金はありません。
この場合は、1億円の利益(債務免除益)を計上して、
その分、法人税を払うことになります。
しかし、会社の場合、影響はこれだけに留まらない、
というケースがあります。
それが、今回、宗次一族が指摘された、
みなし贈与税、になります。
これについては、次回以降、ご説明します。
(福岡雄吉郎)
【新刊発売しました!】
福岡雄吉郎の最新刊
『会社にお金を残したいなら 今すぐ経費を増やしなさい』
いわゆる教科書的な節税本とは一線を画し、
中小企業の現場で実際にあったエピソードを豊富に紹介。
具体的かつ実践的な税務対策を指南します。
本書を活用して、ぜひICO式のお金の残し方を実践ください!
【好評発売中!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
« 中小企業のデジタル化は遅れています 営業編④ | トップページ | 債権放棄でダブル課税② »

コメント