中小企業のデジタル化は遅れています 小売り・外食業 ⑤
世間ではAI、IoTの記事があふれています。
が、中小企業ではまだまだ、
それ以前のデジタル技術の活用が、遅れているのです。
小売・外食編⑤ 棚卸表のデジタル化
小売り・外食店舗での管理業務に、棚卸があります。
今や大手の棚卸業務は進化し、バーコードリーダーなどを
使って数量をデータ化し、自動発注データに連動させたり
しています。
いきなりそこまでしてください、とはいいません。
しかしせめて、紙の棚卸表に手書きで数量を記入する、
という次元から脱してほしいのです。
残念ながら、
中小企業は、まだまだその次元の店舗が多いのです。
かつて勤務していた会社で、
経理業務をしていたときのことです。
月初に各店舗から送られてくる棚卸表を見ながら、その数字を
その当時はまだ珍しいパソコンソフトに入力していました。
ウィンドウズ95が発売される前の話しです。
・棚卸表が水で濡れて、書いている数字がにじんでわからない。
・書いている数字が雑で、読み取れない
・単位を取り違えているのか、おかしな数字になっている
・数字を書く場所を間違えていて、どれが正しいかわからない
・勝手に書き足した材料資材があり、一体それが何なのかわからない
・食材が付着したまま乾いていて、なんだか変な匂いがする
・かんじんなところが破れていて、行方不明になっている
・4枚あるはずなのに、3枚しか経理に届いていない
などなど、ありとあらゆることに悩まされました。
そのような棚卸表を数十店舗、見て入力するのです。
とにかく、確認作業に時間を取られたのです。
しかも現場に確認の電話を入れると、たいがい嫌がられます。
「えっ、なに?棚卸表?
そんなん、今さらわからんわ!
こっちは忙しいんやから、ええようにしといてくれ!」
などとまくしたてられ、
ガチャっと切るベテラン店長などもいました。
「いやいや、こっちも忙しいなか電話してるんだ。」
と言う間もない勢いなのです。
製造部で生産計画を立てている時も、
毎日の各商品の店在庫をファックスでもらい、
データ入力しては在庫が膨れないような生産数を計算し、
製造現場に指示を出したりしていました。
しかしその会社も今や、
各店舗にてタブレット端末でデータ入力され、
経理も製造部も即時に棚卸データを共有できるようになっています。
それを聞くにつれ、
「あのころそのシステムがあればなあ。」と感じるのでです。
もしいまだに紙の棚卸表に手書きしているのなら、
せめてタブレット端末でエクセルの棚卸表に入力し、
メールでデータを送るのか、
クラウドの保管庫に保存するのか、くらいはしてほしいのです。
お金がないとはいうものの、その程度はできるし、
そのほうが、二度手間三度手間の確認作業を考えると、
コストがかからず、素早く処理できるのです。
紙に手書きの棚卸表、ありませんか?
(古山喜章)
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