中小企業のデジタル化は遅れています 小売り・外食業 ⑨
世間ではAI、IoTの記事があふれています。
が、中小企業ではまだまだ、
それ以前のデジタル技術の活用が、遅れているのです。
小売・外食編⑨ シフト管理のデジタル化
タイムカードがデジタル化されていない小売り・外食業の場合、
往々にして、勤務シフト表も手書きが多いです。
ホテル、病院、介護などの現場でも同様です。
概ね、店長か2番手くらいの社員が、シフト表を作成しています。
手順としては、店舗の従業員全員が、
毎月の締め切り日までに勤務希望や休日希望の日を店舗に提出し、
それをまとめてシフトを作成してゆきます。
できあがったらバックヤードのどこか、
皆が見れるところに貼り出してゆきます。
で、その月が始まります。すると、
「子供が熱を出しましたので。」
「体調が悪いので。」
「急用ができたので。」などと、急な変更が入ります。
労務コストが重要視されているなか、
誰かが休んでも回るような、余裕のあるシフトは作成していません。
そもそも、かつかつのシフト表です。
急なシフト変更希望は、店長クラスにとって一大事です。
店長以下のスタッフは、代わりの出勤者を探します。
ラインで連絡したり、電話をしたりします。
いなければ、
「社員でカバーするしかないな」となります。
で、月初に貼りだしたシフト表に、修正が書き込まれてゆきます。
一か月の終わりころになると、
シフト表は修正だらけになっています。
「こういう修正があるんで、
手書きがいちばんやりやすいんです。」
と、店舗管理者たちは言います。
こういう方法でされているのは、
20年以上の社歴を持つ会社であることが多いです。
なぜなら、その頃はそれしか方法がなかったからです。
つまり、その方法に慣れているのです。
そして年配者が多いです。
となると、慣れた方法を変えることが、億劫になるのです。
社歴が浅い会社は、若い社員が多いです。
デジタル機器に慣れています。
「シフト管理のようなめんどくさいこと、
こうすればできるじゃないですか。」
と、スマホやパソコンで管理できるシステムを、
平気で導入します。
手書きでするほうが、手間がかかる、コストがかかる、
記録データとして残らず活用できない、
ということを、考えずともわかっているのです。
若者はデジタル社会で生きてきたので、システムやITが基本です。
年配者はアナログ社会で生きてきたので、手書きや手計算が基本です。
シフト管理で言えば、
“店舗 シフト管理”と入力してインターネット検索すれば、
大手からそれ以外まで、多くのシステムが上位に現れます。
手書きシフトに慣れている人たちは、
それらを見ることも知ることもなく、
「手書きがやりやすい」と思い込んでいるのです。
いまどきのシフト管理システムは、
急な対応が必要な場合はどうするのか、ということも、
盛り込み済みなのです。
いつまでもアナログに頼らず、
時代の流れに即した方法に、変えてほしいのです。
(古山喜章)
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