回収サイトを縮めましょう その9
愛知工業(仮)が困っていたのは、
Y社が現場で請求書をなくす、ということでした。
要するに、相手先の都合で、未収金になる、というケースです。
この場合、どうしていたか?
それは、もう1回請求書を出しなおしていたのです。
現場の担当者は、「もう1回出しなおしてくれる?」
と申し訳なさのかけらもなく、当たり前のように
請求書の再発行を求めていたのです。
交渉にいった時点で、
そうした請求書を再発行していて未収金になっているものが、複数あったのです。
この点についても、本社の財務課長に伝えました。
すると、次のような言葉が返ってきました。
「それは、申し訳ありませんでした。
速やかにその現場に確認をとり、
至急、お支払いさせていただきます。」
これには、営業部長もびっくりです。
これまでの愛知工業の社内では、
そんなことをお客様に言おうものなら、取引を切られるかもしれない。
「そんなうるさく言うんだったら、お前のとこには注文しない」
と言われると思っていたからです。
しかし、私は以前から、そんなことはないと、
営業部長に伝えていました。
「現場と本社は違いますよ。
本社は、コンプライアンスに神経を尖らせています。
だから、払うべきものは払う!という意識は強いです。
どの会社も、現場と本社は対立しますが、
最終的に代金を払うのは、本社です。
だから、本社に交渉すれば、よい方向に転ぶはず。」と。
まさにその通りになりました。
また、本題のサイト短縮については、次のようなポイントで伝えました。
・サイト短縮は時代の流れである
・Y社は得意先のなかでも、特に長い
・愛知工業は、Y社の満足度を高めるため、優良な仕入先、外注先を確保している。
・このため、愛知工業から仕入先、外注先への支払サイトは短い
・つまり、愛知工業は「回収が遅く、支払いが早い」ため、資金負担が大きい
(将来何かあれば、すぐに経営危機に陥ってしまう)
すると、財務課長の口からまたしても意外な答えが返ってきたのです。
(福岡雄吉郎)
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