中小企業のデジタル化は遅れています 設備型労働集約サービス業 ①
世間ではAI、IoTの記事があふれています。
が、中小企業ではまだまだ、
それ以前のデジタル技術の活用が、遅れているのです。
設備型労働集約サービス業① SNSの活用
設備型労働集約サービス業といえば、
ホテルや病院・介護施設等、
集客のための建物に内装や設備を抱えながら、
人手によるサービスを提供する業種です。
損益計算書では、労務費の比率が高くなります。
特に病院の場合、売上に対する労務費比率は50%を超えます。
公立病院の6割は営業赤字、という要因はここにあります。
しかも労務費は今なお高騰しています。
現状で数%の営業利益が出ていても、放置すれば、
すぐに営業赤字に陥る、という状況なのです。
この業種こそ、デジタル技術をいち早く活用すべきなのです。
例えば病院です。入院患者のいる病棟は24時間営業です。
勤務者はそれぞれシフトで入れ替わります。
その際、その場にいない従業員に伝えることがたくさんあります。
患者ごとの容態の変化、
新たな患者の特質、
本人やご家族からの要望、など、さまざまです。
これらのことを知った従業員が、他の従業員に申し送りをします。
これまで最も多く使われていたのが、手書きの「申し送りノート」です。
書くのも大変ですが、読むのも大変です。
ノートは職場にある一冊だけです。
書き手と多数の読み手で共有するだけでも、時間を要します。
当然、モレやヌケが出ます。
それが、クレームのもとになります。
で、クレーム対応に追われ、口コミで評判に影響します。
結果、集客や採用に影響を及ぼします。
特に病院や介護施設は地域密着型の事業です。
口コミや評判・噂の影響が、大きいのです。
しかし最近は、ラインなどSNSを活用して
任意のグループで情報を共有する、
ということが可能になってきました。
文章でもいいし、写真でもいいし、
書くのが面倒なら、自らしゃべって動画を撮影しても構いません。
情報共有できるSNSにその情報を上げればいいのです。
SNSなら、他の従業員はいつでもどこでも、
情報をスマホで閲覧することができます。
そういうと、
「個人のスマホを業務用に使わせるのはよくないんじゃないですか」
とおっしゃる方がいます。
要は、わずかながら個人でのコスト負担がかかります、
と言いたいのです。
それなら、月額で相応の手当を支給すればよいだけです。
「また労務費が上がります!」とさらに言われるのですが、
それで情報共有が迅速強固になり、クレームが減り、
評判がよくなるのなら、安いものなのです。
手書きで申し送りノートを書かなくなるだけでも、
余計な残業時間が減るのです。
しかも、そのような文句を言う人も、
個人では友人たちとSNSでグループを作成しているのです。
その利便性を承知しているのです。
それならなおのこと、その利便性を、
職場で活用する方策を、考えてほしいのです。
(古山喜章)
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