回収サイトを縮めましょう その15
愛知工業(仮)が得意先のY社に、
売掛金の回収サイトの短縮交渉を行いました。
Y社の財務課長に、愛知工業の決算書を提出したところ、
課長の顔が驚きに変わりました。
開口一番、
「御社は、無借金ですか??!!
しかも、ご立派に経常利益も出されていますね~
当社は借入金が多く、逆にお恥ずかしいですね。」
無借金!
やっぱり、その言葉が口から出てきました。
「はい、無借金です。」
“それなら、資金繰り困ってないんじゃないの?”
と言いたそうな表情でこちらの様子をうかがってきます。
すかさず私から
「いまはおかげさまで、無借金になりましたが、
無借金になったのは、つい最近のことです。
10年前のリーマンショックのときなどは、
それはもう借入金が膨らみ、本当にひどい状態でした。
そこから歯を食いしばって、今があるわけですが、
いつまたそういう不況が訪れるか分かりません。
そのときに、会社が持ちこたえられるよう、
できることはしておきたい、というのがこちらの考えでございます。
特に、御社のような大企業と違って、
私どもは吹けば飛ぶような小さな会社ですので、
資金繰りはまさに死活問題と捉えています。
この点をどうか、お含みおきをください。」
このようにフォローしました。
財務課長からは、
「まぁ、それはそうですよね、お気持ちは分かります」
とこちらの考えにも理解を示すような言葉がありました。
「決算書を見て頂くと、売掛金、手形の割合が非常に大きく、
反対に、買掛金の割合は小さくなっております。
“回収は遅く、支払いは早い”ということが
すぐにお分かり頂けると思います。
これまでのご説明と矛盾ないことも、どうかご理解ください。」
真摯に丁寧に説明を行って、会社を後にしました。
それから1ヵ月ほどしてから、改めて会社から呼び出しがありました。
(福岡雄吉郎)
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