中小企業のデジタル化は遅れています メーカー、製造業 ⑤
世間ではAI、IoTの記事があふれています。
が、中小企業ではまだまだ、
それ以前のデジタル技術の活用が、遅れているのです。
メーカー、製造業⑤ 運搬業務の自働化
工場のなかには、何かと“運ぶ”という作業がつきものです。
しかしこの“運ぶ”というのは、お客様にとって、
なんの付加価値にもなりません。
作る側の都合によって、発生している作業です。
そこに、労務コストをかけているのです。
これほどもったいないコストは、ないのです。
ある中小企業の工場で、賑やかなメロディを鳴らしながら、
自動で動いているカゴ台車をみかけました。
「あれはどこに行くんですか?」とお聞きしました。
「床面に磁気テープが貼ってあるでしょ。
その上をなぞりながら、25mほど先まで進みます。」
「ということは、自動搬送ロボットですね。」
「そうなんですよ。自社で作りました。
ラインが動いていたら一定時間ごとに必要になる部品を、
運んでくれています。
わずかなことですが、人が運ばなくてもいいので、
生産性には貢献してくれていますよ。」
というやり取りを、現場リーダーとさせていただきました。
そのカゴ台車には、必要な部品を人が載せているのですが、
運ぶのは搬送ロボが行っているのです。
もちろん、全く人が介在しないのが一番いいのですが、
いきなりそこまでやろうとすると、
つまずいて前へ進まなくなります。
生産性が上がる工場は、
細かな改善を積み重ねてゆきます。
試行錯誤しながら、一歩ずつ進めてゆくのです。
その一歩が自信になり、次の一歩へと進むのです。
その工場でも、社内の改善部隊が、
ほぼ自作で搬送ロボットを製作したのです。
アマゾンの倉庫並みの搬送ロボットにすることはムリでも、
ある一定区間を移動するだけの搬送ロボットでもよいのです。
あるいは、運搬が必要ないよう、物理的距離を縮めるでも構いません。
粗利をそぎ落とすような労務コストのかけかたを、
してほしくないのです。
(古山喜章)
« モバイルオーダーを使ってみました | トップページ | 不況の5K② »
「コストダウン(労務・IT・他)」カテゴリの記事
- 付加価値のない業務に人手を使わない⑤(2023.11.17)
- 付加価値のない業務に人手を使わない④(2023.11.16)
- 付加価値のない業務に人手を使わない➂(2023.11.15)
- 付加価値のない業務に人手を使わない②(2023.11.14)
- 付加価値のない業務に人手を使わない①(2023.11.13)
コメント