中小企業のデジタル化は遅れています メーカー、製造業 ⑧
世間ではAI、IoTの記事があふれています。
が、中小企業ではまだまだ、
それ以前のデジタル技術の活用が、遅れているのです。
メーカー、製造業⑧ 手洗い、ローラーがけの動画活用
先日、ある食品工場を見学しました。
食品工場につきものなのが、厨房内に入る前の、
手洗いとローラーがけです。
よく見かけるのは、手洗いなら、
写真付きマニュアルに沿って30秒、タイマーで測って行う、
といったルールです。
毛髪混入防止のための、コロコロローラーでの動作も、
同様のパターンが多いです。
その工場では、動画を活用していました。
手洗い場ごとに、小さなモニターが設置してあります。
スーパーマーケットの棚に設置されているくらいの大きさで、
タッチパネル式のものです。
で、パネルをタッチすると、
“同じ動作をしてください”
というテロップに続き、動画が始まります。
手洗いなら、その動作が動画で流れます。
“両手首を3回ずつ”“親指から一本ずつ”
など、要点もテロップで出てきます。
手洗いに続くローラーがけも、同じく動画を見ながら行います。
動画に合せて動くので、迷うことなく動けます。
要は、
初めてその場で手洗いやローラーがけをするにせよ、
とてもわかりやすいのです。
その動画のとおりに行えば、必要な時間での動作になります。
写真のマニュアルでは、それを見て行うにせよ、
特に初めての者にはわかりづらいです。
瞬間を切り取ったものなので、時間的な要素が見えません。
写真でのマニュアルは、
知っている人がみてわかるレベル、のものなのです。
動画にすることによって、
初めての人でも間違いなくできるようになったし、
細かく教える手間がいらなくなりました、とのことでした。
食品工場の場合、繁忙期になると、パートなどの人員が増えます。
臨時雇用の社員も、衛生管理に関しては、
皆と同じレベルで取り組んでもらう必要があります。
多くの食品工場では、このときに、衛生管理が乱れます。
1人ずつ、手洗いやローラーがけの手順を教えるだけでも、
時間がかかるのです。
動画なら、毎回見るので新人も自然と動作を覚えてゆきます。
動画は既存のよいものがなかったので、
製作業者に依頼しました、とのことでした。
人が教えれば、バラつきも生じます。その都度コストもかかります。
動作を指導するなら、
人よりも動画のほうが、圧倒的に効率がいいのです。
(古山喜章)
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