波紋を呼ぶ相続税対策③
昨日(11/19朝刊)の日経新聞で、個人の相続対策にからみ、
次のような興味深い記事が出ていました。
まとめは次のようになります。
日経新聞の記事に書かれていなかった情報も含めて、
下にまとめます。
①90歳を超える高齢者が相続対策として、
10億円もの借金をして不動産2棟(A,B)を取得した。
⇒通常、90歳を超えて、しかも亡くなる数年前に
これほどの規模の借入金を個人で行うでしょうか?
「普通はこんなことしないでしょう」
“社会通念上不相当である”と、税務署は考えました。
一般的な感覚と離れすぎている、というのは、
税務調査におけるポイントの一つです。
②不動産A、Bの合計は、14億円だった。
A:8億
B:6億
⇒この売買価格自体については、
特に問題になることはありません。
第三者との間で交わした売買金額がこの値段だったということです。
これがいわゆる“時価”ですね。
問題は、次の③になります。
③3年後に死亡した際に、これらの不動産を相続するために
評価すると、その評価額は、約3億円だった。
A:2億
B:1億
⇒亡くなった方が亡くなった場合、
残された遺族(相続人)が現金、不動産などを相続により取得します。
このとき、現金が1億円あれば、相続評価額は1億円ですが、
不動産の場合は、相続税評価額となります。
建物であれば、固定資産税評価額
土地であれば、路線価
が基本となります。
ここが今回の件の重要な点で、
②の売買金額と③の相続税評価額が、
大きくかけ離れていたのです。つまり、
②は第三者と売買するときの金額
③は相続税を計算するときの金額
この家族は、相続税対策として、
②と③の金額が大きく離れている不動産を意図をもって
狙って買っていたのです。
(福岡雄吉郎)
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