銀行が様子を伺いに動き始めます
今、多くの企業が新型ウイルスによる
経営への打撃を受け始めています。
いつまで続くかわからず、被害の拡大が読めない分、
台風などの災害よりも、経営者にとっては不安が大きいかと思われます。
金融庁は先週、各銀行に対して、
融資先の状況を把握し、経営継続のため必要とされる相談に、
親身になって応じること、といった通達を出しました。
なので、新型ウイルスの影響の有無に関わらず、
それなりの額の融資を受けている中小企業には、
銀行が現状の様子を伺いに来ることと思われます。
「今後のみとおしは、いかがでしょうか?」というものです。
しかし銀行にすれば、親身になる以前に、
「このまま融資を継続していて大丈夫だろうか」
と考えることは間違いありません。
融資の返済回収に危険を感じたら、
銀行は早期回収を前提とした対応に走るでしょう。
お金を貸すことが商売なので、それはそれで、当然のことなのです。
なので、銀行の不安をあおるばかりのような対応は、
避けてほしいのです。
銀行を安心させる面も、伝えてほしいのです。
「たまたま日本での生産に切り替えているものがあって助かった。」
「インバウンド客が減ったが、うちの店ではそもそも少なかった。」
「わが社の場合、逆にプラスの面もでてきています」
「この間にできなかった設備メンテナンスをしたり、
休日・休暇の消化を奨めています。」
など、実際にどうかは別にして、
多少の余裕はある態度で接してほしいのです。
一方で銀行は、
経営に影響はあるものの融資を継続しても大丈夫、とみれば、
後々、「あの時に対応してくれたから助かった。」
と思わせるよう、
「なんとか頑張らせていただきます!」などと対応するはずです。
恩を売る行動に走るのです。
そうすることで、今後の長きにわたって、
交渉を心理的に有利に運べるからです。
結局は、今回のような「マサカの坂」は、来るのです。
銀行交渉に関していえば、そのときに不利なのは、
借入金の多い会社です。
どうしても弱気になります。
「借りれるようにしなければ」
「条件変更をなんとしてもお願いしなければ」
等となってしまいます。
望みどおりに銀行に対応してもらえても、
負い目を背負ってしまいます。
無借金だったり、大した金額の借入金でなければ、
こちらも冷静に対処できるはずです。
だから、本当に必要な借入金ならともかく、
不要な借入金は、しないでほしいのです。
(古山喜章)
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