会社を解散します⑩
前回のつづきです。
4名の少数株主の整理をしないといけません。
それぞれ1%ずつ、合計で4%保有しています。
ただし、この4名はおそらく亡くなっており、
その家族も、この会社の株式を持っている、
ということは知りません。
「社長、とりあえず、昔の出資に関係する書類って、
残っていませんか?
書庫とか、金庫とか、調べられるだけ調べてみてください」
社長は、几帳面な方で、昔の書類が入ったファイルを
すぐさま見つけてきました。
「あっ、これって昔の出資に関する書類ですよ。」
見ると、株主名義で、
株式申込書と念書が出てきました。
念書には、次のように買いてありました
私が所有する貴社株式について、
退職するときは私が、また死亡したときには、
相続人が直ちに貴社に当該株式を額面金額にて売り渡します。
「へぇ、よくこんな念書があったんですねぇ。」
社長もびっくりしていました。
これはこれで有効は有効です。
ただし、だからといって、今から本人もしくは家族を見つけると、
結構な時間がかかるでしょう。
正直、かなり面倒な作業です。
「こちらから、わざわざ行って、
家族が見つかったところで、
“そんなのは知らない”とか、“無効だ”とか、
言われて、ストレスを抱えるのもご免です。
つまりは、寝た子が起きないでしょうか?」
心配性の社長が、不安そうな顔をしています。
清算まであまり時間がありません。
「やむを得ないので、今から話す方法でいきましょう。」
(福岡雄吉郎)
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