借りたものは返せ ②
「銀行からこんな提案をもらいましたが、どうでしょうか?」
と、経営者から度々相談を受けます。
最近の傾向では、財務が堅調な会社には、
なるべく長く貸し付けて、金利を吸い取り続けよう、
という銀行の思惑が、ますます強くなってきています。
②社債なら年間返済額がこんなに減ります!
「銀行引受の社債提案は絶対に受けるな!」
と言い続けております。
なんだかんだの手数料がバカ高く、さらに
保証協会の保証料も必要になります。
結局、プロパー融資より高くつくのです。
それでもまだなお、
「御社の財務状況なら、社債を発行して当行が引き受けますよ。」
という提案が、中小企業の経営者のもとに、
どんどんきているのです。
最近見た提案書には、驚きました。
そこには、現状の借入に対する年間返済額と、
社債発行時の年間返済金額を比較していたのです。
現状は他行からの借入です。社債は5年後の一括償還です。
要は、他行からの借入を、うちの社債に切り替えませんか?
という提案です。
が、その提案書の誘い文句が、こんな感じなのです。
「現状年間返済額:2400万円
社債発行時年間返済額:0円
返済差額はなんと2400万円!」
どうですか?
「5年後に一括償還なんだから、0円はないでしょ!」
とツッコミたくなる提案内容なのです。
バカバカしいにも程があるのです。
しかし恐らく、これで誘いにのってしまう経営者が、
少なからずいるのだと思うのです。
「5年後にはまた継続して社債を発行することもできますので。」
などと銀行員から言われると、まるで、
返さなくてもいいかのように思ってしまう経営者がいるのです。
5年間も返済せずに、一気に償還できるようにするには、
どれだけのキャッシュを残さなければならないのか、
ということです。
絶対に残っていません。で、また借りるのです。
そうなると、銀行の言いなりです。
それなら毎年確実に、返すべきものは返してゆくことです。
ここ数年、以前よりも銀行引受社債の勧誘が増えています。
手数料が通常融資よりも大きいからです。
借りる側にすれば、それだけコストがかかるのです。
だから、安易に社債の提案を受けないでほしいのです。
(古山喜章)
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