あおり融資、増えてます
「コロナショックの影響受けていないのに、
銀行が融資を進めてきます!」
という声をいくつかお聞きしました。
どう言ってくるのか、ある経営者に尋ねると
「こういうご時世ですから、
いつ何が起こるかわかりませんので、
現金をいつでも使えるように、手元に置いておけばどうでしょうか。
5000万円ならすぐに貸しますよ。」
と銀行担当者が言ってきたそうです。
要は危機感をあおる、あおり融資、なのです。
「でもおたくはお金、要らないでしょ。
それに、すぐに貸せるってどういうこと?」
とその経営者に言いました。
「そうなんですよ。
どうしてそんなにすぐに貸せるのか聞いたんですよ。
そうしたら、
“本当は社長の会社は関係ないのでダメなんだけど、
特別にお貸しします。”
て言うんです。どういうことでしょうか?」
それを聞いてわかりました。
いわゆる“危機対応融資”で地銀に回ってきた資金を、
危機でも何でもないその会社に、貸し付けようとしていたのです。
数年前に、商工中金が行った不正融資と同じです。
「そんなことしたら、商工中金の二の舞になりませんか?
って銀行担当者に言ってやってください。」
とその経営者にお伝えしました。
銀行は今、年度末の3月です。
このコロナショックは、融資ノルマを稼ぐには、
絶好の機会になっているはずなのです。
しかも、資金を必要としない、いわば、
貸し倒れのなさそうな会社に貸し付けようとしているのです。
おそらくこの時期、
「手元に資金があったほうがよういのでは・・・」
とあおられると、
「そうだなぁ・・・」
と思って借りてしまう経営者がいるのでしょう。
しかし、不要なのに借りてしまうと、
総資産が膨らみ、自己資本比率は下がり、
金利も発生する、など、
なにもいいことはありません。
と、もちろん、借りたものは返してゆかねばなりません。
不要なのに、銀行が危機対応の融資を促してきても、
安易に借りないでほしいのです。
(古山喜章)
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