危機もまた、チャンスなり
コロナショックで経済界には甚大な影響が出ております。
大打撃を受けておられる会社は今、
何よりも資金調達が気になっておられることと察します。
しかし一方で、このような危機だからこそ、
今がチャンス、ということも発生します。
そのひとつが、事業承継・相続の株価対策です。
株価の大下落により、類似業種の株価は間違いなく、
大幅に下がります。
非公開会社の株価算定には、類似業種の株価を使うからです。
で、下がったタイミングで、後継者へ贈与なり、譲渡なりすれば、
後継者の経済的負担は軽くなります。
2009年、
リーマンショック時にも、類似業種株価は大下落しました。
その際に、多くの中小企業経営者が、
後継者へ株式を移行したのです。
「あのときに移しておいて助かりました。」
という声を、いまだに聞くのです。
株を後継者に渡すのはまだ少し先だ、とお考えの先代も、
全部でなくても一部でも、いずれ後継者に贈与・譲渡するのなら、
今後の類似業種株価の動向を見ておいてほしいのです。
自分で見るのが面倒なら、会計事務所に意図を伝え、
類似業種株価をチェックしてもらい、
状況報告を受けるようにすればよいのです。
リーマンショック以来、10年に一度のビッグチャンスなのです。
他にも、中小企業にとってありがたいことがあります。
危機対応融資もありますが、
税金の優遇措置がおそらく新設・延長されるだろう、
ということです。
2021年3月末で終了予定となっていた、
即時償却制度を目玉とする特別優遇税制も、
この状況であれば、またもや2年、延長となることが
大いに見込まれます。
来年あるいは再来年に、大きな設備投資を予定している中小企業に
とっては、好都合なのです。
「しかし今はそれどころじゃないですよ!」
というお声もあるかもしれません。
が、危機のさなかでも、チャンスを逃さず活かす経営者が、
嵐が去ったあとに
「あのときにやっておいてよかった。」と言えるのです。
特に後継者への株式移行を控えているのならまずは、
月ごとに公表される、
類似業種株価をチェックしておいてほしいのです。
(古山喜章)
« コロナ融資をチャンスに変える | トップページ | コロナ対策 »
「事業承継・M&A」カテゴリの記事
- 相続時精算課税制度が変わる⑤(2024.07.05)
- 相続時精算課税制度が変わる④(2024.07.04)
- 相続時精算課税制度が変わる③(2024.07.03)
- 相続時精算課税制度が変わる②(2024.07.02)
- 相続時精算課税制度が変わる①(2024.07.01)
コメント