緊急時には、役員報酬を下げてもよい
以前、ある会社が不測の事態の影響を受け、
業績が急激に悪化したことがありました。
そのとき、その会社の社長に
「すぐに役員報酬をカットしなさい!」と言ったところ、
「会計事務所の方から、役員報酬は年度の途中で
下げれない、と言われました。」
との返答をいただきました。
とんでもない大間違いです。
業績が激減したとき、真っ先に取り組むのは、
固定費削減であり、なかでも、労務費の削減です。
役員報酬をカットしたり大幅削減するから、
従業員の給与減額、といったお願いをできるのです。
役員報酬は下げれないから、とそのままにして、
従業員の給与減額などできるわけがないし、
そんなことをすれば、モチベーションは一気にダウンし、
経営トップとしての信頼も、失うことになるのです。
このあたりのことをまったくおわかりでない、
会計事務所の方が、実際にいるのです。
役員報酬をカット、減額する際、実務的には、
臨時取締役会で決定した議事録を残せば可能です。
例えば、議案を“役員報酬減額の件”とし、
「現在、新型コロナウイルスの影響により、
直近の売上高は半減という非常事態に陥っている。
この状況を鑑み、各取締役の役員報酬を3ケ月カットする、
という提案が議長よりなされ、全員一致で承認された。」
などとすればよいのです。
繰り返しますが、
役員報酬を減額してからの、従業員の給与減額依頼です。
従業員の給与減額についても、2ケ月、3ケ月、など、
期限を短めにきっておくことです。
と、従業員の給与減額をするには、
労働組合があれば組合の同意を得ることとなります。
組合がなければ、従業員の代表となっている方に同意を得たり、
あるいは従業員を集めて説明し、同意を得るのです。
ただし、従業員給与の減額は、10%が限度です。
10%程度ではどうにもならない、
というのなら次は、整理解雇や、早期退職者を募る、
などの手立てとなるのです。
要は、リストラです。
それはまた、別途書かせていただきます。
(古山喜章)
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