手元の資金を忘れていませんか
ある小売業の後継者から、
ブログを読んでいて助かりました、
という連絡が入りました。
新型コロナの影響で業績がみるみる悪化し、
社長は手元の資金枯渇の恐怖を感じました。
で、急遽、融資を受けている銀行から追加で、
手元資金として短期借入金3億円を調達しようとしていたのです。
それを聞いた後継者は、経営道場ブログを思い出しました。
今なら保険会社から返戻金の範囲なら、(その最大90%を)
無利子で調達できます、という記事です。
その記事を社長である父に見せ、
すぐに保険会社へ連絡したのです。
その結果、
「おかげでほぼ同額を調達できました!」
とのことだったのです。
その会社は、自己資本比率はそこそこあるものの、
借入金もかなりあったのです。
できれば、これ以上借入金を増やしたくない、
という状況だったのです。
自己資本比率は30%超なので、
銀行に申出れば、恐らくすぐにでも借りれたと思います。
しかし、そうなれば、さらに借入金が増えます。
貸借対照表の借入金が一気に増え、
返済にはかなりの期間を要します。
生命保険の解約返戻金を活用して調達するなら、
返済できなければその解約返戻金を取り崩せばいいだけです。
要は、生命保険の積立金は、手元資金と同じなのです。
人さまのお金を借りるわけではありません。
保険会社に預けたお金を手元に戻すだけなのです。
この会社の社長は、そのことに気づかず、
資金が要る!となれば銀行から借りる、
という発想しか浮かばなかったのです。
銀行から借りるのは、あと回しです。
まずは、手元に活用できる資金がないか、
よくよく考えてほしいのです。
(古山喜章)
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