手元資金を確保しなさい①
どこまでこの状況が続くのかわからない今、
経営者はとにかく今、手元資金を確保することに
対策を講じる毎日なのです。
①いきなり借入金で現預金を積み増してはいけない
日頃から、
「余計な借入金をするな!」
「借入金をしてまで現預金を持つな!」
と言い続けております。
しかし一方で、
「先生、そうおっしゃいますけど、
こういう不測の事態になれば、
手元に現預金があれば助かりますから、
借入してもいいんじゃないでしょうか?」
というお声もあります。
何度も申し上げるように、
いくら現預金が手元にあろうとも、
借入金だと、それは返済しなければいけないお金なのです。
負債を大きくしながら、生き延びているだけです。
その果てが、
「負債総額〇〇億円」という、倒産です。
みな、負債の返済能力が完全になくなり、倒産するのです。
抱える負債には、限界があるのです。
無尽蔵には借りれないのです。
「それでも、先に借入して、
借入ができなくなったら、保険を解約するなり、
いざという時に手元のお金を置いておいたほうが
よいのではないですか?」
とおっしゃる方がいます。
もう、いま現時点が、いわゆる「いざという時」なのです。
そもそも、苦しい時に手元のお金を使わず、
それは温存して、人様のお金を借りようとする人を、
みなさんはどう思うでしょうか?
「なんや、手元にあるのに借りに来たんか。」
と不審に感じるはずです。
いきなり借りるのではなく、まずは自助努力です。
借入れを膨らまして生き延びても、
そのあとが持ちこたえられなくて、危機をのりこえたあとに
倒産したのでは、意味がないのです。
今ここで、保険の解約、有価証券売却を始めとする、
手持ち資産をお金に変えて、生き延びるのです。
借金をせずになんとか生き延びたら、
あとは新たな返済増額なく、新たな夜明けを迎えれます。
と同時に、その枯渇に備えて、新たに借りれる枠だけ、
確保しておくのです。
できることなら使いたくはないけれど、枠だけあれば、
手元資金がなくなっても、まずはどうにかしのげます。
大事なのは、いきなり借りない、ということです。
自助努力で生き延びようとするから、
腕を切り、足を落とし、痛みをともなってでも、
生き延びるし、その後はさらに強くなるのです。
人様のお金から入れば、結局、本当に厳しいことができなくなります。
危機が終わった後、銀行にまったく頭が上がらなくなります。
そんな経営を、しないでほしいのです。
(古山喜章)
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