【自己資本を考える10】純利益が赤字でも 会社信用には影響しません!
ある建設サブコンの経営者が喜色ばっておっしゃいました
「我々建設業は 国土交通省に財務諸表を提出して 経営審査を受けてランク付けをもらいます。赤字の経営では 信用がガタ落ちです」
お国であろうと 銀行であろうと 取引業者であろうと倒産するような危ない会社とは 取引を避けるのが当たり前です。よって、赤字を避けなければいけないと 経営者なら誰でも思うでしょう・・。
それは 間違いではありませんが 正確な知識が欲しいのです。
「経営審査の時の利益は 何利益を使うのですか?」 と質問しました。 答えは出ませんでした。
「2年に一度 審査はありますね。 その時の利益は 経常利益高でして、純利益ではありません! ちなみに銀行が審査する場合は 営業利益なんですよ!」
1985年~1990年頃 バブル景気で物価が高騰していましたね。このころに工場用地や店舗用地を購入された会社は多くありました。その後 バブル崩壊のために、購入用地はたちまち10分の1にまで 値下がりしてしまいました。
郊外レストランのA社 倉庫会社のB社 この二社は バブル期に購入した為、土地で含み損を持ってました。
A社の創業老社長は「このレストランを売るわけにはいきません、確かに4億も損失を出しましたのは私の誤り、他人には売る気は全くありません!」
「誰が 他人に売れと勧めているのですか?」
「先生でしょう・・・・・」
「我が社の別会社 子会社に売れ! と言ったのですよ」
「わが社には 子会社などありません!」
「子会社を設立して そこへ売却して 赤字をだしなさい!」
「???」
幸い4億は鑑定評価で 2億に。売却損2億円出せましたが、毎年 5千万円近くの利益が出て、累損は4年で取り戻せました。
銀行の評価の安全性は 減価償却 + 営業利益のキャッシュフローを見るのです。
資産の中身に含み損を有している土地の価格などは 決して評価しません。担保に入れている土地でも損の掃き出し行為に対しては 協力してくれるものです。
(井上和弘)
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