【自己資本を考える15】資本金が1億円を超えていたら 減資して1億円にしなさい!
東京、川崎 横浜が物流貸倉庫をもっていらっしゃる 株式会社パシフィックエンタープライズ(仮称) の会議室に招かれました。
「御社の資本金は5億円ですが・・・・? なぜ こんなに多いのですか?」
「我が社は多くの上場会社 わけても輸出が多い日本のトップメーカーの製品を預かっております。先代の口癖で先様からの大切なお荷物をお預かりしておりますので、信用が大切です。その信用のバロメーターは 資本金ではないでしょうか?
5億円の資本金にするにも大変な苦労が要りました。資本金が多いのは いけないとおっしゃるのですか?」
「社長 お聞きしますが御社は大企業ですか? 中小企業ですか?」
「勿論 わが社は中小企業ですな
「あなたは なぜ自社は中小企業なのに ★外形標準課税など課せられているのかと不満をおっしゃっていますね?」
「そうなんですよ!」
「売上規模も社員数も利益額も中小企業なのに、資本金を5億円にされているからですよ!」
「しかし 今更 資本金を1億円したり もう縁もない株主を排除したいと思っても不可能ですし・・・」
「不可能? いいえ 不可能ではありませんよ! 大阪の上場会社の吉本興業でも資本金を1億円に減額されていますよ」
「資本金を1億円にすると自己資本は小さくなるは、外部の資本提供者がすんなりと同意してくれないでしょうか?・・・」
「そのために 私を呼ばれたのでしょう・・・ちゃんとしてみますよ! 」
5億円の資本金を1億円に減資する。やったことのない方は どのようにしてやるのか 大変な大仕事と想像されるでしょうが いたって簡単。
資本金を1億円にする。4億円の資本金は 下の剰余金に組み入れられることなのです。振替伝票一枚で済みますし、官報にそれを 掲載すればよいだけです。
株式会社パンパシフィックは 今日 1億円の資本金で 外形標準課税もかかってきません。
私の申し上げる無借金道を選ばれた会社は 今回のコロナショックでどうなったのでしょうか?
無借金の会社の1つであるヒル・クレストテック株式会社 (仮称)では 不動産賃貸・
設備工事、ITコンサルタント業の3社のグループをもっている会社です。
勿論 3社とも無借金会社です。
大手メガバンクの大阪支店の責任者の方が来訪され、1社3億円ずる 9億の枠を準備していますとの提案があったのです。
また、他の無借金のホテル業や外食産業の会社も変動費を削れば 6か月~10か月は自力で凌げます。 という返事でした。
自己資本比率は「安定性」をみる万国共通の指標です。どんなに嵐がこようともびくともしないかどうかの指標です。会社を“潰さない” の使命で 私は今日まで来ました。
安定性を高めるには 収益性(ROA)ですが、ここにもう一度 銀行も最重要視する自己資本比率を考えてみたいと思います。
★外形標準課税とは
平成16年4月1日から、資本金1億円超の法人を対象に外形標準課税が導入・施行されました(当面中小企業は対象外)。
その 外形標準課税の概要は以下のとおり事業所の床面積や従業員数、資本金等及び付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を算定する課税方式のことです。
(1) |
所得に係る法人事業税率が9.6%から7.2%に引き下げられました。(ただし、年400万円超800万円以下の所得では5.5%、年400万円以下の所得では3.8%) |
(2) |
この引下げの代わりに、一部において外形標準課税が導入されました。 |
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