急に銀行が来るようになりました!
この1ケ月の間に、
「なんか最近、急に銀行が会社に来るようになりました。」
という経営者の声を、数名の方から伺いました。
いずれの会社も、
数年前までは借入金があったものの、現在は無借金です。
自己資本比率は、50%を超えています。
コロナの被害を、今のところはほぼ受けていません。
「今まで銀行に行ったことはあっても、
向こうから来たのは初めてです!
それも支店長、副支店長、次長と三人で来ました!」
と、ひとりの経営者が言いました。
「で、何を言いに来たの?」
「支店長が言うには、
このような時なので、
手元に資金を厚めに置かれてはいかがでしょうか?
すぐにご用意させていただきますので。
てことで、要は借りてください、ていう話しでした!」
「で、借りるの?」
「いやいや、必要ないので借りません。
必要な時にはお声がけします、ということで、
少しお話しをして、帰っていただきました。」
「その銀行には決算書も見せていないでしょ。」
「そうなんですよ。
ただ、帝国データバンクの調査には答えているので、
たぶんそれを見てやってきたんだろうと思います。」
というやりとりがありました。
コロナ禍においても、銀行はカネ余りが続いています。
持続化給付金の200万円を預金され、
日銀からは国債を買い上げられて「貸し付けろ!」と言われ、
法人は支出や設備投資を控え、
個人も消費を減らし、新たな住宅ローンを控えています。
そのうえ、資金を借りたがるところは、
格付(スコアリング)の低い、財務の悪い会社ばかりです。
そんな会社には貸し付けたところで、
銀行は貸倒引当金を計上しなければならず、
銀行の自己資本比率は悪化するは、回収リスクは高まるは、
で、銀行にとってのうま味がない話しなのです。
都市部ではなく、地方の銀行支店ならなおのこと、
いい貸し先がない現状をなんとかしようと、躍起になっているのです。
結局、コロナショックというマサカの坂においても、
自己資本比率が厚く、財務の足腰が強い会社は、
有利な立場で銀行交渉を進めれるのです。
(古山喜章)
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