【自己資本を考える16】日産自動車は自己資本(有利子負債)の少なさを批判されている!
種々業界がコロナ禍に直撃されています。日本のGDPの10%を占める基幹産業の自動車業界において 日産は 今期6712億円の純損失を計上し、日産一社がダメだ! と批判されています。
カルロスゴーン氏に責任を被せているようにも見えますが、決してそうではなく日本経済新聞においても、その財務脆弱性があまりにも酷いと指摘されているのです。
各社の負担比率を表していますが、
負債の規模 手元資金(億円)
(対自己資本,倍)
トヨタ 1.0 5兆6974
ホンダ 0.9 2兆6732
日産 1.9 1兆6429
マツダ 0.5 5689
スズキ 0.3 6043
スバル 0.1 5589
三菱 0.4 3996
負債の規模とは 銀行の計算するギアリング比率です。
有利子負債 ÷ 自己資本 で表します。
借金が自己資本の何倍あるのかの指摘です。
日産は 飛びぬけて借金体質であることを表しています。1.9倍、自己資本総額の2倍近くの借金を抱えているのです。
他の会社は1.0を超えていません!
トヨタは 自己資本総額、有利子負債があるのです。(トヨタ銀行などと言われ無借金だと思っている人がいますが,トヨタも大借金を抱えています)
いずれの会社も倒産しても迷惑をかけませんが、日産は倒産でもすれば銀行に火の粉が降りかかります。
よって、トヨタの借入金の1つの社債の利回りは 0.5%ですが、日産は3月末には0.3%であったものが 5月には4倍の1.2%以上に金利率が上がっています。
日産は、これから大規模な構造改革に乗り出すでしょうが、何をしようと思ってもお金をどう自分たちの力で儲けて、キャッシュフローをよくするのか、総資産を切り売りして調達するのでしょうか?
自己資本が少ない、自己資本比率が低いということが財務が脆弱と言われる所以です。
外部から財務が脆弱と言われると資金調達は難しくなり、条件が悪くなるのです。
皆様の会社の財務力はどうなのですか?
収益性、利益性は大切ですが 収益がよくても財務知識のない方は ここが解っていないのです。
(井上和弘)
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