それでも銀行は個人保証を求めてくる
5月1日より、民間の市中銀行でも、
いわゆるコロナ融資として、
無利子・無担保・5年据え置き、の融資が始まりました。
政府系銀行だけでは、
制度融資の対応が追い付かない、
という状況に対応した形で始まりました。
行政からのお達しには、
無利子・無担保とありますが、無保証とはありません。
個人保証に関しては、「一定要件を満たせば不要」
とあります。
しかも一定要件はブラックボックスです。
そこで、貸す側の銀行はこう解釈します。
“個人保証をとることはできる”と。
なので、判を押したように、
「個人保証はお願いします。」と言ってきました。
抵抗すると、
「そうなると、審査に時間がかかりますよ。」
と言ってきます。脅し文句です。
借りる側は、コロナ禍で売り上げが低迷し、
足元の資金繰りが切迫しています。
すぐに融資を受けたいのです。
となると、
「じゃあ個人保証に捺印するから早くして!」
となってしまいます。
銀行は、借りる側は早くお金が欲しい、ということを
わかったうえで、脅し文句をかけてくるのです。
自己資本比率が高い会社でも、おかまいなしに仕掛けてきます。
一方、そこまで資金がひっ迫していないけれど、
今のうちに手当をしておきたい、という会社もあります。
そのような会社は冷静に対応します。
「今どき個人保証は要らないだろう!」
「個人保障に関するガイドラインがあるはずだ!」
「何がダメなのか、個人保証の要件を言ってくれ!」
「この状況でそんなこと言うのか!財務局に問い合わせる!」
などと、すぐに口から出せる経営者は抵抗し、
無保証で乗り越えています。
結局、銀行交渉における、
相手の脅し文句を交わす対抗兵器となる言葉を備えている、
という経営者は、マサカの局面においても、
銀行優位に陥らず、借り手優位の条件を得ているのです。
いま、銀行にはおカネがじゃぶじゃぶ放り込まれています。
この時世に変な話しですが、カネ余りなのです。
それでも銀行は個人保証を求め、
回収不能リスクをかかえないようにしようと動きます。
その手に陥らないよう、対抗してほしいのです。
(古山喜章)
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