高齢者経営者が所有の自社株を譲らない
経営コンサルタント会社に勤めて15年、小さな経営コンサルタント事務所を開業して37年と約50年間の長きコンサルタントの歴史を重ねています。
現在も毎月、東京で「後継社長塾」を開催し、令和3年迄で34期のロングセミナーとなっています。
参加費用も一人125万円という高額ですが、毎回満員で、すでに500名を超える修了生がいます。
今でも終了生が思いついたように 私のところに相談事に来てくれるので、嬉しく、楽しく仕事をしているのです。
しかし、一番難題で、頭を悩ます問題が社歴の長い会社で発生する悩ましい相談です。
先月も中部地域でスーパーマーケット、ドラックストアを展開している中堅会社の45歳の中下明郎君(仮名)が、東京事務所まで来てくれたのです。
全国スーパーマーケットの団体の年次総会に親の社長の代理で来たとか・・・・
相談事は 実は、株式移動をどうしたらいいかの相談でした。
創業者のおばあちゃん(91歳)の所有株式 30%
父 (68歳) 35%
おじさん (65歳) 30%
自分 (45歳) 0%
妹 (41歳) 5%
という状況
「ちょっと待て この状況 君が私の塾に来ていた7年前と変わっているじゃないか?」
「そうなんです」
「しかし、君が次代を背負うと皆 同意していたんだろう!」
「そうなんです」
「君のとこは 食品に特化して かなり、あれからも業績は堅調なんだろう・・」
「はい!」
聞けば
おばあちゃんに痴ほうがはじまり、いつものごとく株についての話は一切 話ができないし、聞かない。
父とおじさんの兄弟は、おじさんは子供もいないので自分が責任をもって広げたドラッグストアを売却してしまいたいと・・・・兄弟の意見が異なり、仲は最近よくなく、妹の5%は小さい時、おばあちゃんが猫かわいがりして贈与したとか・・・
「大変だな・・君は? しかし、君にいくら言っても 親父とおじさんが本気になって、私のところに2人で来てくれないと話は前に進まんよ!」
と突き放すしかなかったのです。
中部のスーパーの中下君のところだけではない!
九州のDIYの南洋DOショップ(仮称)でも同じ
おばあちゃん 10% (95歳)
親父 45% (69歳)
おじさん 45% (65歳)
創業者の妻のおばあちゃん、女性は皆 長生きです。
三代目は自分では支払えない高額の相続税を支払わなければならない。二代目は
ここまで立派な会社を作りあげた。三代目のことを なぜ 考えられないのだろうか?
顧問税理士や弁護士は、なぜ、その顧問先の事を考えてあげられないのだろうか?
いつも不思議に思う。
(井上和弘)
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