必要ないのに借りてはいけない
最近、資金調達のことでよく聞く声があります。
「うちの地域周辺の経営者から、
“資金繰りに余裕はあるけど、無利子・無担保なんで
今は必要ないけど銀行から借りたよ。”
ていうんです。
借りたほうがいいんでしょうか?」
というものです。
「必要もないのに借りるな。」
「借りれる枠だけ確保すればいい。」
と申し上げています。
財務体質さえ頑丈であれば、
銀行からはいつでも借りることができるのです。
会社に余計なお金があれば、
中小企業の経営者は、気持ちが大きくなります。
ムダな投資などに、いつのまにか消えてしまいます。
結局、借金だけが残ります。
5年据え置きでも、やがて返済しないといけないのです。
5月1日以降、民間の銀行でも、
行政主導による無利子・無担保の融資が動き始めました。
政府系銀行だけでは対応しきれないからです。
無利子・無担保・5年据え置き、
ですが、個人保証を取るな、とはなっていません。
“一定要件を満たせば不要”とあるものの、不透明です。
なので銀行は、
個人保証をとっても構わない、と解釈します。
なので、必要もないのに借りた方々の多くは、
個人保証を要求され、捺印しているのです。
おまけに保証協会への保証料を払ってまで借りた、
というケースもあるようです。
ここまでくればもはや、「銀行言いなり病」です。
ひどいのになれば、
「こんなときでもお金を貸すという話しが銀行から来るのは、
オレにそれだけでの信用があるからだ。」
という声まであるのです。で、喜んで借りているのです。
勘違いも甚だしいのです。
そもそも、金融庁からは6年前に、
「経営者保証に関するガイドライン」が銀行に出されてます。
個人保証を取るな、と金融庁は銀行に指導しているのです。
それでも、直近に発表された、
新規融資(2020年3月末まで)における、
個人保証なしの融資は、全体の21%です。
残り約80%は、個人保証を要求され、押印しているのです。
「危機管理が重要だ!」
と従業員に言いながら、自身の危機管理は全くできていない、
といってもいいくらいの状況なのです。
不要不急の資金調達をして個人保証に押印したり、
保証料を払うなど、バカげています。
どうか、必要ないのに無利子だから借りる、
ということのないよう、取り組んでほしいのです。
(古山喜章)
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