認知症の大株主⑤
幸い北浜兄弟は仲が良く、
「おじの遺言通りになったら、
大変なことになる」と危機感を持っている点で、
兄弟の考えは一致していました。
そして、本来は、
兄である一郎氏に議決権を集中させるべき、
と言う点でも兄弟の考えは一致していました。
これはまだ不幸中の幸いでした。
ここで、弟が変にでしゃばると、
話がめちゃくちゃこじれてしまうからです。
創業者であるおじさんが持つ70%の株式を、
まともに弟が引き受けるわけにはいきません。
ということで、解決する方法は1つ、
種類株式を使って、
おじさんの株式を幹部陣に引き受けてもらうことです。
しかし、当然ながら、
おじさんは、株式を弟の北浜次郎氏(仮名)に
相続させたいと考えています。
実は、おじさんは、軽度の認知症を患いながらも、
会社のことになると、
ものすごく、意識がハッキリとしだすらしいのです。
いつも、次郎氏に会うたびに、
「会社はどうだ?」と聞いてくるようです。
そんな状態なので、
株式を幹部に譲ってほしい、
と申し出たら、必ず激昂することが目に見えていました。
しかし、これをするしか、方法はないのです。
(つづく)
(福岡雄吉郎)
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