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2020年7月30日 (木)

デジタル化で労務コストを下げよ ②

コロナ禍以前から述べてきましたが、

経済活動の低迷が予測される今こそ、

デジタル化で労務コストを下げてほしいのです。

 

②人手でやったほうが安い、は本当か?

 

例えば、

「給与明細を紙ではなくメールでしなさい」

と言うと、

「うちの枚数なら、人手でやったほうが、

システム化するよりコストが安くつきます。」

と言い返す経営者がおられます。

本当にそうなのでしょうか?

 

単純に、明細を印刷して部署ごとに振り分け、

各部署に配付をする、

というだけのコストを比べたら、

慣れてる人がやったほうが早いです。

明細用紙の単価を加味しても、

そこだけ比べたら、システム化するより安いかもしれません。

人の数が減るわけでもありません。

 

しかし、

人が入れ替わったら、その業務を覚えて慣れるまで、

コストが高まります。

紙の明細にも、発注や在庫管理、といった業務が発生します。

プリンターの保守メンテも必要になれば、置く場所もいります。

労務コストは年々上がります。

と、人間がやることですから、ヒューマンエラーが時々起こります。

退職者や異動した人がいれば、その人だけ別の方法で

明細を手元に届けないといけません。

 

これらの実務を担当した経験がある私からすれば、

コストが少し高いくらいなら、システム化してほしい、

と言いたいのです。

単純作業だけれども、ミスやイレギュラー時の対応が、

かなり面倒くさいのです。

メールなら、こんな苦労は不要です。

で、そのようなトラブルは、必ずときどき起こるのです。

 

それに、今の人数では割に合わない、ということは、

割に合う人数ならシステム化するのか、

ということです。

もしも人数が増えてシステム化するのなら、対象人数が少ない時点で

取組んでいるほうが、よほど簡単でスムーズに事が進みます。

 

結局、割に合う人数まで待った分、出遅れるのです。

その頃には、先行してシステム化していた会社は、

さらにその先を進んでいます。

更なる合理化・効率化が進んでいるのです。

システム化を渋る会社は、いつまでもたっても、

最新システムで仕掛けてくる会社に遅れをとり、

生産性が劣るのです。

 

少なくとも、明細発行業務は、知的労働ではありません。

人がやるなら、手順の慣れと、トラブル対応力がいるだけです。

そんなことに、貴重な人を使わないでほしいのです。

もっと、人しかできないことに、稼ぐことに、人を使ってほしいのです。

人材資源も、稼ぐための投資なのですから。

 

(古山喜章)

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