デジタル化で労務コストを下げよ ②
コロナ禍以前から述べてきましたが、
経済活動の低迷が予測される今こそ、
デジタル化で労務コストを下げてほしいのです。
②人手でやったほうが安い、は本当か?
例えば、
「給与明細を紙ではなくメールでしなさい」
と言うと、
「うちの枚数なら、人手でやったほうが、
システム化するよりコストが安くつきます。」
と言い返す経営者がおられます。
本当にそうなのでしょうか?
単純に、明細を印刷して部署ごとに振り分け、
各部署に配付をする、
というだけのコストを比べたら、
慣れてる人がやったほうが早いです。
明細用紙の単価を加味しても、
そこだけ比べたら、システム化するより安いかもしれません。
人の数が減るわけでもありません。
しかし、
人が入れ替わったら、その業務を覚えて慣れるまで、
コストが高まります。
紙の明細にも、発注や在庫管理、といった業務が発生します。
プリンターの保守メンテも必要になれば、置く場所もいります。
労務コストは年々上がります。
と、人間がやることですから、ヒューマンエラーが時々起こります。
退職者や異動した人がいれば、その人だけ別の方法で
明細を手元に届けないといけません。
これらの実務を担当した経験がある私からすれば、
コストが少し高いくらいなら、システム化してほしい、
と言いたいのです。
単純作業だけれども、ミスやイレギュラー時の対応が、
かなり面倒くさいのです。
メールなら、こんな苦労は不要です。
で、そのようなトラブルは、必ずときどき起こるのです。
それに、今の人数では割に合わない、ということは、
割に合う人数ならシステム化するのか、
ということです。
もしも人数が増えてシステム化するのなら、対象人数が少ない時点で
取組んでいるほうが、よほど簡単でスムーズに事が進みます。
結局、割に合う人数まで待った分、出遅れるのです。
その頃には、先行してシステム化していた会社は、
さらにその先を進んでいます。
更なる合理化・効率化が進んでいるのです。
システム化を渋る会社は、いつまでもたっても、
最新システムで仕掛けてくる会社に遅れをとり、
生産性が劣るのです。
少なくとも、明細発行業務は、知的労働ではありません。
人がやるなら、手順の慣れと、トラブル対応力がいるだけです。
そんなことに、貴重な人を使わないでほしいのです。
もっと、人しかできないことに、稼ぐことに、人を使ってほしいのです。
人材資源も、稼ぐための投資なのですから。
(古山喜章)
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