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2020年7月16日 (木)

いい客筋は、危機に強い

前回、テナントビルを保有する会社での、

テナントに入る飲食店の採用のことを述べました。

その会社では、複数のオフィスビルを保有しています。

テナントで入る会社数で言えば、100社を軽く超えます。

 

「結局、コロナ禍で家賃減額を申し入れてきた会社は何社ですか?」

経営者に尋ねると、

「2社です。」

との返事をいただきました。

「全部で2社だけですか?」と思わず聞き返しました。

「そうです。」とのことです。

その2社も結局、減額せずにそのままの家賃です。

つまり、コロナ禍においても、

家賃収入は全く減っていないのです。

 

この数か月、

「家賃の減額を申し入れました。」

という、借りる側の声をあちらこちらで聞きました。

なので、もっとたくさんの減額申し入れがあるのでは、

と思っていたので、驚きました。

 

そのテナントビルの家賃は、周辺相場ではトップクラスです。

かといって、最新の建物ではありません。

築30年以上のビルが多いです。

それでも、設備メンテナンスに磨きをかけ、

エントランスを清潔に保って華やかに演出し、

顧客の要望にきめ細かく動くサービスを提供しています。

「ここで働きたい!」

と思わせるビルづくりをし続けいているのです。

 

加えて、入居希望の会社の与信審査も厳しいです。

基準をクリアしていなければ、丁重にお断りします。

なので、いわゆる「客筋」がいいのです。

価格だけで選ぶお客はいないのです。

結果、危機に強い会社が多いのです。

 

実際、

低価格を売りにする、家賃が安いテナントビルほど、

家賃減額要請の声が多いです。

減額要求があるだけましで、行方知れずになってしまう、

というケースも多発しているのです。

 

このテナントビルは、

商品力を高め、高くてもいい、というお客ばかりなのです。

そうなれば、危機にも強くなれるのです。

このことは、どの事業でも言えることです。

常に商品力を高めて、いい客筋にしておくことが、

危機対応にも役立つのです。

 

(古山喜章)

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