今年ならムリでした➂
コロナ禍に陥った今、
「去年のうちにやっておいてよかったです。
今年ならムリでした。」
というお声を、よくお聞きするのです。
➂全額即時償却による設備投資
昨年、あるメーカー企業が
工場建て替えに伴い、新規の設備投資を行いました。
金額にして約4億円、全額、即時償却制度を活用しました。
約4億円全額を、単年度で償却し、
その分、税引前利益を下げることができたのです。
「そんなことをしたら、経常利益が下がるのでは?」
と懸念される経営者が今もおられます。
即時償却をした場合、
通常の減価償却部分だけを、製造原価に計上します。
(メーカー以外なら、販売管理費に計上します。)
全額即時償却のために上乗せした分の減価償却費は、
特別損失に計上します。
特別減価償却費、となります。
なので、その上乗せした分の金額は、
営業利益や経常利益には、影響しないのです。
特別損失に計上なので、税引前利益が減るだけです。
このメーカー企業では昨年度、
営業利益が約6億円でした。
即時償却を活用することで、
約1億5千万円の節税となり、現金流出を抑えれたのです。
しかし今年度は、コロナ禍の影響もあり、
営業利益は半減以下になる見込みです。
その経営者曰く、
「いやあ、去年のうちに投資して即時償却したのが
大正解です。
減収減益の今、即時償却で節税できた分に加えて、
中間納税も還付されているので、
コロナ禍のなかでも、手元資金にその分余裕が出来ました。
ありがとうございました。」
で、やはり
「今年だったら、
あれだけの投資をする決断はできなかったと思います。
営業利益が出ている時こそ、設備投資をしておくべきですね。」
と語っておられたのです。
即時償却制度は、2021年3月末日までです。
それまでに、1日でも設備が稼働すれば、
全額即時償却ができるのです。
特に、コロナ禍であっても営業利益を確保できている
メーカー企業には、ぜひ、活用してほしいのです。
マサカの坂は、いつ来るかわからないのですから。
(古山喜章)
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