コロナ禍で 倒産の危機に立つ 若社長
ファミリーレストラン レモンツリー(仮称) 立花 昭社長(仮名)41歳
売上年商38億円 経常利益1億円 総資産48億円
自己資本 5億円 借入金30億円 金利1%
年元金返済 6億円 減価償却2.5億円
コロナ禍の大変なこの時期、相談に訪れたのは外食産業の若社長。
この4月、5月の売り上げが70%も落ち、今日(7月)では、20%~30%落ちてきている。
売上は元に戻る様子は見られない。
当然、相談事は銀行対策。資金繰りが苦しいとのことでいかに生き延びるのか?
上記に書いているように年商38億円。
この年商の8割近い銀行からの長期借入金の30億円は、誰が見ても多すぎると感じるのですが・・・・・
「なぜ、こんなに銀行に借金をする必要があるのですか?」
・多店舗展開が外食産業における成長戦略であると信じ切ってやってきました。
・借入金の用途はすべて店舗展開のためで、28億円は店舗建物であります。
・仕入れ先銀行は8行に及び、判を押したように借入金返済期間は5年の長期借入
短期借入は無し
・担保差し入れ、個人保証付き、平均1%の金利 支払い条件である。
「なぜ 全銀行 すべて借入サイト5年になっているのですか?」
①昔から 長期借入金で調達し 昔からずっと5年で来ているのです。
②長期借入期間は、7年、10年、15年ってあるのですか?・・・知りませんでした
父も古手の専務もこれで来ていたのです。
「借入金の元金返済は どこから出てくるのかという財務知識は持っておられますか?」
①わかりません
―― それは 利益と減価償却です ―――
「この6年間で中小企業の優遇施策の特別償却、即時償却はしなかったのですか?」
①はい、していませんし、そのような償却があるのも知りませんでした
――そんな 事ありません 税理士さんもいれば 顧問の人もいらっしゃるじゃありませんか?
②私は 営業部門で社会人になってからやっており、
創業以来の財務は 5年前に定年退職した父の片腕の専務が銀行交渉・税務をやっていましたので 解らないのです
「利益と毎年の減価償却は 3.5億しかなく、返済金毎年6億では 回らないじゃありませんか?」
そうなんです。昔は、利益は出ていたのですが、
5.6年利益が落ちてしまって、苦しいので銀行も増えてしまいました。
「それでって 現預金は10億円も積んでおられますね?」
このご時世ですので、新しく政府系からも借りて準備していました。
――現金商売 月商の半分の 1.5億円で充分ではないですか?――
「なぜ 減価償却を多くしたり、保険を解約したり、
不良設備を除去して現金を生むことや他の節税をして キャッシュフローを高めないのですか?」
①赤字になってしまいます。赤字になれば、たちまち銀行は借入申請しても ストップになるじゃないですか・・・・・・
「銀行は 何を重視しているのですか?」
①そりゃ 収益性 いくら 儲けているかじゃないですか?
「赤字垂れ流しの店舗がありますが 閉めないのですか?」
①閉めたら それこそ閉鎖のための赤字や売上が減るじゃありませんか!
このような会話を繰り返すのです。いったい、どこからこの方の頭の中を変えていけばいいのでしょうか・・・・・
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