マサカの坂に備える経営対策 財務編②
コロナ禍のみならず、
経営にはマサカの坂がつきものです。
〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。
マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。
だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、
経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。
財務編② 生命保険の活用
何度も書いてきましたが、
生命保険の活用も、マサカの坂に備える金策として大切だ、
ということを、コロナ禍で再確認いたしました。
前回の倒産防止同様、
掛金は一部もしくは全額を損金計上でき、
簿外にお金を貯めてゆけるのです。
で、解約を申し入れれば、3日~4日で入金されます。
コロナ禍で売上高が急減した際に、
このすぐに入る解約金が、多くの中小企業を、
一時的にとはいえ、大いに安心させたのです。
前回書いた倒産防止にしても、今回の生命保険にしても、
「そんなことせず、
ずっと手元に置いておけばいいのでは?」
と言われる方もおられます。
しかしまず、マサカの坂がくるまでは、損金計上できるのです。
保険料で利益を下げた金額の法人税分、お金の手残りが増えます。
その節税のお金もいわば、備えのお金なのです。
それに、特に中小企業の場合には、
備えの資金を分けて蓄えなければ、
いつのまにか使って目減りしてゆくに決まっています。
「解約したら利益が出て課税されるから、同じじゃないですか?」
という声を聞くこともあります。
今回、コロナ禍で保険積立を解約された会社はみな、
保険を解約したところで、
営業利益が出るような状況にありません。
それくらい、マサカの坂は、険しいのです。
平常時は損金計上で保険料として簿外に積み立て、
マサカの坂が到来した際に、速やかに解約するのです。
利益を先延ばしして、その利益の発生をコントロールするのです。
生命保険では、それができるのです。
なかには、
「生命保険は100%戻ってこないでしょ。」
とおっしゃる経営者もいます。
保険としての機能が付いているのですから、当然です。
事故や病気、死亡の際には、多額の保険金が会社に入るのです。
それはそれで、経営にとって欠かせない危機管理であり、
そのことにコストがかかるのは、当たり前なのです。
ただし、保険加入は、法人税対策などに強い保険会社の担当者に、
教えてもらいながら進めてください。
知識が乏しかったり、顧客目線でない保険会社の担当者にお願いすると、
不要な保険や、その人にとって手数料の実入りがいい商品ばかり、
押し付けられますから。
(古山喜章)
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