現金での回収がようやくなくなりました
「いまだにあるんですか!」
と言いたくなるかもしれませんが、
売上代金を現金で回収している会社がありました。
もちろん、銀行振込への変更が進んできてはいました。
が、かたくなに一部の売り先が、現金回収になっていたのです。
集金日に営業マンが伺い、一か月分の代金を現金で受け取る、
昔ながらのやり方です。
それが先日、「ようやく完全になくなりました!」
との報告をお受けしたのです。
「最後まで粘っていた、いくつかの会社はどうなったの?」
と尋ねると、
「“コロナ禍の折、接触での現金回収は改めたいので”
と言うと、すべてすんなり変わったんですよ。」
とのことでした。
「感染者がダントツで少ない県なのに、
この一言であっさり変わるなんて、
これはこれで、コロナ恐るべしです。
今までなんだったんだ!と言いたくなります。」
とは、その経営者の弁です。
つまりコロナ禍は、
悪しき習慣を断ち切るチャンスでもあるのです。
現金を扱うことで言えば、売上代金の回収だけでなく、
小口現金も同様です。
いまだに存在している中小企業は多いはずです。
「コロナ禍の折、接触による精算業務を廃止し、
更なる合理化を図る」
とすれば、今の時期であれば、誰も文句は言いません。
また別の会社では、仕入先から届いたという、
次のような内容の通達を見せてもらいました。
「コロナ禍の折、
更なる経営の安定化と経理業務の効率化を図るため、
手形での支払いを現金振り込みに変えていただきたい。」
この通達を受け取った会社はすでに現金振り込みだったので、
関係なかったのですが、仕入元から取引先に一斉に出されていたのです。
このように、
悪しき習慣があちらこちらでなくなりつつあるのです。
何事もそうですが、変わってしまえば、元に戻ることはまずありません。
変わるのが面倒くさいだけなのです。
現金を扱えば、不正の温床になりやすいし、
貸借対照表の現金残高も、不要に大きくなりがちです。
手形を扱えば、不渡りの危険を伴います。
お金に関する経営リスクを小さくするなら、
現金や手形の取扱いは減らしてほしいのです。
コロナ禍において、
変えるべき悪しき習慣がないか、見つめ直してほしいのです。
(古山喜章)
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