マサカの坂に備える経営対策 財務編⑥
コロナ禍のみならず、
経営にはマサカの坂がつきものです。
〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。
マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。
だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、
経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。
財務編⑥ 回収期間を縮めておく
貸借対照表から面積グラフを作成すると、
売掛金や受取手形の面積が大きく、
一目で目に付く会社があります。
要は、売上の回収期間が長いのです。
月商の3倍、4倍、それ以上、というケースもあります。
回収期間が長いと、
当然、その間の運転資金が必要になります。
そのため、短期借入金が増え、金利も支払います。
総資産も膨らみ、自己資本比率は下がります。
「回収期間を縮めてください。」
とお願いしても、
「うちの業界ではなかなか…。」
「以前にも取り組みましたが、ダメでした。」
など、簡単にはいきません。
あるいは、営業マンが
「回収を早めるなんて、
そんなことを言って、売上が減ったらまずい。」
と考えて実際には十分な取り組みが出来ていなかった、
ということもよくあります。
経営トップが
「売上が減っても構わない!」
と本気で伝えないと、営業マンは本音のところ、
お金の話しをすることを、嫌がるのです。
それでも、
「回収期間の長い会社をランク付けして、
改めてお願いに伺ったら、
そのうちの数社は応じてもらえました!」
などということが実際にあるのです。
特に、回収期間が長く、取引額も大きい売り先だと、
資金繰りにおける効果は大きく、
それだけでも短期借入金が減るのです。
加えて、今は大手企業にとって、
下請けへの支払が遅いということは、
コンプライアンス順守に反することとなるので、
以前に比べて敏感な態度に変わってきているのです。
マサカの坂に陥ったとき、
回収期間が長い会社だと、通常の運転資金に加えて、
さらに資金調達が必要になるケースが多いです。
となると、借入金はますます膨らみます。
「いつになったら返せるんだろうか…。」
くらいの金額に膨れ上がってしまいます。
そうなると、経営者は不安が先行し、判断が鈍ります。
そのような状態に陥らぬよう、
回収期間の短縮に、
取り組んでおいてほしいのです。
(古山喜章)
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