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2020年10月

2020年10月30日 (金)

マサカの坂に備える経営対策 5話連続シリーズ

「借入金が返せなくなったら、どうなるのか?」⑤

 

結局、政府系銀行からの借入金11億円は、

支払い能力がないことから返済義務を免れることとなり、

三船社長のもとには、約2千万円の借金のみが残ったのです。

その残金は、今も粛々と返済を進めておられるのです。

 

「政府系銀行は、

今になってそのありがたさが、しみじみよくわかります。」

とは、三船社長の言葉です。

私も改めて、複数の銀行から資金調達するなら、

政府系を入れるべき、と実感させていただきました。

 

そもそも、政府系銀行には、他の市中銀行にはない、

ありがたい特徴があるので、再確認いたします。

1.預金をする必要がない

2.“待ってください!”と懇願すれば待ってくれる

3.余計なセールスをしてこない

4.不良債権となってもサービサーへの売却はない

 

順を追って確認してゆきます。

 

1.預金をする必要がない

政府系銀行は、国の予算から資金を得てそのお金を貸す、

という流れの融資が基本です。

集めた預金を貸す、という市中銀行とは、ここがまず違うのです。

市中銀行の場合、その銀行支店に口座を持ちます。

融資を受けていれば、預金も必ず発生します。

しかも、銀行の言うがままだといまだに、

融資を受けてその一部を定期預金に積む、

という、歩積み両建ても中小企業では発生しているのです。

歩積み両建ては、金融庁が禁止していることのひとつなのです。

 

2.“待ってください!”と懇願すれば待ってくれる

破綻まで行かずとも、資金繰りが行き詰まったとき、

“頼みます!”“拝みます!”で返済猶予してもらえます。

特に、災害などの危機発生時は国からも、

要望があれば猶予しなさい、との指示が下ります。

苦しい時に、待ってもらいやすいのは、大いに助かることなのです。

 

3.余計なセールスをしてこない

“いい株ありますけど、いかがでしょうか?”

“新しい金融商品が出たので、ぜひご説明にあがります!”

など、市中銀行は何かとセールスにやってきます。

政府系銀行は、必要のない商品を売り込んできません。

余計な時間をとられることがないのです。

 

4.不良債権となってもサービサーへの売却はない

今回紹介した、三船物産がいい例です。

サービサーへの売却はなく、

政府系銀行の内部処理で済ませてもらい、

借金を返済する必要がなくなったのです。

やむを得ず事業が立ち行かなくなったとき、

このことは他の市中銀行にはない、大きなメリットなのです。

 

これらのことから、

複数の銀行から融資を受けて事業を展開するのなら、

そのうちの1行は、政府系銀行を活用してほしいのです。

最悪の事態に陥ったとき、少しでも負担を軽くできるのです。

今回紹介した三船社長も、

「政府系のおかげで先が見えるので、

気分的には借金を全部かかえていたときよりずっとラクです。」

とのことだったのです。

破綻のような状態に陥ることなきよう、

経営に取り組むのが先決ですが、

最悪の時のことを考えておくことも、経営者には必要なのです。

 

(古山喜章)

2020年10月29日 (木)

マサカの坂に備える経営対策 5話連続シリーズ

「借入金が返せなくなったら、どうなるのか?」④

 

三船物産の借入金のうち、

メガバンクと地方銀行、いわゆる市中銀行の借不良債権は、

サービサーへ全て売却されました。

残るは政府系からの借入金11億円です。

 

「それはどうなったんですか?」

「あれはねぇ、チャラですわ。」

「チャラ?まったく返済せずですか?」

「そうなんですよ。

 いやぁ、先生方の本にもありますけど、

 政府系はほんとにありがたいですね。」

と、三船社長はしみじみ語り始めたのです。

 

「ということは、

サービサーには流れなかった、ということですか?」

「そうなんですよ。

 政府系の銀行は、融資したお金がこげついて不良債権化しても、

 サービサーに売却することは、ないんですよ。

 これはものすごく助かりました。」

 

確かに、

サービサーへ売却されて返済を厳しく迫られるようなことがない、

というだけでも、

精神的な負担は大きく異なったことと思われるのです。

とはいうものの、

どのような流れで11億円を返済しなくてもよい、

ということになっていったのかが、

私は気になってしかたがなかったのでっす。

 

「しかし、その時の融資残高が約11億円ですよね。

 チャラといっても、実際、どうなったんですか?」

「それはですねぇ、

政府系銀行の担当者が裁判所の許可を得て、

 会社も保証人も返済できない、ということで、

 全部処理してくれましたね。」

「社長自身はなにもせずですか?」

「手続きはこっちで全部やりますよ、と言ってくれて、

 結局、私はたくさんの書類にハンコ押しただけですね。」

 

「自己破産の処理ではないんですか?」

「違います。自己破産はしていないんです。

 会社は今も存在はしているし、私も普通に勤めて、

賃貸で生活してます。

会社宛の郵便物はいま、私の家に届くようになってます。」

 

と、このような経緯で、

政府系銀行からの融資約11億円は、

返済しなくてもよくなった、ということなのです。

三船社長にとって、事業をやめたあと、

この負担がなくなったことは、

「大きい肩の荷が軽くなって、かなりラクになりました。

 政府系はありがたいですねぇ・・・。」

とのことだったのです。

次回はまとめに入りたいと思います。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年10月28日 (水)

マサカの坂に備える経営対策 5話連続シリーズ

「借入金が返せなくなったら、どうなるのか?」➂

 

三船物産がメガバンクと地方銀行から借りていた、

10億円の借入金は、不良債権処理されることになりました。

三船社長によると、その時点で、事業は大幅に縮小されたのです。

不良債権処理の手段として、担保物件は回収され、

残債は各銀行とも、系列の債権回収会社、

いわゆるサービサーへ債権を売却したのです。

 

三船社長にたずねました。

「メガバンクと地方銀行、全部で8行とお聞きしましたけど、

 それが全部、サービサーへ売却されたんですか?」

「そうです。なんの打診もありませんでした。」

「どのくらいの額で売却されたんですか?」

「そうですねぇ、だいたい、1億円の不良債権が1千万円で

 売却されましたね。」

「ということは、借入金残高の10%くらい、ですね。

 じゃあ、10億円の借金が、1億円になった、ということですか?」

「まあ、そういうことですね。

 でも、サービサーのほうが、取り立ての追い込みがキツイですよ。」

 

三船社長にとっては、

あまり思いだしたくないこととわかりながらも、

さらにおたずねしてゆきました。

 

「どうキツイんですか?」

「事実上の廃業状態なので、個人保証していた私のところに

直接くるのはもちろん、文書も電話もしょっちゅうきますからね。

 見た目も言い方もガラ悪いし。

 銀行のほうが気分的にラクです。

 それに、とりたてられても、もう払うお金もないですしね。」

「精神的によく持ちましたね。」

「もうケツまくってね。どうにでもしてくれ、言うたんですよ。

 ないもんはない!と言って。」

「なかなか、強いですね。」

「そうでしょ。わたし、何かこういう時、へんに強いんです。」

 

いつもどこか楽観的だった三船社長らしい返しに、

もう少しお聞きしてもいいだろう、という雰囲気を感じてきました。

 

「で、そのサービサーへの返済はどうなったんですか?」

「それがまた不思議なんですよ。」

「どう不思議なんですか?」

「最初は8社とも、“早く返せ!”

とうるさく言ってきてたんですけど。

 3年くらい経った頃から、4社は何も言ってこなくなりました。」

「そうなんですか?返済はしているんですか?」

「最初はみんな、わずかながらボチボチ返してましたよ。

 でも何も言ってこなくなったところにはもう、返していないです。

 なので、もうほったらかしにしてます。

 わざわざこっちから声かけることも、したくないですし。」

「どこの銀行のサービサーですか?」

「他府県からきている地方銀行のサービサーですね。」

 

結局、メガバンクと地方銀行の8行からの借入金は、

サービサーへ売却されたものの、そのサービサー8社も、

数年後には4社が音沙汰なし、となったのです。

その時点で、サービサーへの返済も、

半分になったみたいなものなのです。

 

「しかし、政府系からの借入れが大きかったでしょ。」

「1行で11億円ですからね。」

「それはどうなったんですか?」

「あれはねぇ、チャラですわ。」

「チャラ?まったく返済せずですか?」

「そうなんですよ。」

 

チャラになったとは、どういうことなのか。

さらに伺うと、中小企業にとって、やはり政府系は必要だな、

と思わざるを得ない実態を、知ることとなったのです。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年10月27日 (火)

マサカの坂に備える経営対策 5話連続シリーズ

「借入金が返せなくなったら、どうなるのか?」②

 

事業をやめて5年で、20億円の借入金が2千万円になった、

という三船社長(仮名)にお会いし、

いろいろ、ここに至る経緯のお話しを伺いました。

 

「事業をやめられた時の借入金額はどのくらいだったんですか?」

「21億円に近いくらいでしたね…。」

銀行別の内訳をお聴きすると、

メガバンクと地方銀行の市中銀行が約10億円。

残りの約11億円は政府系銀行です。

 

「メガバンクと地方銀行といっても、

 中心は地方銀行ですよね。」

「そうです。

 メガバンクはそこまで行くまでに、

 『もうこれ以上は貸せません』となって、

 残高がいくらも残っていない状況だったので。

 その動きはやっぱり、早かったですね。」

「確か、緑のメガバンクでしたよね?」

「そうです。よく覚えてますね。」

 

借入金が過剰になってゆき、

返済能力に黄色信号、赤信号がちらつき始めると、

メガバンクはまず、折り返しの転がし融資を拒み始めます。

逆に言えば、

メガバンクがそのようなことを言い出すのなら、

格付(スコアリング)で言えば、10ランクのうち、

下から2番目「実質破綻先」レベルと評価されている、

ということです。

 

地方銀行はその時点ではまだ、

1ランクのゲタを履かせて、

下から3番目「破綻懸念先」レベルの評価とし、

融資を継続しているような様子なのです。

結局、地方銀行のほうが融資先に困り、

金利も思うように稼げません。

それならば、

“貸せるなら、泣くまで貸そうホトトギス”

といった心境に、地銀マンは陥るのです。

 

それに、資金繰りに困っている会社は、

資金需要もあれば、金利の交渉など仕掛けてきません。

銀行の思惑どおりの金利条件で通るのです。

なぜなら、資金繰りに行き詰まっている社長は、

「貸してもらえるだけでありがたい!」

という状況に陥っており、交渉する気など、さらさらないのです。

利ザヤ稼ぎに苦しむ地方銀行には、ありがたい話しです。

泥船とわかっていても、ギリギリまで乗り続けたいのです。

 

「最後の時点で、メガバンクと地方銀行で、

 全部で何行あったんですか?」

「8行です。

 あとは政府系1行で、全部で9行ですね。」

「地方銀行も、他府県の銀行が多かったですよね。」

「10億円の半分強が、他府県の地方銀行です。

 よほど他に貸すところがなかったのか、

 最後までよく粘って貸してくれました。」

 

「で、最後はどうなったんですか?」

「メガバンクと地方銀行の残債は、サービサーに売られました。」

銀行間で協議を諮り、全行一致で、

不良債権処理を行うこととなり、

有無を言わさず、サービサーへと流れていったのです。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年10月26日 (月)

マサカの坂に備える経営対策 5話連続シリーズ

「借入金が返せなくなったら、どうなるのか?」①

 

ある日、訪問先への移動途中、羽田空港に着いてすぐ、

スマホに着信が入りました。

画面に出る相手の名前を見て、驚きました。

約10年前に訪問していた会社の社長だったのです。

中部地区で食品卸売業を営んでいた、三船物産(仮名)の三船社長です。

訪問終了後、電話で数回やりとりしたことはありました。

が、その後は年賀状や暑中見舞いのやりとりはあるものの、

長らく連絡をとることはなかったのです。

 

「はい!古山です。」

「先生たいへんご無沙汰しております。三船です。」

不思議なもので、聞きなれた声を耳にするだけで、

10年間の空白が一気に溶けてゆきます。

 

「いやぁ、あまりに久しぶりでびっくりしました。

 変わらず元気なお声ですね!」

「元気にしております!」

「また急にどうされたんですか?」

単刀直入に聞いてみました。

「このあいだ、新聞広告で先生のお顔を拝見して、

 久しぶりに電話してみようかな、と思ったんです。

 実はあのあと、5年後くらいに商売やめたんですよ。」

「えっ!そうなんですか!」

「そうなんです。

 先生方のおかげで在庫減らしたり、銀行交渉したりして、

 あのときは改善したんですけど、

 その後また、厳しくなっていったんです。」

 

卸売業は、在庫を多く抱えがちです。

しかも、三船物産の取引先は、仕入れる先も大企業、

売り先も多くが大企業、とその間にはさまれる卸売業でした。

買う側からも、売る側からも価格をたたかれます。

加えて、払いは早く、回収は遅い、

というのがその業界の悪しき商習慣であったため、

その改善は、10年前でも容易ではなかったのです。

 

「倒産したんですか!」

「倒産ではないんです。会社は存在しているんですけど、

 もう何も事業をやってないだけです。幽霊会社です。

 結局、資金繰りがにっちもさっちもいかなくなったんです。」

「後継者の長男と次男はどうされたんですか?」

「ふたりとも別々に、小さい事業をやってますわ。」

「で、三船社長は今、どうされてるんですか?」

「近所の物流会社で雇ってもらって仕事してますよ。」

「しかし、事業をやめた、といっても、

借入金が10年前でたしか、20億円くらいあったでしょ。」

「ありました。」

「あれはどうなったんですか?

 個人保証も担保もされていたでしょ?」

「そうなんですよ。

 今もぼちぼち返してますけど、

あともう、2千万円ほどでなんとか完済です。」

「えぇ!そうなんですか!!」

 

事業をやめて、残った20億円の借入金がどうなり、

どのような経緯で、

返済残高がわずか5年で2千万円程度にまで縮小したのか。

そのことへの興味がふつふつと湧き出し、

改めて別途、久しぶりに三船元社長にお会いすることにしたのです。

 

お会いした三船社長から聞く内容には、

マサカの坂に備える教訓となる事実が、

盛りだくさんだったのです。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年10月23日 (金)

脱・資本金主義⑤

減資には、2種類あります。

 

1つは、最初に出資してくれた株主に、

お金を払い戻す方法です。

 

もう1つは、お金は払い戻さずに、

単に資本金を減らす(剰余金に振り替える)方法です。

 

前者は、有償減資(ゆうしょうげんし)と言われ、

後者は、無償減資(むしょうげんし)と言われます。

 

このうち、手続的に楽なのは、無償減資です。

これまでお話してきた減資の話は、

こちらの無償減資の話になります。

 

どんな手続が必要かというと、大きくは、

 

①株主総会の特別決議(議決権の2/3以上の賛成)

 

②債権者保護の手続(「減資します」というお知らせ)

※大口の債権者に対してお知らせします。

全ての債権者に知らせる必要はありません。

 

の2つが必要となります。

 

②は官報への公告が必要となります。

(実際には、官報なんて誰もみませんが、必要です)

 

これは、通常司法書士に依頼します。

 

株主が身内だけという場合や、

債権者(会社が債務を負っている相手、支払先、銀行など)

が少ない場合は、とても簡単に手続できます。

 

やってみれば、意外に簡単にいくものです。

やらず嫌い、ですね。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月22日 (木)

脱・資本金主義④

減資をして資本金を1億円以下にすると、

メリットがたくさん出てきます。

 

①通常の減価償却に加えて、さらに減価償却を上乗せすることができます。

『特別償却』と呼ばれる制度です。

なかでも、来年の3月末までは、即時償却が使えます。

 

②1台あたり30万円未満の資産を買った場合は、全て損金として落とすことができます。

『少額減価償却資産』と呼ばれる制度です。

 

③多額の損失が発生した場合、最大で向こう10年間は税金を払わなくて済みます。

『繰越欠損金』と呼ばれる制度です。

 

④多額の損失が発生した場合、前年に支払った法人税を取り戻すことができます。

『欠損金の繰戻還付』とよばれる制度です。

 

⑤交際費を800万円まで損金に計上できます。

 

⑥法人税率が優遇されています。

 

⑦住民税が安いです( 数万円~10万円程度安く済む)。

 

⑧外形標準課税がかかりません。

これは、赤字でも資本金の大きさなどに比例して、税金がかかってきます。

 

⑨内部留保(自己資本)に税金がかかる、留保金課税がかかりません。

 

⑩税務調査には、税務署が対応します( 資本金1億円超は、国税局対応です)。

 

さて、①の特別償却(即時償却)ですが、

来月、再来月になると、税制改正大綱といって、

税制改正の大まかな内容が公表されます。

 

最近入ったニュースによれば、

経産省は、令和3年度の税制改正要望として、

即時償却、特別償却の延長を求めているとのことです。

 

これが延長されれば、中小企業にとっては大きいですね。

詳細入り次第、改めてお知らせします。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月21日 (水)

脱・資本金主義③

先日のブログでご紹介した資本金の話ですが、

改めて資本金なるものについて、考えてみたいと思います。

 

先日ご紹介した上場会社で、

資本金28百万円からさらに資本金10百万円に

減資をした会社があります。

 

株式会社SHIFTという会社です。

10月8日付で、プレスリリースが公表されていました。

 

下記をクリックください。

ダウンロード - shifte6b89be8b387.pdf

 

 

これを見ていただくと、これまでご説明してきたことが、

改めてお分かりになると思います。

 

・減少する資本金の額は、資本剰余金へ振り替える

・純資産額(自己資本)に変更はない

・株主の所有株数や1株あたり純資産額に変更はない

・業績に与える影響は軽微(実質なし)

 

上場会社はもちろん、

外部株主が多い会社の場合は、

こういった資料を作成することになります。

 

この会社は、設立15年足らずです。

経営トップもまだお若いので、

資本金を減らすことに躊躇いはないのだと思います。

 

これが、50年、100年続く会社だと、

頭ではわかっていても、いざ行動に移そうと思うと、

ブレーキがかかってしまうのです。

 

実際に、私も減資をお手伝いしたことがありますが、

やってみると、「なんでもっと早くやっておかなかったのか…」

とお感じになられます。

 

ではなぜ、資本金を減らしたほうがよいのか、

すでにご紹介している話もありますが、

改めてそのメリットについてお話します。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月20日 (火)

脱・資本金主義②

先日のブログでご紹介した資本金の話ですが、

改めて資本金なるものについて、考えてみたいと思います。

 

昨日ご紹介した資本金1億円以下の上場会社ですが、

調べると約150社もありました。

意外に多い、という印象です。

 

さて、資本金を減らすことについて、

なんだかとても後ろ向きにお考えの方がいらっしゃいます。

それは、勘違いであることをハッキリ申し上げておきます。

 

なぜ、資本金を減らすことに後ろめたさを感じるのか?

大きく2つの理由があると思います。

 

①信用が失われるのではないか?

②株主に不利益を与えるのではないか?

 

このように思っていらっしゃる方がいます。

それぞれ考えてみます。

 

①信用

銀行や帝国データなどの格付機関では、

自己資本比率を重視します。

自己資本比率が高ければ高いほど、

「信用力あり」と判断するわけです。

 

この自己資本ですが、資本金ではありません。

資本金+剰余金 が自己資本となるのです。

 

通常、減資を行うと、

資本金が減る一方で、剰余金(この場合、資本剰余金)が増えます。

つまり、減資を行っても、自己資本の金額は変わらないのです。

 

②株主に不利益

「減資をすると、株価が下がる。

だから、減資をすると株主に何を言われるかわからない」

と勘違いしている方がいます。

 

結論、減資をしても株価は下がりません。

なぜなら、先ほど見たように、自己資本の金額が変わらないからです。

 

減資は後ろ向きなものである、

というのは、なんとなくのイメージなのです。

 

明日は、上場会社の減資の事例をご紹介します。

 

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月19日 (月)

脱・資本金主義①

先日のブログでご紹介した資本金の話ですが、

改めて資本金なるものについて、

考えてみたいと思います。

 

先日ご紹介した記事にもありましたが、

企業にとって資本金の額を大きくすることが、

信用力や財務基盤の強さを示す時代が長く続いてきました。

 

今は、資本金は1円からでも会社設立ができ、

携帯電話一台でもビジネスができる社会に変わっています。

企業の実態は資本金の額だけでは測れなくなっているのです。

 

資本金1億円以下の上場会社が

何社あるか、ご存知でしょうか?

 

窪田製薬HD   資本金1百万円  時価総額118億円

 

ビジョナリーHD 資本金10百万円 時価総額120億円

 

カーブスHD      資本金20百万円 時価総額591億円

 

歯愛メディカル  資本金10百万円 時価総額896億円

 

SHIFT              資本金28百万円 時価総額2614億円

 

メドレー                       資本金50百万円         時価総額2112億円

 

神戸物産         資本金64百万円 時価総額7115億円

 

ワシントンホテル          資本金95百万円         時価総額92億円

 

スシローグローバルHD資本金100百万円       時価総額3256億円

 

フリー               資本金100百万円       時価総額4678億円

 

千趣会             資本金100百万円       時価総額190億円

 

ブックオフ         資本金100百万円       時価総額176億円

 

時価総額の大きな会社、名前の通った会社でも、

資本金1億円以下という会社は結構あるのです。

 

このなかでも、

女性だけのフィットネスジムを展開しているカーブス

「業務スーパー」を展開している神戸物産

クラウドの会計ソフトを開発しているフリー

回転ずしのスシロー

などは、ご存知の方も多いと思います。

 

この意味で、資本金が信用力や財務基盤の強さを示す

という時代ではなくなっていることも、

おわかりいただけるのではないかと思います。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月16日 (金)

ありがたいコメントをいただきました

ブログの読者の経営者様より、

大変にありがたい貴重なコメントをいただきました。

ありがとうございます。

 

コメントを掲載させていただきます。

______________________________________

まさかの坂に備える中小企業をいじめる日本の税制何とかならないものか。

本日の日経新聞に留保金課税のことが出ていました。

株主が同族だと言う事だけで、非上場の私たちは上場会社に比べて増益分の利益の

20%もの余分な税金を過去ずっととられてきました。

 

新聞記事は記者が十分に内容を理解せず財務省の一方的な言い分をそのまま書いてあ

りますから、何か内部留保を作ることが不当に税逃れしてるように思われる記事です。

 

増収増益を続け、その利益を蓄積しなければ、まさかの坂が来たときに乗り切れません。

その積み立てる原資に税金を支払った残りの分に再度税金を取るわけですから全くたまりません。

私の知人もあえて資本金を一億以下にしてこの税金を避けていますが

わずか400社位のことで目くじらを立てるとは全く救いがたいです。

税はすべて法人に平等であるはずなのに同族企業留保金課税は不当課税と思いますが

何ともならないでしょうか。腹が立ちます。

 

 

私たち、ICOコンサルティングも全くそのとおりと感じています。

税務上は、資本金が1億円超の会社は、大会社とみなされて、

留保金課税以外にも、外形標準課税など、デメリットが多くなります。

(これについては、改めての機会にふれたいと思います)

 

いまのところ、資本金を減らすことくらいしか、有効な対策がないのが現状です。

将来的には、資本金基準が変更される可能性もありますが、

いまのところは1億円以下にされるのがよいでしょう。

 

内部留保にかかる税金というのは、ここで指摘されている留保金課税だけではありません。

大切な株式の承継に際しても、贈与税、相続税がかかってくるのです。

必死に内部留保を貯めれば貯めるほど、吸い取られる税金が増えるのです。

これも、明らかな二重課税ですね。

ですので、私たちは、あの手この手で対策を考えております。

それはこのブログでも発信しておりますし、

12月に開催するセミナーでもお伝えしていきます。

 

セミナーの情報は、こちらをクリックください。

 

ちなみに、この経営者様が指摘されている日経新聞の記事が、次の記事になります。

10月14日付朝刊の記事です。

 

オーナー企業などの内部留保への課税を免除する制度を会計検査院が調べたところ、課税対象の企業よりも経営体力のある会社が免除の対象に含まれていることが、13日までの関係者の話で分かった。こうした企業は少なくとも400社あり、検査院は「課税の公平性が保てない恐れがある」などとして財務省に制度の検証を求める。

利益(所得)から法人税などを除いた法人内部の留保金に課税する「留保金課税制度」は、オーナー一族など一つの株主グループが株式の過半を持つ資本金1億円超の企業を対象としている。

税率は1020%で、利益を内部にため込み税負担を不当に逃れるのを防ぐのが目的だ。一方、1億円以下の会社は資金調達面への配慮など財務基盤の強化を図るため、2007年度の税制改正で制度の対象から外れた。

関係者の話によると、資本金が1億円以下で、少数の株主に支配されている会社のうち約16千社を検査院が抽出し、課税対象となっている会社と財務基盤などを比較した。その結果、課税対象外でも自己資本比率と純資産が課税対象の企業と実質的に変わらないか上回る企業が約400社あった。

検査院は、財務基盤などの面から本来は課税対象になるべき中小企業が、資本金額など外形的な基準だけで対象外となり、実態と乖離(かいり)している可能性があると判断。約400社のうち約370社の17年度の留保金に課税した場合、約315億円を徴収できるとも試算している。

東京財団政策研究所の森信茂樹研究主幹は、資本金額を基準とする現行制度について「制度の安定性という観点でみると分かりやすく一定の有効性があるが、資本金1億円以下の会社にも様々な違いはある」と指摘。「本当に対象外とすべきかどうか、会社の本質をきちんと見極めるための方法を議論していく必要がある」と強調している。

 

中小企業に対する税の優遇措置を巡っては、適用のあり方が過去にも問題視されていた。留保金課税の免除や法人税の軽減税率適用といった恩恵を受けるため、あえて「中小成り」する企業もあるとされる。会計検査院による今回の検査は「大きな中小企業」の存在に改めて焦点を当てたものだ。

検査院は2010年、中小企業の支援を目的とした税制の特別措置で「多額の所得があり財務状況が脆弱ではない中小企業が適用を受けている」などとして、財務省に制度の検討を求める意見を示した。

155月には、経営再建中のシャープが1200億円以上ある資本金を1億円とする大幅な減資を計画。世間の批判を浴びて即座に撤回する動きもあった。

その後、所得が多い中小企業については、中小向けの特別措置を適用しないとする改正が実施された。

企業にとって資本金の額を大きくすることが、信用力や財務基盤の強さを示す時代が長く続いてきた。今でも資本金は重要な要素の一つだが、携帯電話一台でもビジネスができる社会に変わった。

企業の実態は資本金の額だけでは測れなくなっているなか、今後、検査院の指摘が制度の検証にどのように生かされるか注目される。

(福岡雄吉郎)

2020年10月15日 (木)

マサカの坂に備える経営対策 財務編⑯

コロナ禍のみならず、

経営にはマサカの坂がつきものです。

〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。

マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。

だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、

経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。

 

財務編⑯ 銀行借入を見直しておく その3

     何行くらいの銀行から借りればいいのか

 

「1行主義はやめなさい!」と申し上げました。

では、何行くらいの銀行から借りればよいのか、です。

3行~5行までにしてください。

これを超えると、銀行交渉だけでも、時間を取られ過ぎます。

 

総額20億円の借入金を、

「17の銀行から借りています。」という会社がありました。

財務担当の社員に

「他の仕事できますか?」と尋ねると、

「できません。時間もとられますし、

どの銀行がどう言ったのか、

交渉内容が頭の中でごちゃごちゃになります。」

と嘆いておられました。

多すぎるのも、交渉事が雑になり、乱れが生じて問題なのです。

 

10億円未満の借入金なら、せいぜい4行までです。

そのなかで、金利の競争をさせ、

一番低い金利を先に申し出た銀行から、

多めに調達すればよいのです。

 

ただし、その複数の銀行も、

メガバンク、地方銀行、政府系銀行など、

異なる系統の銀行を、使い分けてほしいのです。

先ほどの20億円規模なら、

メガバンク2行、地方銀行2行、政府系1行、の5行です。

10億円規模なら、

メガバンク1行、地方銀行2行、政府系1行、の4行までです。

 

メガバンク、地方銀行、政府系銀行には、

それぞれの特徴があります。

同じ系統の銀行からばかり借りると、

提案内容も同じようなものばかりになります。

 

「メガバンク3行から総額10億円ほど、借りています」

という会社がありました。

聞くと3行とも、個人保証も担保もとられているのです。

金利も1%超と、高いのです。

 

各銀行担当者は、

その会社がメガバンクからしか借りていない、

ということをわかったうえで、提案しているのです。

お互いに手の内もわかれば、

メガバンクにとって、3行で10億円の融資など、

微々たる融資額です。

力を入れて、「他行を出し抜こう」

という提案を仕掛ける銀行マンはいません。

暗黙の了解で、互いに損のない提案をしてくるのです。

 

「どこか営業にきている地方銀行ないんですか?」

と尋ねると、「あります!」と言うのです。

その地方銀行に、

「担保・個人保証なし、金利は0.5%以下なら考えてもいい。」

と交渉してもらいました。

後日、その地方銀行から要望通りの条件で提案があり、

その後ようやく、メガバンク3行の条件が崩れていったのです。

 

なので、3行~5行の取引にしてほしいのと同時に、

異なる系統の銀行と交渉し、有利な条件に導いてほしいのです。

 

(古山喜章)

2020年10月14日 (水)

オフバランスは今がチャンスです②

株式会社ミヤタ(仮称)は、本業とは別に、

地方の不動産(アパート物件等)を保有しています。

 

4代目の宮田社長は、

いまから1年前に、オフバランスを行うことを決意しました。

オフバランスの対象は、上記の地方物件で、

グループ会社に売却したいと考えています。

 

この物件は、北日本と南日本に2か所あり、

簿価は併せて3億円程度でしたが、時価評価をすると3.3億円でした。

 

時価評価というのは、

不動産鑑定士に概算で評価を出してもらった金額です。

 

不動産鑑定士は、必要資料だけ渡せば、

最近は、無料で概算評価をしてくれます。

 

「正確な評価は出せませんが

だいたいこのくらいの金額(幅)におさまります。」

というざっくりとした評価をしてくれるのです。

 

実際に、正確な評価をしてもらおうと思えば、

1件あたり40万円程度の鑑定評価料を支払う必要がありますが、

 

税務調査のことを考えると、このフィーを支払ってでも、

鑑定評価を取られることをお勧めします。

 

宮田社長としては、

少なくとも、時価が簿価を下回らないと、

オフバランスする意味はないと考えていたため、

1年前の時点ではこれを見送っていたのです。

 

ところが、コロナ禍で地価が下がり、

つい最近改めて、鑑定士に概算評価を依頼したところ

2.7億ほどで評価が出せそう、ということになったのです。

 

依頼の仕方ですが、色々な鑑定士に評価を依頼して、

指値で「この金額でやってほしい」と伝えていました。

3社ほど声をかけて、最後の1社がこのリクエストに応えてくれたのです。

 

ミヤタはすぐさまオフバランスに取り掛かっています。

この意味では、オフバランスの実行は、

コロナの副産物といえそうです。

 

(福岡雄吉郎)

 

 

 

2020年10月13日 (火)

マサカの坂に備える経営対策 財務編⑮

コロナ禍のみならず、

経営にはマサカの坂がつきものです。

〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。

マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。

だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、

経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。

 

財務編⑮ 銀行借入を見直しておく その2

     1行主義はやめなさい。

 

数億円以上の金額で長期借入金を抱えている、

という中小企業はたくさんあります。

 

そのなかで、取引銀行をおたずねすると、

「うちは〇〇銀行の1行主義なんです。」

と言われる方がおられます。

「どうして1行なんですか?」と聞くと、

そのほとんどは、

「うちが厳しかった時に助けてくれました。」

というような内容です。

それもよく聞くと、

数十年前の頃の話しであることが、ほとんどです。

もはやその当時を知る銀行マンもいないのです。

 

1行取引で、融資条件が格段にいい、

という例を見たことがありません。悪い条件ばかりです。

担保・個人保証はとられている、

金利が高い、保証協会付き融資、等々。

その会社は1行主義、ということをわかったうえで、

銀行は自分たちに有利な条件を提示してくるのです。

1行主義ほど、ありがたい融資先はないのです。

銀行間の競争原理が働かないのです。

 

金利が高くても、なんのリターンもありません。

保証協会の保証料は、銀行への保証であって、

借りている会社には何のメリットもありません。

個人保証・担保は、経営者の肩の荷が重くなるだけです。

それに金融庁は、個人保証・担保に頼るな、と、

銀行にきつく指導しているのです。

 

1行主義は、余分なお金が流出するだけです。

だから、1行主義をやめ、

複数銀行からの融資に切り替えてほしいのです。

マサカの坂に陥ったとき、

少しでも多い現金が手元に残り、

体力が残るようにしておきたいのです。

 

「では実際に、何行くらいの銀行と取引きすればよいのか」

ということについて、次回に書かせていただきます。

 

(古山喜章)

2020年10月12日 (月)

金利14.5%の衝撃

先日、レオパレスが海外のファンドから資金調達をする、

という記事が日経新聞に掲載されていました。

(2020年10月9日・朝刊)

レオパレス本体ではなく、子会社が借りる形ですが、

新株予約権付き、で300億円の融資です。

で、その年間金利が14.5%、なのです。

金利だけでも、年間約43億円です。

考えられない高金利で、衝撃的でした。

 

同時にその海外ファンドは、

レオパレス本体に、約120億円の出資をしました。

言ってみれば、

子会社への貸付300億円の高金利14.5%で、

本体への出資120億円を、3年で回収してしまおう、

という狙いが見えてくるのです。

 

翻って、われわれ中小企業では、

少人数私募債の金利を3%~5%にしようとしただけで、

その会社の顧問税理士先生から、

「普通の銀行金利から比べたら高すぎる!」

などとクレームを言われるのです。

しかし、税理士先生が言う通常の金利とは、

銀行が、顧客から預金として預かったお金を貸す融資です。

いわば、人様のお金を集めて、貸しているのです。

一方、少人数私募債は、手持ちのお金を貸すのです。

ここが、通常の融資とは、決定的に異なるところです。

 

通常の銀行融資は間接融資であり、

手持ちのお金を会社に入れるのは、直接金融なのです。

しかも、少人数私募債は、弁済順位の低い劣後債です。

弁済順位が低いとは、その会社が経営破綻した際に、

その借入を返すのは、最後の最後でいい、ということです。

要はほぼ、出資金と同じなのです。

銀行は出資性借入金として、少人数私募債を自己資本とみなします。

 

「金融の種類が異なるから、

 少人数私募債の金利は3%~5%で構わないんですよ。」

と税理士先生に伝えていたのです。

それだけに、

レオパレスの金利14.5%は衝撃的な数値だったのです。

 

ただ、コロナ禍においては、中小企業でも、

「劣後債の形で融資しますがいかがでしょうか?」

という話しが銀行から来る中には、金利10%、

という事例もありました。

出資金と同じなので、要は、

10%の配当を毎年受け取ろう、という考えなのです。

 

なので、少人数私募債の金利は、

3%~5%程度でなく、10%にしても問題ないのです。

あとは、その金利を払い続けれるかどうか、だけです。

「いま、

金利3%だけど、それならいっそのこと金利10%にしたい!」

という方は、新たに金利10%の少人数私募債を発行し、

3%金利だった際の貸付金を充当すればよいのです。

で、3%金利の少人数私募債は、終了させるのです。

 

「今どき3%の金利なんて高すぎる!」

という税理士には、レオパレスの高金利の話しを

してみてほしいのです。

 

(古山喜章)

2020年10月 9日 (金)

オフバランスは今がチャンスです

株式会社ミヤタ(仮称)は、12月決算の会社です。

本業とは別に、地方の不動産(アパート物件等)を保有しています。

 

コロナ禍にあっても、

業績自体は大きく落とすことなく、

営業利益も黒字を確保する見込みです。

 

ただし、ミヤタの決算書を見ると、

左側には土地、右側には借入金がのっており、

全体に占める割合は、40%以上と、

大きくなっています。

 

そこで、4代目の宮田社長は、

いまから1年前に、オフバランスを行うことを決意しました。

オフバランスの対象は、上記の地方物件です。

売却先は、グループ会社を予定しました。

 

この物件は、北日本と南日本に2か所あり、

簿価は併せて3億円程度でした。

 

他にも、不動産は多々あるものの、

まずは、この地方物件の売却を画策したのです。

 

といっても、この物件は、現在稼働率が100%近くあります。

建物の償却がほとんど済んでいて、

帳簿価格は、ほぼ土地の値段になっています。

おまけに、地方都市の中心部に位置しています。

 

ということで、鑑定評価をしても、3億3千万円程度と、

含み益が出てしまうのでした。

 

これを聞いて、宮田社長は、がっくりです。

宮田社長は、含み損を吐き出して、

納税を抑えることを考えていたからです。

 

「含み益が出るなら、あまりやりたくない・・・」

そう思って、この件は、しばらく塩漬けにすることにしていたのです。

 

ところが・・・

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月 8日 (木)

通知預金でお願いします。

飲食業を営むある経営者から、

電話での問い合わせがありました。

「設備投資と運転資金で5千万円借りるんですけど、

 銀行から『その一部を通知預金でお願いします』

 て言われたんです。

 どうなんでしょうか?」

 

通知預金、というのはその名のとおり、

お金を引き出したいときには、銀行に通知をして、

その2日後にお金を受け取れる、という預金です。

銀行側としては、通知を受けることによって、

急な預金の流出に対して、対応しやすい、ということです。

しかし、カネ余りの今、

メガバンクやそこそこ大きな地方銀行は、

多少の預金流出など気にしていません。

 

なので、通知預金の取扱いが多いのは、

第二地方銀行、信用金庫、信用組合など、

比較的小規模な銀行です。

冒頭の経営者も、聞くと信用金庫だったのです。

 

「通知預金ですか。

 それはたぶん、その担当者にノルマがあるんですよ。

それに、引き出すのに2日かかるとなったら、

 すぐに引き出したい非常時に、困りますよ。」

「そうですよね。困りますよね。

 なんかおかしいなぁ、て思ってたんです。」

「結局、最悪の非常時には、銀行はおさえた通知預金で

 融資金を相殺することができるんですよ。

 定期預金の部積両建と同じですね。

 それは金融庁から、してはならない、

とされていますよ。」とお伝えしました。

 

「そうなんですか!

 契約はまだしていないので、

 通知預金のお願いはお断りすることにします。」

となりました。

 

おそらく、普通預金ではなく通知預金を獲得することで、

その銀行担当者の点数があがるのか、ノルマに近づくのか、

ということだと思われます。

進行担当者が耳慣れない言葉を使うときは、

往々にして、銀行に有利な話しです。

そんな怪しい言葉は、絶対にお断りしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2020年10月 7日 (水)

ありがたいコメントをいただきました。

ブログをお読みいただいている経営者様より、

大変にありがたい貴重なコメントをいただきました。

ありがとうございます。

 

コメントを掲載させていただきます。

 

いつも読んで勉強させていただいております。

ただし、今回の支払い手形のサイト延長は現実的ではありません。

日経新聞に出ておりましたけれども、

公正取引委員会から手形サイトを60日以内にするすることそれを現金化かかる費用は

支払い側が持つこと。事実上の現金支払いを要求されています。

もし従わなければ罰則も貸すとあります。

私の会社でもそれに備えて今から現金を貯めて3年以内には

全て支払いを現金払いにする予定です。

自分のBSも大切ですが、国の法律を破るわけにはいきません。

 

確かに、おっしゃるとおりで、支払手形のサイト短縮の見直しが、

経産省、中小企業庁をはじめ議論されています。

ちょうどいま、議論している内容が、ホームページに公開されています。

 

ご参考までにご紹介しておきます(次をクリックください)

資料①

資料②

 

実際に私がお手伝いしたこの会社(大崎機械(仮称)は、

半導体業界に属する会社でした。

この資料②の7ページでいえば、まさにサイト120日が常識の業界でした。

 

ちなみに、大崎機械の支払い方法は手形ではなく、

振込により決済を行っている会社でした。

 

また、大崎機械がサイト延長を依頼した相手先というのは、

厳密にいえば、大崎機械から見て材料の仕入先が中心で、

下請法に該当する会社ではありませんでした。

このため、支払サイトの延長を依頼し、それを実行したのです。

 

大崎機械の会長は、G(義理)、N(人情)、P(プレゼント)を重んじる方で、

この会長が言うなら・・・という点で受け入れ余地は大きかったと思います。

仮に、仕入価格を値切って値切って、という会社であれば、

うまくはいかなかったものと思います。

 

ちなみに、大崎機械の一番の得意先は、一部上場メーカーで、

大崎機械は、このメーカーの協力会社にあたります。

 

もともと、このメーカーからの回収サイトを120日から90日にするとか、60日にするとか、

話は色々ありましたが、結局、大企業もサイト短縮には後ろ向きで、

話が浮上しては消え、今に至っています。

 

大崎機械の場合は、業績が拡大するなかで、

回収120日、支払90日だったため、支払サイト延長を依頼しました。

 

今後、このメーカーからの受取サイトが60日に短縮になれば、

支払サイトも60日に短縮することを計画しています。

 

このほか、顧問先には、建設業(ゼネコン、サブコン)に向けて、

安全用品の製造販売している会社がありますが、

この業界も非常にサイトが長いです。

 

ひどいものだと、上場会社からの受取手形でも、サイト6カ月のものがあります。

その他、10兆円近くの売上がある上場会社からのサイトも、7カ月でした。

 

手形サイト短縮を要請したものの、

「安全用品というのは、物販なので、ゼネコンから見たら下請法の範疇にはいらない」

ということで、けんもほろろの対応でした。

 

結局、この会社に対しては、直接に本社を訪問して、

サイトを2カ月に縮めてもらいましたが、大変時間と手間がかかりました。

 

殺し文句は、

「当社は御社のような上場会社と違って、吹けば飛ぶような中小企業です。

中小企業にとっては、資金繰りが命です。」といって、

下請法にひっかからないとはいえ、コンプライアンス上どうなのか?

というようなことを伝えて、改善に成功しました。

 

中小企業は、サイト負けしている会社が多く、

それが資金繰りを圧迫していることは間違いありません。

まずは、売上債権の回収サイトの短縮、在庫圧縮に努め、

運転資金を減らす努力をされるのが一番だと思っています。

 

この意味で、いただいたコメントにもありますとおり、

世の中の流れをキャッチして、一歩先回りして手を打つ、ということは、

非常に大切なことだと思います。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月 6日 (火)

マサカの坂に備える経営対策 財務編⑭

コロナ禍のみならず、

経営にはマサカの坂がつきものです。

〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。

マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。

だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、

経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。

 

財務編⑭ 銀行借入を見直しておく その1

 

運転資金としての短期借入金がいる、

設備投資としての長期借入金がいる、

など、業種や業態によって、

銀行借入による資金調達が必要になります。

 

しかし、決算書を拝見していると、

「どうしてこんな借り方をしているのか?」

という事実をお見受けするのです。

 

例えば先般、

コロナ禍で資金繰りに窮している会社がありました。

外食産業を展開していました。

厳しい状況は、皆さんもお察しできることと思います。

 

驚いたのは、長期借入金の返済年数です。

すべて5年の返済期限なのです。

「長期借入と言えば、少なくとも7年ですよ。

 大きな設備投資なら、10年かそれ以上が普通です。

 要は、そのくらいの期間で投資回収して返済できる、

 ということですよ。

 それがなぜおたくは全部5年なんですか?」

と尋ねました。

 

「いやぁ、前からずっとそうなので。」

との返答で、銀行交渉にまったくの無頓着だったのです。

貸借対照表についての知識がなく、財務音痴なのです。

 

長期借入金を全部5年で契約していたら、

7年や10年に比べて、

毎月の返済金額が大きくなるのは当たり前です。

それだけでも、資金繰りが厳しくなります。

「何よりもまず、

 長期借入金の契約を5年から10年に借り換えなさい!」

と申し上げました。

 

設備投資は、長期で投資回収を見込む投資です。

だから、長期借入金の扱いです。

しかし、その返済期間は本来、

回収期間に見合うものにしてほしいのです。

 

この会社のように、外食産業なら通常、7年~10年以内です。

その期間内で借入返済できるだけの、返済原資が必要なのです。

その返済原資を生まないような店なら、投資すべきではないのです。

さらに、店舗を継続するなら、

それくらいの時間を経過すれば、また新たな投資が必要になるはずです。

 

投資回収期間に対して、

長期借入金の返済期間が短すぎないか確認し、

短いようなら、銀行交渉で長い期間に借り換えるべきなのです。

 

(古山喜章)

2020年10月 5日 (月)

決算対策セミナーを開催します!

3月決算の会社は、9月が中間期であり、

1年の折り返しを迎えました。

今年はコロナ禍で、例年とは違う決算になる会社が、

続出することが予想されます。

 

今期の着地予想、どの程度になるでしょうか?

売上、営業利益、税引前利益は?

 

業績を落とさなかった会社は期末ギリギリで

「あぁ、こんなに利益が出るとは!!

 でも、税金はできるだけ払いたくない!」

と慌てて節税対策を行います。

 

反対に、業績を落とした会社は、

業績を落とさないように、本来するべきでないことにも

手を出そうとしてしまいます。

 

いずれにせよ、焦って行う対策では、

効果的な手は打てません。

用意周到にエビデンスを残しながら、

決算対策を行う必要があるのです。

 

そこで、アイ・シー・オーコンサルティング式の

決算対策セミナーを12月に東京と大阪で開催させていただきます。

 

自社の財務体質を強くするための実務を

具体的な実例をまじえて、

1日かけて講義いたします。

 

決算書の見方から始まり、

銀行対策、税務対策を通じて

いかに社外流出を抑えるか、

つまり、会社にお金をためるかを、

丁寧に解説させていただきます。

 

今回は、コロナ禍の対策についても、

実例を交えてお話させていただきます。

 

大阪会場      12月2日(水)

東京会場      12月15日(火)

 

の開催となります。

お申し込みはこちらをクリックください。

 

みなさまのご参加、お待ちしております!

 

(福岡雄吉郎)

 

2020年10月 2日 (金)

CCCって何?⑧

製造業の(株)大崎機械(仮称)は、

上手に支払サイトの延長を行うことで、

CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を改善させました。

 

前回お送りした文章のポイントを

まとめておきます。

 

 

❶今後においても更なる業績拡大を見込んでいる

業務拡大により売上、仕入の取引量の増大が見込まれるなか、

今般、社内にてお取引様との取引条件について見直しを行ってまいりました。

 

→支払サイト延長の要請は、

信用不安につながりやすくなります。

となると、「あの会社に納品するのはストップしよう」

などと思われかねません。

なので、上記のように伝えることで、

まずは、その不安を払しょくします。

 

 

❷得意先様からの売上債権の回収条件は

締め後4ヶ月であるいっぽうで、

仕入先様への仕入債務の支払条件は締め後3カ月であり、

回収と支払の決済期間に1カ月の乖離が生じております。

 

→こちらからの一方的な依頼のため、

その背景として、入金サイトも遅い、

ということを説明します。

これによって、「入金も遅いのか。

それならそういう要請があっても仕方ないか…」

と思ってもらえるように仕向けます。

 

❸なお、今回の依頼は、あくまで弊社の希望であり、貴社のご回答によって

今後の取引内容に影響を与えるものではございません。

 

→支払サイト延長を要請ではなく、強制すると、

下請いじめ、ということで、公正取引法に触れる可能性が出てきます。

そうなると、大変ですので、あくまで希望であることを伝えます。

 

 

貴社のご意思につき、別紙にて確認させて頂きたいと存じますので、

誠に恐れ入りますが、ご返信のほどよろしくお願い申し上げます。

 

 

→別紙にて、郵送orFAXで返事をしてもらうようにしました。

断る場合は、書面のほうが断りやすいものです。

そうした点も配慮して、依頼を出しました。

 

 

こうして丁寧に支払サイトの延長依頼を行ったところ、

この会社は、約7割の会社から承諾をもらったのです。

 

(福岡雄吉郎)

2020年10月 1日 (木)

マサカの坂に備える経営対策 財務編⑬

コロナ禍のみならず、

経営にはマサカの坂がつきものです。

〇〇ショック、〇〇大震災、〇〇豪雨など。

マサカの坂は常に発生しており、いつかは直面するのです。

だからこそ、直撃を受けても倒れないよう、

経営のさまざまな側面から、備えをしておいてほしいのです。

 

財務編⑬ 不要な投資有価証券は売却しておく

 

貸借対照表の資産に、

投資有価証券を見かけることがよくあります。

そのときに

「この投資有価証券の内容は何ですか?」

と中身をお聞きします。

すると一番おおいのが

「さあ・・・、何だったか…。

確か、○○○○の株式だったと思います。」等という回答です。

要は、あまりよく覚えていないのです。

 

子会社の株式が含まれていることもよくあります。

そのような子会社株は別にして、

市場で売買されている株式や金融商品を保有していても、

買って数年たてば、何の分だかよく覚えていない、

というのが実情のようなのです。

 

「本業に関係ないなら売却してお金に変えてください。」

と言うと、

「売っていいものもありますけど、

 うちが融資を受けている銀行の株は売りづらいです。」

と言われたことがあります。

長く資金調達をしている地方銀行の上場株を保有していたのです。

「どうしてですか?」と尋ねると、

「長年のつきあいですし、それを売ると、

 条件が悪くなるような気がして・・・。」

本気でそう思われている方が、おられるのです。

 

市場取引されている銀行の株式を売却したからといって、

融資条件が悪くなるようなことがあれば、それこそ、

優越的地位の濫用で、コンプライアンス上、大問題です。

そもそも、銀行の地位をおびやかすほどの株式数を

保有しているわけでもありません。

銀行にしたら、

「お好きなようにしてください。」という程度のものです。

 

それに今は、

取引がある会社間での持ち合い株はやめなさい、

という流れなのです。

更には、上場株の中でも、株価純資産倍率が最も低い、

いわば投資価値のない株式群の筆頭が、地方銀行株なのです。

再編・合併による淘汰がささやかれる業界ですから、

投資先として将来性がない、という評価を反映しているのです。

 

株価は上がる見込みがない、

というのなら、早めに売却すればよいのです。

銀行株など持っていても、

本業で稼ぐことに何の関係もないのですから、

売却して換金し、売却損で特別損失を出せば、節税にもなるのです。

もしも経常利益が出ていて、節税対策が必要なら、なおさらです。

 

売却できる株式が、投資有価証券に含まれていないか、

改めて確認してほしいのです。

 

(古山喜章)

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