通知預金でお願いします。
飲食業を営むある経営者から、
電話での問い合わせがありました。
「設備投資と運転資金で5千万円借りるんですけど、
銀行から『その一部を通知預金でお願いします』
て言われたんです。
どうなんでしょうか?」
通知預金、というのはその名のとおり、
お金を引き出したいときには、銀行に通知をして、
その2日後にお金を受け取れる、という預金です。
銀行側としては、通知を受けることによって、
急な預金の流出に対して、対応しやすい、ということです。
しかし、カネ余りの今、
メガバンクやそこそこ大きな地方銀行は、
多少の預金流出など気にしていません。
なので、通知預金の取扱いが多いのは、
第二地方銀行、信用金庫、信用組合など、
比較的小規模な銀行です。
冒頭の経営者も、聞くと信用金庫だったのです。
「通知預金ですか。
それはたぶん、その担当者にノルマがあるんですよ。
それに、引き出すのに2日かかるとなったら、
すぐに引き出したい非常時に、困りますよ。」
「そうですよね。困りますよね。
なんかおかしいなぁ、て思ってたんです。」
「結局、最悪の非常時には、銀行はおさえた通知預金で
融資金を相殺することができるんですよ。
定期預金の部積両建と同じですね。
それは金融庁から、してはならない、
とされていますよ。」とお伝えしました。
「そうなんですか!
契約はまだしていないので、
通知預金のお願いはお断りすることにします。」
となりました。
おそらく、普通預金ではなく通知預金を獲得することで、
その銀行担当者の点数があがるのか、ノルマに近づくのか、
ということだと思われます。
進行担当者が耳慣れない言葉を使うときは、
往々にして、銀行に有利な話しです。
そんな怪しい言葉は、絶対にお断りしてほしいのです。
(古山喜章)
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