5話連続シリーズ「メインバンクを切り替えろ!」②
②メインバンクを引きずり下ろしたい、他行の銀行マンたち
関東エリアで建築資材卸売業を営む、牧野建材(仮名)でのこと。
最も多くの金額を借り入れ、メインバンクとしていた、
関東中央銀行の融資条件が、最もひどいものだと知った
牧野専務は、行動を起こしました。
関東中央銀行の担当者に条件改善を申し入れたものの、
「そんなことを言うのなら、銀行としても考えがあります。」
と、おどしまがいの言葉を浴びせられ、
牧野専務の闘争心に火が付いたのです。
「メインバンクを切り替えろ!」の合言葉のもと、
あらかじめ考えていた、秘策に動き始めたのです。
「わが社に新たに営業にきている銀行マンが、二人いるんです。」
と、牧野専務が切り出しました。
「それは、近隣の地方銀行ですか?」
「2行とも、他府県から越境出店している地銀です。」
「なるほど。じゃあ、その銀行マンたちに協力をあおぐおつもりですか?」
「そうなんですよ。
先生方のご指導で、他府県から越境している銀行は、
地元の銀行よりもよい条件で動いてもらえる、と伺っていたので。」
牧野建材ではすでに融資を受けている地銀が3行ありました。
そのうちの1行が、その地域で一番有力な、関東中央銀行でした。
他の2行も、地元の地銀です。
私は牧野専務に提案しました。
「じゃあ、うちとすでに取引のある2行の銀行マンも、
加えて考えたらどうですか?」
「なるほど。新しい銀行も加えて、4行の銀行マンを、
味方につけるわけですね。」
「そうですよ。どの銀行マンも、うちの借入シェアのなかで、
関東中央銀行の牙城を崩したいに決まっていますよ。
すでに取引のある銀行なら、なおのこと、
上司からも指示がでているはずですよ。
協力してほしい、と申し入れたら絶対に喜びますよ。」
「その方向で動いてみます!」
このようないきさつから、
「関東中央銀行からの融資を一気にどっさり返して、
うちの借入最大額の座から引きずり下ろしたい。
協力してもらえますか。」
と、牧野専務は4行の各銀行マンに投げかけました。
4人とも、
「喜んで協力させていただきます!」
と、意気揚々に返事が返ってきたのです。
こうして、4行の若手銀行マンを迎えての、
“打倒!関東中央銀行”ともいうべき作戦会議が、
牧野専務の指令のもと、動き始めたのです。
(続く…)
(古山喜章)
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