4話連続シリーズ「8億円の保険金にかかる税金をなんとかしてください!」③
③「うちの保険商品はそんなことできません」と断る保険屋たち
「8億円の利益を分散させるなんて、簡単ですよ。」
と、法人保険プロフェッショナルの豊田氏から教えてもらった、
年金受け取り払いの特約を各保険会社と結ぶべく、
西日本商品企画(仮名)のオーナー、長谷川会長が動き始めました。
8億円の生命保険は、
6社の保険会社に対して、10本の契約に分かれていたのです。
「では、各保険会社の担当者に連絡して、
“年金受け取り払い”の特約手続きを進めます!」
数日後、長谷川会長から電話連絡が入りました。
「進み具合はどうですか?」
こちらから伺ってみました。
「6社に連絡して、すんなり進むところが1社もないです。」
「どういうことですか?」
「4社は、いったん調べてから連絡します、で連絡待ちです。
あとの2社は、
“うちの保険商品ではそんなことできません。聞いたことがない。”
て言うんですよ。
どうしましょうか?」
豊田氏から伺っていたとおり、この特約自体、
ほとんどの保険セールスの人が知らないのです。
「じゃあ、調べますと言っていた4社は、とりあえず待つものの、
今日から3日経っても連絡なければ、
こちらから連絡して、状況を聞いてみてください。
先方は何もせず、そのまま放置している可能性もありますので。」
「わかりました。
あと、そんなことはできないと言っている2社は、どうしましょう?」
「もう一度連絡して、
『他の保険代理店の方からも、“ないはずはない、絶対にあるはずです”
と聞いているから、もう一度調べてください。
してくれないなら、今後おたくとはつきあいません。
他の保険会社も調べてくれていますよ。』
と、強めに言ってください。」
「わかりました。連絡してみます。」
そして数日後、またもや長谷川会長から電話連絡が入りました。
「おかげさまで、
結局6社とも、“年金受け取り払い”の特約がある、
ということがわかりました!」
「そうですか!よかったですね。」
「そんな特約はない、と言っていた保険屋も、
調べてくれないならもう付き合わない!と言ったらようやく調べて、
“申し訳ないです。ありました。”
とお詫びかたがた連絡がきました!」
とのことだったのです。
結局、保険販売を取り扱う人も、売ることだけで、
税務に対する知識や、契約後の特約など、
知らない方が多いのです。
そのような方々に任せていると、
“年金受け取り払い”の特約など、わからないままなのです。
そしていよいよ、
保険会社6社との特約を、締結することになったのです。
その間も、余命半年の告知を受けた、社長の病魔は進行していたのです。
(続く…)
(古山喜章)
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