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2020年12月

2020年12月31日 (木)

改めて即時償却の何がよいのか④

すでにご案内のとおり、令和3年度の税制改正によって、

私たちICOコンサルティングがお勧めしてきた即時償却が

2年間延長になりました。

 

投資を行う中小企業にとっては、これは本当にありがたいことです。

 

即時償却について、税理士さんは

否定的な考えを持っています。

それには、2つの理由があると考えています。

 

①長い目で見れば、同じだと考えている

 

即時償却を行って、

1年でバサッと全額落とさなくても、

耐用年数(例えば、建物附属設備なら15年)が経過すれば、

どのみち全額が経費に落ちるため、

“そんなに頑張って、即時償却しなくても・・・”

という考えです。

 

これは、いかにも経理の考えです。

今年の利益が、来年も、再来年も、その次も

ずっと続くと考えるため、このような発想になるのです。

 

しかし、経営は生き物です。

来年はどうなるか、わかりません。

なので、落とせるものは早めに落とす、

というのが、経営者の考え方です。

 

②やったことがない、よくわからない

 

即時償却制度のスタートは、

アベノミクスでした。

それから、制度を少しずつ変えて今に至るわけですが、

比較的新しい制度であることに変わりありません。

そして、その手続は、なんだかんだ、やっぱり手間がかかります。

特に、B型の申請というのは、

投資計画を作成して、それを経産局に承認をもらう必要があります。

この手続が、結構手間でハードルが高いのです。

 

となると、「できない」「審査が通らない」という

発想になるのです。

 

しかし、私がこれまでたくさんお手伝いしてきた感想は、

「そもそもの対象基準を満たしていれば、審査は通る」

です。

 

もし、即時償却を行いたいけど、

どうしたらよいかわからない、

もしくは、税理士から理解が得られない、

という会社は、お気軽にご相談ください。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月30日 (水)

改めて即時償却の何がよいのか③

すでにご案内のとおり、令和3年度の税制改正によって、

私たちICOコンサルティングがお勧めしてきた即時償却が

2年間延長になりました。

 

投資を行う中小企業にとっては、これは本当にありがたいことです。

 

今回は、この即時償却について、

どんな設備が対象になるか、

詳しく見ていきます。

 

まず、現在の即時償却というのは、

A型、B型、C型に分かれています。

 

これについては、改めての機会にご説明しますが、

対象設備としては、次のようなものが挙げられます。

 

・機械・装置(160万円以上)

・工具(30万円以上)

・器具・備品(30万円以上)

・建物附属設備(60万円以上)

・ソフトウエア(70万円以上)

 

対象設備のポイントとしては、

建物附属設備は対象になりますが、

建物(躯体工事等)は、対象外である、ということです。

 

建物附属設備というのは、

電気、ガス、空調などの、いわゆる設備工事です。

 

また、この即時償却は、あくまで

❶製造、販売用として❷自社で使うもので、❸新品が対象です。

 

本社、福利厚生、事務用の投資は、原則として対象外です。

また、貸付用の設備、中古設備は、対象外です。

この意味で言えば、部屋を提供するホテル業は使えますが、

部屋を貸し出す不動産業は、基本的に使えないとお考え下さい。

 

業種による違いはありませんが、

用途、設備による違いはある、ということです。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月29日 (火)

改めて即時償却の何がよいのか②

すでにご案内のとおり、令和3年度の税制改正によって、

私たちICOコンサルティングがお勧めしてきた即時償却が

2年間延長になりました。

 

投資を行う中小企業にとっては、これは本当にありがたいことです。

 

再三にわたって、

「即時償却を使いましょう」と申し上げていますが、

税理士さんのなかには、このメリットを理解されない方も

まだまだ多くいらっしゃいます。

 

私たちが考える、即時償却のメリットは4つです

①キャッシュが残る

②将来何があるかわからない

③総資産が増えない

④法人税率は、将来下がってゆく

 

 

①即時償却をすれば、

多額の減価償却費を計上できます。

 

これを特別損失で計上すれば、

銀行や格付会社が気にする

営業利益や経常利益を減らさずに、

税引前利益を抑えることができます。

 

本業で利益が出ていれば、

法人税を払うことなく、

キャッシュが残ります。

 

②今期は、業績が良くても、

将来業績がわるくなるかもしれません。

 

それなら、いまのうちに、

落とせるものは落としておいたほうが、

良いとおもいませんか?

 

たとえ、キャッシュの支払がなかったとしても、

業績がわるいときに、減価償却費を計上すると、

営業利益、経常利益が少なくなります。

 

③即時償却をすれば、

当然ながら、設備投資した金額が、

資産に計上されることはありません。

つまり、総資産が増えずに、身軽な体質をキープできます。

 

④将来的に法人税は更に下がってゆきます。

それなら、いまのうちに即時償却をしておいたほうが、

税効果という意味でもメリットがあります。

 

 

以上、4点が即時償却をすすめるポイントです。

 

「長い目で見れば、どっちも同じじゃないですか?」

は、税理士や経理マンの発想であって、

経営者の発想ではないのです。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月28日 (月)

改めて即時償却の何がよいのか①

すでにご案内のとおり、令和3年度の税制改正によって、

私たちICOコンサルティングがお勧めしてきた即時償却が

2年間延長になりました。

 

投資を行う中小企業にとっては、これは本当にありがたいことです。

 

ところが、まだまだこの即時償却について、

十分に理解いただけていない経営者も多く、

そこで、今回は改めて即時償却についてご説明したいと思います。

 

まずは、即時償却の仕組みです。

 

即時償却は、固定資産を買ったときに、

その全額を減価償却できる制度です。

 

通常、固定資産を買うと、

何年か(耐用年数)にわたって減価償却をすることになります。

 

耐用年数というのは、国税庁が

資産の種類別に定めた年数です。

だいたいこれくらいかけて、価値はゼロになるだろう、

という目安の年数です。

 

ですが、会社としてはこれを無視できず、

基本的に、この耐用年数にしたがって、減価償却を行います。

 

設備工事であれば、15年ほど、

機械装置であれば、5年~7年が多いです。

 

で、これを1年で出来るのが、即時償却です。

普通償却額に上乗せして、特別に償却ができます。

 

これを使うと、キャッシュが早くたまります。

簡単な例を使うと、以下の通りです。

100の固定資産を買った場合で、

5年償却の場合と、即時償却の場合を

比べてみます。

 

Sokuji_20201227205701

上のとおり、

5年償却の場合は、法人税を32払いますが、

即時償却の場合は、法人税を払わずに済むのです。

この分、キャッシュが早く溜まるのです。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月25日 (金)

2020年 銀行関連の動き②

今年度、中小企業に関わる銀行関連の動きを

とりまとめてゆきます。

 

②コロナ融資で過去最高の融資残高

 

2020年3月以降、いわゆるコロナ融資が

政府系銀行で始まりました。

3年無利子、返済は5年据え置き、というものです。

政府系だけでは対応が間に合わず、

5月からは民間銀行も窓口となりました。

 

「先行きが不安なので、一応借りておきました。」

5月~6月ころ、経営者のこのような声をよく聞きました。

コロナ融資は、保証協会の保証が100%です。

銀行にすれば、リスクなしで貸せる、ということから、

事業に影響を受けていない会社にまで、

「手元資金が多いと安心ですよ。」

と誘い文句をうたい、融資額を伸ばしました。

3月~7月のコロナ融資総額は40兆円です。

その結果、銀行は過去最高の融資残高になったのです

 

慎重な会社は、安易にコロナ融資を借りることなく、

当座貸越枠を新たに作ったりして、

いつでも資金調達できるようにだけ、手配を済ませました。

銀行には頼らず、

生命保険を解約して急場をしのいだ会社もありました。

“キャッシュ・イズ・キング”という言葉が囁かれ、

多くの会社がお金で苦しみ続ける一年となりました。

 

安心のために借りました、という会社は、

その借りたお金を決算期にまで残さず、

銀行へ返済してほしいのです。

決算書にムダな負債を残さず、健全無垢な財務状況と

しておくのです。

 

いずれ、本当に借りなければいけない時に、

銀行がすぐにでも貸したくなる決算書にしておくのです。

不安があるなら、先ほど述べたように、

銀行に交渉して、当座貸越枠を作ればよいのです。

「それってどんなものですか?」

と聞かれることがあります。

特に、これまで融資にあまり縁がなかった会社ほど、

ご存じでないことが多いです。

 

マサカの坂は、いつ来るかわからないのです。

そのときに今回のような、

政府があとおしする融資があるとは限りません。

危機を耐える力への、備えをしておいてほしいのです。

 

(古山喜章)

2020年12月24日 (木)

2020年 銀行関連の動き①

今年度、中小企業に関わる銀行関連の動きを

とりまとめてゆきます。

 

①金融審査マニュアルの廃止

 

昨年2019年度末をもって、

金融審査マニュアルが廃止となりました。

これは、金融庁が各銀行に対して、

「このようなやり方で融資をしなさいよ」

ということをまとめたものです。

 

そこには、

融資先の格付け(スコアリング)に対する考え方や手順など、

会社にお金を融資する際の基本ルールが記載されていました。

そのマニュアルが廃止になったのです。

マニュアルに縛られすぎて、

本来融資をするべき会社へお金が行き渡っていない、

といったことが、廃止へのきっかけでした。

 

しかし気になるのは、

「廃止になったら格付け(スコアリング)はどうなるんですか?」

ということでした。

結論からいえば、今も格付け(スコアリング)は運用されています。

この一年間、お会いする銀行員の方々にお聞きしました。

「金融審査マニュアルが廃止になって、

 格付け(スコアリング)はどうされているんでしょうか?」

すると皆さん、ほぼ同じ返答でした。

「廃止になったとはいうものの、

 金融庁が言っているような事業性評価をすぐに

 運用するスキルも行員にはないから、

 まだ少なくとも数年は廃止になったマニュアル通りに

 運用してしまいますよね。」

とのことでした。

 

“マニュアルに頼らず、本来の事業性を評価して融資せよ!”

と金融庁は推し進めます。

が、今の現場の実務能力では、そこまで対応できない、

という状況なのです。

 

各銀行においては、融資先を管理してゆくうえで、

格付け(スコアリング)は、便利なのです。

各銀行とも、一律のルールで融資先をランク付けしています。

そのもとになるのは、決算書です。

もっと言えば、損益計算書と貸借対照表です。

だから銀行の格付け(スコアリング)を少しでもよくするために、

決算対策をうるさく言うのです。

 

銀行による格付け(スコアリング)は従来通りに動いています。

今後も銀行には、

「うちの格付けはどこですか?」と、

決算書を提出する都度、たずねて確認してほしいのです

 

(古山喜章)

2020年12月23日 (水)

コロナで変わりました②

今年はコロナ禍で大変な一年ではありましたが、

これまで変わらなかったことがようやく

「コロナで変わりました。」

ということもあったのです。

 

②給与明細を紙で配るのはやめました。

 

前回の小口現金同様、給与明細も、

「コロナのおかげでやめました。」と聞いたことのひとつです。

これまで通りの紙に印刷をして配るのはやめて、

各自がスマホを使ってインターネットで明細を見る、

という形に変えた会社があったのです。

 

なにせ、コロナ禍では在宅勤務が定着化し、

職場に全員が出社する、という日がそもそも激減しました。

それに手渡しだと、感染リスクを気にする従業員も現れたのです。

「うちの社員数だと手作業でやったほうが安くつく」

と言っていた経営者が、急な対応に迫られ、

ようやく給与明細をデジタル化したのです。

 

以前から給与明細をデジタル化していた中小企業は、

このことに関しては何も慌てる必要がありませんでした。

結局、多少のコストを理由にアナログ対応のままだった会社が、

バタバタと慌てる格好になったのです。

 

で、デジタル化したら

「データ配信するだけなので、作業がずいぶん楽になりました。

 もう元ヘは戻れませんね。」

などと平気で言うのです。

だから今まで言ってるじゃない、とツッコミたくなるのです。

 

今後、ペーパーレスはますます進化することが予測されます。

会議の場でも、一部の者がリモートで参加する、

ということが当たり前になってきました。

となると、資料は紙でなく、データのほうが断然、

共有しやすいのです。

会議室のテーブルに座る人には紙で準備し、

リモート参加の方には電子データで準備する、

などという対応をしていられないのです。

余計にコスト高になるのです。

 

なかなか進まなかった、中小企業のデジタル化ですが、

コロナ禍において、そうせざるを得ない環境となった今、

一気にデジタル化してしまう、絶好の機会なのです。

 

今なお、給与明細は紙に印刷して配布しています、

という中小企業も多いのです。

そのような古い体質の会社では、これからの時代、

人材の定着はおろか、採用さえできなくなってゆく、

そんな恐れがあるのです。

 

給与明細はデジタル化の第一歩です。

もしもまだなのなら、来年早々にも、

現状の給与システムを扱う会社に連絡し、

「給与明細をデータ配信するにはどうしたらいいか。」と伝え、

その一歩を踏み出していただきたいのです。

 

(古山喜章)

2020年12月22日 (火)

コロナで変わりました①

今年はコロナ禍で大変な一年ではありましたが、

これまで変わらなかったことがようやく

「コロナで変わりました。」

ということもあったのです。

 

①小口現金がなくなりました。

 

小口現金をやめなさい、と言い続けております。

・現金が分散し、ムダに現金が多く必要になる。

・現場・本部で、管理や精算の手間がかかる。

・不正の温床となる。

これらのことが、小口現金をやめてほしい主な理由です。

なにひとつ良いことがないのです。

現金効率が悪いのです。

 

「現場や先代トップの了解がなかなか得られない。」

と愚痴をこぼしていたサービス業の後継者が、

「ようやく小口現金をやめることができました!」

と言ってきました。

「それはよかった!

 どうして今さらできたの?」と聞きました。すると、

「いやぁ、恥ずかしながらコロナのおかげなんですよ。」

「どういうこと?」

「感染リスクを下げるため、現金を触ることを減らしましょう、

 という流れで、やめることができたんです。」

「いわゆる、非接触型に変えましょう、みたいなもんですね。」

「そうなんですよ。」

 

で、必要な時は現場の者が立替え、

支出依頼書を作成して本部へデータ送信する形になったのです。

精算の支払いは、給与支給と同時にします。

現金を触ることも、現場の者が経理のところに精算依頼書を

持参することも、なくなったのです。

「で、どうなりました?」と聞いてみました。

「いつもブログや本で書かれていたとおり、まず、

 現場での買い物が減りました。

 やっぱりみんな、自腹はイヤなんですね。」

「コスト削減になってよかったじゃないですか?

 現場からクレームとか、聞こえてきましたか?」

「このご時世なので、誰も反対しませんでした。

 コロナ前は、そんなことされたら困る!とか、

さんざん文句を言っていましたけどね。」

 

と、ようやく小口現金をやめることができ、

ホッとされていたのです。

不正の心配もなければ、管理コストも減ったのです。

感染リスクも確かに軽減しました。

このように、以前はできなかったけれど、

環境が変わったらできるようになりました、

ということがあるのです。

 

今もまだ、小口現金を扱っている中小企業はあるはずです。

現金効率を改善することが本来の目的ですが、

感染リスクを下げるためにも、

再度、小口現金の廃止にトライしてほしいのです。

 

(古山喜章)

2020年12月21日 (月)

「純現金収支」 って何のこと?

コロナ騒ぎにおいて経済新聞をみていると急に「コミットメントライン」「劣後債」「社債」なる借入金資金調達の単語が多く出てくるようになりました。

この言葉は、別の機会に説明するとして「純現金収支」という言葉が多く見かけられるようになりました。

前の「コミットライン」などを「暗」とすれば、「純現金収支」は「明」とするところでしょう。

 

「純現金収支」とは  私が20年前から申し上げているキャッシュフローのことです。専門家は、FCF(フリーキャッシュフローと言ったり、営業キャシュフローと言ったり、トータルキャッシュフロー(営業CF、投資CF、財務CF)といったりで知識のない者は、ややこしくて混乱してしまいますね。

 

キャッシュフローとは、経営活動、利益創出活動をしているわけですが、常に経営者は利益をたたき出そうとして、必死に働いているのです。そして、その証の損益計算書を作成し、売上は、原価は、粗利は、労務費を使って、販売管理費は金利を支払って、いくらの経常利益をたたき出したかと考えているのです。

 

しかし、その利益金額は、本当に会社に残り、使えるお金となっているのでしょうか? 法人税を支払った後の純利益額は前年度より増えても、会社にはなぜか現金が残っていません!

キャッシュが多く生まれてこない限り、有利子負債は減少しないで、いつまでも借金漬けになっているのです。

コロナ禍でつくづく借金体質では駄目だと身をもって感じた方は多かったのではないでしょうか!

 

投資が減額したり、借入金の返済が減少したり、在庫調整を行ったり、回収支払いサイトの改善を行い、営業キャッシュフローやフリーキャッシュフロー(投資キャッシュフローを加える)の改善を図れば、現金収支がプラスになり、使える現預金が増加するのです。

 

コロナ禍環境の中で どこの企業も借金調達に走っていると思われますか?

私の感覚から申せば

 

大幅な減益  33

小幅減益   33

変わらず、むしろ増益  33

 

と思われます。

 

 

良きにつけ、悪しきにつけ 有利子負債(短期・長期借入金)を減ずる対策、すなわちキャッシュフロー(使えるお金)をどうすれば増やせるのか、キャッシュが増えれば借金は返せるのです。コロナ禍でも考えたのではありませんか? 

借金すれば返済が大変なのです。

 

 

対策は

・適正在庫はいくらか、不良在庫は何か?

・売掛金勘定を短くできないか、短縮交渉しているか?

・現預金は月商の二分の一にできないか  余ったお金は返済に回しているか?

 

が一番の課題だが

・貸付金は回収しているか

・減価償却を早める、確実に行っているか

・不良資産を特別損失計上しているか

 

あくなき利益追求(営業利益、経常利益)を行い、フリーキャッシュを求めて金回りの良いキャッシュリッチな会社づくりをして欲しいのです。

 

キャシュフロー  = 減価償却 + 税引後純利益 + 特別損出 なのです。

この方式をご存知ない方が多すぎるのです。

 

即時償却も2年延長されました。減価償却を増やすのもチャンスです。

 

 

考えてみてください

①当期純利益額  =  当期現金増大額

②当期純利益額   〉  当期現金増大額

③当期純利益額   〈  当期現金増大額

 

①のように当期純利益高が当期現金が残高とイコールして増大しているだろうか?

これは素晴らしいことです。

 

②のように純利益高は増大しても現実に現預金が決して純利益額より多くならないのが普通です。

 

現金で売上を受け取る、前受け金で受け取る、売掛金が減少する、また、売れて!売れて! 在庫商品が空っぽになるいい環境。

設備投資しても減価償却期間は17年や20年と長く、長期借入は10年であれば減価償却だけでは賄いきれないのです。

 

 

中小企業はいつも現金不足に泣かされます。嘆いてばかりで私から申し上げればキャッシュフローをよくする努力を会社全員がしていないのです。

「小口現金」なるものでも当たり前と思っているのです。今や小口現金なるものは必要でしょうか?

考えてみてください

(井上和弘)

2020年12月18日 (金)

税制改正 悲報と朗報⑤

12月10日に与党の税制改正大綱が決まりました。

正式には、国会審議のうえで決まるのですが、

実質は、公表された大綱案で決まり、とお考えください。

 

とりあえず、来年から新たに設立される主な税制をご紹介します。

今日は、個人の税金です。

 

<相続税贈与税>

■教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

孫が受贈者の場合、管理残額に相続税が課される場合は、2割加算

結婚・子育て資金の一括贈与は、次の期限到来時に、制度廃止を検討

 

(コメント)

相続、遺贈や相続時精算課税に係る贈与によって財産を取得した人が、

配偶者、子供以外の人である場合には、その人の相続税額に

その相続税額の2割に相当する金額が加算されます。

今回の改正は、それと整合性をとるためのものです。

 

■退職所得課税の適正化

法人役員等以外についても、勤続年数5年以下の短期の退職金については、2分の1課税の平準化措置の適用から除外する。ただし、退職所得控除額を除いた支払額300万円までは、引き続き2分の1課税を適用する。

 

 

<所得税>

■同族会社が発行した社債の利子で、

その同族会社の判定の基礎となる株主である法人と

特殊の関係のある個人およびその親族等が支払いを受けるものは、総合課税。

 

また、当該個人およびその親族等が支払いを受ける、

その同族会社が発行した社債の償還金についても、総合課税の対象とする。

 

(注1)上記の「法人と特殊の関係のある個人」とは、

法人との間に発行済株式等の50%超の保有関係がある個人等をいう。

 

(注2)上記の改正は、令和3年4月1日以後に支払を受けるべき

社債の利子及び償還金について適用する。

 

月曜に紹介したものもがコレです。

抜け穴的に分離課税を適用していたものが、

封じられてしまいました。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月17日 (木)

税制改正 悲報と朗報④

12月10日に与党の税制改正大綱が決まりました。

正式には、国会審議のうえで決まるのですが、

実質は、公表された大綱案で決まり、とお考えください。

 

とりあえず、来年から新たに設立される主な税制をご紹介します。

 

■地域未来投資促進税制

地域未来牽引企業に認定された会社は、特別償却制度を使うことができる。

 

適用要件に数値要件を追加し、

サプライチェーンの維持・強化を目的とする類型を追加して、2年延長

 

特別償却が認められる投資条件として、

投資収益率又は労働生産性の伸び率が一定水準以上であることが見込まれることを

確認すること。

 

上記に代えて、海外に生産拠点が集中している一定の製品の製造をすることでもOK

 

(コメント)

地域未来牽引企業に認定されている企業は、ぜひ活用ください

 

 

■特定事業継続力強化税制 

令和5年3月末まで延長(対象設備を見直したうえで計画の認定期限を設定する)

 

中小企業等経営強化法の、「事業継続力強化計画等」の認定を受けた場合、

その認定を受けた日から1年以内に設備を取得し、事業の用に供すること

 

対象資産に次を加える

・架台および無停電電源装置

・感染症対策のために取得するサーモグラフィー

・資本的支出により取得等をする資産

 

対象資産から除外する

・火災報知器、スプリンクラー、消火設備、排煙設備、防火シャッター

・補助金の交付を受けて取得するもの

 

特別償却率は、現行20%から18%へ(2%引き下げ)

 

(コメント)

防災、減災のための投資をした場合は、使える可能性が高いです

 

 

■所得拡大促進税制

従来は、

①雇用者給与等支給総額が前年度を上回ること

②継続雇用者(※1)給与等支給額の1.5%以上増加

という要件を

 

①雇用者給与等支給総額が1.5%以上増加にして、2年延長

(継続雇用者ではなく、単に雇用者に変更)

 

※1継続雇用者とは、

前年度の期首から適用年度の期末までの全ての月分の給与等の支給を受けた従業員

 

(コメント)

人件費が増加した企業は、適用できるかどうか、税理士に相談してください。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月16日 (水)

税制改正 悲報と朗報③

12月10日に与党の税制改正大綱が決まりました。

正式には、国会審議のうえで決まるのですが、

実質は、公表された大綱案で決まり、とお考えください。

 

とりあえず、来年から新たに設立される主な税制をご紹介します。

 

■中小企業に係る軽減税率の特例

→2年延長

 

■中小企業経営強化税制(即時償却)

→2年延長(令和5年3月末まで)

 

■中小企業投資促進税制(30%特別償却)

→2年延長(令和5年3月末まで)

対象業種に、不動産業、物品賃貸業、料亭・バー・キャバレー等も加える

 

■商業・サービス業・農林水産業活性化税制(30%特別償却)

→廃止

ただし、対象業種を中小企業投資促進税制に統合

 

さて、即時償却、特別償却のまとめを下表にのせておきます。

この表の黄色個所が、

来年4月以降は使えなくなります。

 

Sokuji_20201216075801

 

2020年12月15日 (火)

税制改正 悲報と朗報②

12月10日に与党の税制改正大綱が決まりました。

正式には、国会審議のうえで決まるのですが、

実質は、公表された大綱案で決まり、とお考えください。

 

とりあえず、来年から新たに設立される主な税制をご紹介します。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)投資減税

令和5年3月末まで

 

新商品開発や新生産方式・販売方式の導入により

新需要開拓や生産性向上を目指す、

「事業適応計画(仮称)」の認定を受けた企業が対象です。

 

この、計画に従って生産性向上又は需要の開拓

特に貢献するために新設又は増設するソフトウエア

また、ソフトウエアとともに生産性向上又は需要開拓に貢献する

機械装置および器具備品については、30%の特別償却ができる。

 

計画を実現するために必要なソフトウエアの利用に係る費用(繰延資産)についても、

30%の特別償却が可能となる。

 

(コメント)デジタル化を進めるためのソフトウエアに投資する場合は、

使えるかどうか、検討ください。

 

■2050年カーボンニュートラル(脱炭素社会)という目標に向けた投資減税

令和6年3月末まで

 

中長期環境適応計画(仮称)に基づき導入される、

生産プロセスの脱炭素化に寄与する設備や、

脱炭素化を加速する製品を生産する設備への投資について特別償却が適用できる。

 

中長期環境適応計画(仮称)の認定を受けた会社が、

中長期環境適応生産性向上設備(仮称)または

中長期環境適応需要開拓製品生産設備(仮称)の取得をした場合は、

50%の特別償却が可能。

 

(コメント)正直、内容が難しいですね。

 

■株式対価M&Aを促進するための措置の創設

自社株式を対価として、売手会社の株主から株式を取得するM&Aについては、

売手会社の株主の譲渡損益に対する課税の繰り延べを行う。

 

(コメント)あまり、使う場面はなさそうです。

 

■経営資源の集約化によって生産性向上等を目指す計画の認定を受けた中小企業が、

中小企業の株式の取得後に、簿外債務、偶発債務等が顕在化するリスクに備えるため、

準備金を積み立てたときは、損金算入を認める。

 

あわせて、この計画に必要な事業を記載して認定を受けた中小企業は、

中小企業経営強化税制(即時償却)の適用が可能となり、

さらに、所得拡大促進税制の上乗せ要件に必要な計画の認定が不要となる。

 

(コメント)これから、M&Aで他社を買収しようという会社は、要検討です。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月14日 (月)

税制改正 悲報と朗報①

12月10日に与党の税制改正大綱が決まりました。

正式には、国会審議のうえで決まるのですが、

実質は、公表された大綱案で決まり、とお考えください。

 

私たち中小企業にとっても、

この税制大綱はとても大切で、

以前からどうなるのか、注目をしてきました。

 

というのは、例えば、投資したときに、

一括で減価償却費として落とせる即時償却は、

来年3月31日をもって終了するからです。

 

さて、手っ取り早くの結論ですが、

即時償却は2年延長となりました。

これはよかったですね。

そのかわり、一部30%の特別償却は終了となります。

 

これが朗報です。

 

反対に悲報です。

これは一部の会社でご提案していたいのですが、

経営者引受少人数私募債の話です。

 

2016年から基本的に総合課税になっていたのですが、

たとえば、HDが事業会社の株式を100%保有していて、

HDではなく、事業会社がオーナーに対して

私募債を発行していた場合、

 

下記のような場合は、

オーナーが受け取る私募債金利は、

総合課税ではなく、分離課税でいけました。

Sibosai

しかし、今回の税制改正で、

来年4月以降受け取る金利は、

総合課税となってしまいました。

これが悲報ですね。

 

今週は、これらを含めて、

税制改正で私たち中小企業に影響のありそうなものを

ご紹介していきます。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月11日 (金)

5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」⑤

⑤ちょっとややこしい株主は現金買取りで解決せよ

 

近畿地区で事業を続ける中小企業、株式会社関西特殊整備(仮名)

において、事業承継対策のひとつとして、

種類株式を活用することにしました。

しかしそのためには、全株主の同意が必要なのです。

阿図仮市、関西ネクスト銀行の同意を得て、

残る課題は、元社員の奥様に対する、株主対策だったのです。

約5%の議決権を持っておられました。

 

その元社員は、かつての営業部長、森永氏(仮名)でした。

会社にとっては、今の地位を築き上げてゆく真っ只中での、

功労者だったのです。

嘱託社員を経て退職し、その数年後に惜しくも亡くなられたのです。

 

「退職の時点で株を買い取っていなかったんですか?」

山中社長にお聞きしました。

「そうなんですよ。そのときに買い戻していれば、

 今みたいなことはなかったんですが。

 なぜかそのままになっていたんです。

 で、当人が亡くなり、奥様が株式を相続されたんです。」

 

こういうケースを、結構お聞きするのです。

奥様が株式を相続されると、これは少しやっかいです。

単なる財産ではなく、形見の品、のような存在になり、

買戻しをお願いしても、手放そうとしなくなることがあるのです。

「お父さんが残してくれたものを、売るなんてとんでもない!」

となるパターンがあるのです。

 

かといって、種類株式の同意書をもらい、

株主として残ってもらっても、ちょっとややこしい株主となります。

「できれば森永さんの株式は買い戻したいです。」

これが山中社長のご希望でしたし、

私たちもそのほうがいいと判断しました。

あとは、どう買い戻すかです。

 

同族の方ではありませんので、税法に基づけば、

額面での買戻しが可能です。

しかしこのような場合、

少なくとも額面の5倍くらいは提示しないと、

すんなり売ってくれることはないのです。

それはこれまでの経験上、そう実感しているのです。

 

森永元社員の奥様とは、山中会長が既知の間柄でした。

「森永さんには、私が買い取りの話しをしますよ。」

面識のない社長が伺うより、古くから面識のある会長が

交渉したほうが、うまく事が進みそうでした。

こんなとき、誰が交渉に行くのかも、大切なことなのです。

 

続けて山中会長が言いました。

「たぶん、森永さんの奥さんなら、頼めば売ってくれますよ。

 一応、額面の5倍くらいで契約書を交わして、

それとは別に現金で袖の下をしっかり用意しますから。」

こんなときは現金が一番効果的だ、と山中会長は心得ていたのです。

 

で、森永元社員の奥様から株をしっかりと買い取ってきたのです。

「ところで袖の下はどれくらい出されたんですか?」

その後お会いした折、山中会長にたずねました。

「帯付きで5束出してお願いしたら、すぐにOKしてくれましたよ。」

まさに、現金の魔力を感じる瞬間です。

山中社長も驚き、

「あの奥様は何を言われても売らないんじゃないか、

と心配していたけれど…。いやぁ、わかりませんね。

やっぱりお金をケチらないことですね。」

 

これで懸念していた株主の整理や同意の取り付けを終え、

全株主の同意書の捺印を得て定款変更し、

関西特殊整備は種類株式を無事に導入することができたのです。

その後、山中社長はわずかな数の普通株式を会長から買い取り、

議決権の上で支配権を得たのです。

併せて山中会長は種類株式を、役員クラスの従業員数名へ譲渡しました。

会長の手元から、株式財産は無くなったのです。

 

山中社長は言いました。

「株式はやはり分散していると大変ですね。

 身をもって実感しました。

 それに、こういうときには、種類株式の活用は絶大ですね。

 先生方にお会いしなかったら、こんな方法での解決はムリでしたよ。」

その言葉を聞いて、私もようやく、ほっとできたのです。

 

(古山喜章)

2020年12月10日 (木)

5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」④

④銀行の株主に同意を得よ(後編)

 

近畿地区で事業を続ける中小企業、株式会社関西特殊整備(仮名)

において、事業承継対策のひとつとして、

種類株式を活用することにしました。

しかしそのためには、全株主の同意が必要なのです。

株主のひとつである、阿図仮市の同意を得て、

次に同意の承認を得る必要があるのは、

地元に支店を構える、関西ネクスト銀行(仮名)でした。

 

いよいよ、支店長、担当者、本部の法務担当4名が来社しました。

こちらは、山中社長と財務担当、そして私の3名ですが、

少し遅れて先代会長が参加する流れでした。

 

関西ネクスト銀行は、関西特殊整備(仮名)と先代時代からの取引先です。

但しここ数年、借入金はない状態です。

関西特殊整備の自己資本比率は60%以上です。

銀行にしてみれば、ぜひとも融資をしたい取引先だったのです。

 

挨拶もほどほどに、法務担当のひとりが切り出しました。

「いやぁ、当行でもあまり例のない依頼でしたので、

 どのような趣旨でおられるのか、ご確認だけさせていただき、

 捺印を進めたいと考えている次第です。」

 

山中社長が心配していたような、

「時価評価で買い取ってください」という雰囲気ではない感じでした。

支店長含め、今後もおつきあいをしたいので、

大きな問題がないのなら、

そのまま関西特殊整備の株式を保有しておきたい、

といった対応だったのです。

 

山中社長から改めて、種類株式活用の内容と趣旨説明をしました。

但し、事業承継対策のため、ということは禁句にしていました。

新たな資本構成で意思決定のスピードアップを図りたい、

ということが一番の目的であることを伝えました。

そして私からは、

銀行は民間企業の議決権株式を5%以上保有できない、

いわゆる5%ルールに関することをお伝えしました。

「種類株式に転換すれば、銀行法で定められている、

 5%ルールにも触れることなく、

そのまま保有していただけますよね。」

「そうですね。問題ありませんね。」

法務担当の方が言いました。

「コンプライアンスへの対応が、何かと大変ですよね。」

「そうなんですよ!」

というやりとりを終えたころに、先代である会長が入室してきました。

 

銀行の4名の態度が引き締まり、改めて挨拶が交わされました。

「今回ちょっとお願いしますけど、よろしくね。」

会長は、厳しいことでもさらっと早口で軽くまくしたてるタイプです。

「何か問題あります?どうですか?なにも問題ないでしょ。」

と矢継ぎ早に投げかけます。

法務担当が答えました。

「はい、特に問題ございません。

十分に理解させていただきましたので、

 同意書をいただければ、こちらからも説明して、進めさせていただきます。」

 

さらに会長が言いました。

「今度、大きな金額の退職金を考えているから、

 そのときはまた、協力してくださいね。よろしくね。」

その言葉に今度は支店長がすぐさま反応しました。

「もちろんです!

 こちらこそよろしくお願いします!」

会長の退職金支給の案件が控えていたので、

そのことを伝えた途端、支店長が急に元気になったのです。

 

こうして、最も気にかかっていた、銀行からの同意も、

無事にいただけることとなりました。

あとは、元社員の親族が保有する株主からの同意をどうするか、

ということだけが残っていたのです。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年12月 9日 (水)

5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」③

③銀行の株主に同意を得よ(前編)

 

近畿地区で事業を続ける中小企業、株式会社関西特殊整備(仮名)

において、事業承継対策のひとつとして、

種類株式を活用することにしました。

しかしそのためには、全株主の同意が必要なのです。

株主のひとつである、阿図仮市には、

普通株式から種類株式への転換の同意を得ることができました。

 

次に同意の承認を得る必要があるのは、

地元に支店を構える、関西ネクスト銀行(仮名)でした。

関西特殊整備とは先代の頃から口座取引のある銀行です。

関西ネクスト銀行が保有している株数は、全体の4.9%です。

先代時代に、

いわゆる持ち合いの形で、互いに株式を譲渡したのです。

 

山中社長に聞きました。

「銀行はどうして4.9%の保有になっているのか、わかりますか?」

「その%に、何か理由があるんですか。」

「そうなんです。

 銀行は民間会社の株式を、議決権で5%以上持ってはいけないと、

 銀行法で定められているんです。

 だから4.9%なんです。」

「そうなんですか。知りませんでした。

 えっ、それじゃあ、阿図仮市の24%が種類株式になって、

 無議決権になったら、銀行が普通株式のままだと、

5%以上の議決権比率になりますね。」

「そうです。そこです。

 このままだと、コンプライアンス上の問題となりかねない、

 というところを、銀行に対してちょっとプッシュするんです。」

「なるほど。その線でいきましょう。」

 

さっそく、関西ネクスト銀行へ社長から電話し、

概略の趣旨説明をした上で、別途、説明文書も、

担当者あてにメール送信しました。

相手が銀行なので、事業承継対策のひとつ、

という匂いは出したくありません。

あくまでも、意思決定をスピーディーにすること、

種類株式の活用を通じて従業員株主の経営参画意識を高めること、

を主眼とすることだけを伝えたのです。

 

すると、支店の担当者と支店長、それに本部の法務部から担当者2名、

併せて4名で来社されることになりました。

同意書への捺印は、法人であれば代表印を押してもらうことになります。

あまり例のないことなので、法務部が動くのも、もっとなのです。

 

また、山中社長の心配が始まりました。

「同意してもらえますでしょうか。

 それとも、同意できないから評価額で買ってくれ、

 とか言われないでしょうか。」

関西特殊整備の株価額は高騰していました。

4.9%の保有でも、軽く1億円を超える状況だったのです。

評価額で株式を買い取るだけの手元資金は十分にあるものの、

できれば資金流出を避けたかったのです。

 

種類株式導入に対する説明のための資料や図表を用意し、

銀行の来社に備えました。

そしていよいよ、4名が来社する日になったのです。

(続く…)

 

(古山喜章)

2020年12月 8日 (火)

5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」②

②行政の株主に同意を得よ

 

近畿地区で事業を続ける中小企業、株式会社関西特殊整備(仮名)

において、事業承継対策のひとつとして、種類株式を活用することにしました。

しかし、

発行済みの普通株式を種類株式に転換するには、

全株主の同意が必要となります。

山中社長(仮名)とともに早速、

親族以外が保有する株主による同意を得るべく、

私たちは動き始めたのです。

 

まずは、過去に会社から寄付する形で普通株式を渡した、

関西特殊整備の地元、阿図仮市(仮名)の行政です。

阿図仮市が保有している株数は、なんと全体の24%です。

「しかし、阿図仮市が株を持っている、というのは、

 いったいどこの誰に話しを持ち掛けたらいいんですか?」

「それが…、よくわからないんですよ…。」

「えっ?」

と、いきなり壁にぶつかったのです。

 

「まずは寄付をした当人である、先代に確認してみましょう。」

となり、先代に確認すると、

阿図仮市の文化事業部が窓口となっていることがわかりました。

さっそく、文化事業部の課長に連絡を取りました。

お会いして状況を説明するとともに、

同意書への捺印了承の約束をいただくことにしたのです。

 

阿図仮市が保有する普通株式を、

議決権無し、配当優先、取得条項付き、の種類株式に転換してもらう、

文化事業部の課長には、その了解を取り付ける必要があります。

「どう説明するのがいいですかね。

 それは同意しかねます、とか言わないでしょうか。」

山中社長が頭を悩ませていました。

「私も同行して、内容的なところで説明が必要なときは、

 私がしますから、社長からは、

 これからの世代交代に併せて、より柔軟に早く意思決定を

 できるように株式構成を変えてゆきます、ということと、

 種類株式をお持ちの株主には、優先的に配当ができるようになります、

 とお伝えください。」

と山中社長にお願いし、一緒に阿図仮市の文化事業部を訪問しました。

 

そこそこ立派な打ち合わせ室に案内され、

説明のための資料を準備し終えると、課長が来られました。

「いやぁ、山中社長、わたくし初めてお目にかかります。

 文化事業部の菊島(仮名)と申します。

 いつも御社のおかげで助かっております。」

その態度とあいさつで、山中社長はひと安心した様子でした。

 

ここ数年、配当はわずかであるものの、

それまでは、100%、200%の配当を出したこともあり、

文化事業部が主催する、音楽会や落語会の運営資金となっていたのです。

そのことをお聞きすれば、菊島課長が腰を低くするのもわかります。

山中社長から、種類株主導入の趣旨を説明し、

細かなところは私から補足しました。

 

そして、菊島課長が言いました。

「今後も今まで通りに支援いただけるのであれば、

 私たちとしても同意しますので、

 いつでも同意書をお持ちください。」

要は、配当がいただけるのなら、種類株式に変わっても構いません、

ということだったのです。

 

「ところで、同意書への捺印は、どなたがされるのでしょうか?」

菊島課長にたずねました。

課長が了承しても、他の捺印者が反対しては、どうしようもありません。

なので、誰が捺印するのか、お聞きしたかったのです。

「私が市長の代行で押せますので、心配なさらないでください。」

同意してもらえなかったらどうしよう、

という山中社長の懸念はなくなりました。

支庁舎を出たあと、山中社長が言いました。

「いやぁ、案ずるよりまずは行動することですね。

 同意いただけるようで、心配がひとつなくなりほっとしました。」

 

しかし、次なる株主は、取引銀行です。

銀行にどう説明して種類株式への転換の了承を得るのか、

これがなかなか、やっかいだったのです。

(続く・・・)

 

(古山喜章)

2020年12月 7日 (月)

5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」①

①種類種類株式を活用するには、全株主の同意が必要です

 

事業承継時に会社支配権を後継者へ移行する、

その手段のひとつとして、

種類株式を活用する、という方法があります。

通常の普通株式とは異なり、それぞれに特徴のある株式が、

9種類に分かれています。

 

そのなかで、事業承継時に多く活用するのは、次の3つです。

・議決権がない無議決権株式にする

優先配当株式にする

・相続等での分散を防止するための取得条項付き株式にする

この3種類を組み合わせてひとつの株式にして、活用します。

手順としては、定款を変更することが必要になります。

種類株式を発行できる会社にするのです。

 

これ以上の詳細はここでは控えます。

要は、既存の普通株式を種類株式に転換することで、

後継者の経済的負担をできるだけ小さくした形で、

先代から会社支配権を後継者へ移行することができる。

それが、事業承継時における種類株式活用の狙いなのです。

 

ただし、それにはひとつの難関があります。

既存の発行済み普通株式を種類株式に転換するには、

株主総会の特別決議のほかに、全株主の同意書が必要となるのです。

株主が現社長のみ、とか、現社長である父と母だけ、

などという、ごく身近な親族だけなら特に問題ありません。

株主が5人、7人と増えるほど、

「この人は同意しないのではないか?」

という株主が現れるからです。

 

近畿地区で2代にわたって事業を続ける中小企業、

株式会社関西特殊整備(仮名)も、そのひとつでした。

株主が10名に分かれていました。

山中社長(仮名)が我々のもとへ相談に来られました。

「うちも種類株式を活用する形で進めたいのですが…、

 できますでしょうか?」

少し行き詰まった表情で話す山中社長に、次のように答えました。

「その株主の方々とどのようなご関係か、それぞれ教えていただけますか。」

「どういうことでしょうか?」

「同意書に捺印をいただくのに、すんなり押してくれる方ばかりなら、

 10名に分かれていても問題ないです。

 なかに、そうでなさそうな人がいると、少しやっかいになります。

 そういった、ちょっと面倒な株主がいませんか?

 ということです。」

と、山中社長にお聞きしました。

 

「いやぁ、3名ほどいますね。」

「なるほど、どういう方でしょうか?」

「一人は元社員の奥様ですね。

 元社員は亡くなり、その奥様が持っています。

 あとの2名は、個人ではないんです。」

「どういう株主ですか?法人ですか?」

「1社は法人で、うちと取引の長い、関西銀行(仮名)です。」

「確かに、それは面倒くさそうですね。」

「あとひとつは、地元の阿図仮市(仮名)が持ってます。」

「えっ、行政が持っているんですか?」

「そうなんです。」

「なんでまた?」

「先代の時代に、行政の有力者から寄付を頼まれたらしく、

 そのときに、株式を寄付して毎年配当する形にしたんですよ。

 ただ、この3年ほどは、たいして配当できていないんですよね。」

「わかりました。

 それぞれに進め方を考えて、同意書に捺印をしていただきましょう。」

 

となり、まずは地元の阿図仮市から、あたってみることにしたのです。

「しかし、阿図仮市が株を持っている、というのは、

 いったいどこの誰に話しを持ち掛けたらいいんですか?」

「それが…、よくわからないんですよ…。」

「えっ?」

と、さっそく壁にぶつかったのです。

(続く…)

(古山喜章)

2020年12月 4日 (金)

決算対策 その10

12月決算の会社はまもなく、

3月決算の会社もあと3ヶ月ほどで、決算を迎えます。

 

ここからは、節税対策ではなくて、税務調査についてお話しておきます。

 

■調査中

1.調査対象の拡大を阻止する

別会社や個人のことまで調べられることがあるが、

基本的に、調査対象は、事前通知で指定された会社のみ。むやみに広げることを許可しない。

 

2.沈黙は金

・調査官の質問にすぐに答えないこと。

・わからない場合は、『わかりません』と正直に伝える

・経営者は、初日の挨拶と最終日の報告だけ、

調査に立ち会えば十分(べらべらしゃべってしまうと

墓穴を掘る可能性があるため、要注意)

 

3.パソコン、机の引き出しまでは見せない

・パソコンは、そのものは見せる必要がない

・「秘匿性が高い情報が入っている」

 「万一、漏洩したら当社の経営に大打撃」などと

 伝えて、パソコンに直接触らせない。

・「必要があれば、こちらで紙で出します」と伝える。

・机を見ようとする場合は、「なぜですか?」と

 確認し、明確な理由がなければ断る。

 

4.議論は、税理士に任せる

・荒い言葉でケンカ腰にならず、冷静に対応する

・調査に協力的な姿勢は見せること

 

■調査後

1.納得いかない指摘には、修正に応じない

(修正申告ではなく、更正決定を選ぶ)

調査で何かあった場合は、原則的な取り扱いは、

更正決定である(本文参照)。

にもかかわらず、税務署は修正申告を進めてくる

(決して強制はしない)。

どうしても納得できなければ更正決定する。

税務署は、更正決定はできるだけ避けたい。

(上司の承認をもらうのが面倒だから)

 

2.重加算税は、絶対にさける

・重加算税とは、「仮装(でっちあげ)、隠蔽(隠す)」の行為があった場合に課される重い処分。

・重加算税をとれば、人事評価でポイントになるため

できるだけ重加算税をとろうとする傾向にある。

・単なる書き間違いやミスは、隠蔽、仮装にならない。

「これは単なる提出漏れで、隠蔽ではありませんよ。

私たちが隠蔽したという証拠はあるのでしょうか?」

と反論する。

・また、税務署に言われて、重加算税を自ら認める

ための文書に一札入れない。

 

3.調査が終わった次の期はチャンス

・税務調査の対象期間は、基本的に3期。

(ただし、法律上、5期までさかのぼることは可能)

・最近は、税務署も人不足、調査手続の厳格化で

次に調査に入るまでの間隔があいている。

・つまりは、調査が終わった次の期については、

将来の税務調査の対象期間から外れる可能性が

高くなる、ということは念頭に入れておく。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月 3日 (木)

決算対策 その9

12月決算の会社はまもなく、

3月決算の会社もあと3ヶ月ほどで、決算を迎えます。

 

ここからは、節税対策ではなくて、

税務調査についてお話しておきます。

 

■事前通知~調査準備

 

1.調査日程はずらせる

 

・調査そのものをなくすことはできないが、 何かしらの 

 忙しい理由をつけて、ずらしてもらうことは可能。

 

2月中旬~6月末までに調査に来てもらうと良い。

(確定申告の時期~人事異動の時期であり、

調査に心あらず、になりがち)

 

・日程をずらしてもらって、その間に準備すればよい

 

 

2.調査の事前通知が入った場合は、

税理士に内容をメモしておいてもらう

 

※ほとんどの会社は、事前通知の連絡を、

税理士にするように依頼している。

 

 

3.税務調査前に重要ファイルや議事録などを見直しておく

 

・税務調査で、一番狙われるのは、『期ズレ』

 (例)当期の売上を翌期に先送りすること

 (例)翌期の経費を当期に計上すること

 →焦って、期末直前で税務対策を打たない。

 そのためにも、月次決算の早期化をはかって、

 期末の着地予想を早く行えるようにすること。

 

・私物は自宅にしまっておくこと

 

・ときどき、ファイルを整理していると、

「税務調査で出さない」などの書類が入っている

ことがあるため、要注意。

 

4.通達の性質を理解しておくこと

※ときどき、通達違反と言われることあり

 

通達とは、国税庁が税務署の職員に向けて発信する社内規定としての性格が強い。

 

※通達は、税務署が、税法を都合よく解釈しているという面もある

 

過去の判例では、「通達に従っていないが、違法ではない」という見解が示されたこともある。

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月 2日 (水)

決算対策 その8

12月決算の会社はまもなく、

3月決算の会社もあと3ヶ月ほどで、決算を迎えます。

 

前回シリーズで

・お金の支払が伴わない節税

・支払ったお金をどう落とすかの節税

についてまとめてきましたが、

その他にも節税策もご紹介しておきます。

 

 

■税額控除を使う

 

1.所得拡大促進税制(R3.3月末まで)

 

給与総額の増加額の15%25%に相当する

金額が、法人税から差し引ける。

ただし、法人税額の20%が限度。

 

2.研究開発税制を使う(R3.3月末まで)

 

試験研究費の12%17%に相当する金額が、

法人税から差し引ける。

ただし、法人税額の35%が限度。

 

 

■その他

 

1.決算期を変更する

 

決算月は、自由に決めることができる。

・翌期に大型売上が見込まれる場合

・大赤字を計上し、前期に支払った法人税の還付を 狙う場合

 

2.売上計上する時期をずらす

 

住宅など、大型の受注販売に向く。

(引渡の時期を決算期をまたがせるなど)

売上計上基準を変えることも一つの方法

 

3.資本金を1億円以下に減らす

 

税務上は、資本金が1億円超ならば大企業。

1億円以下の中小企業には、税制優遇あり

 

(福岡雄吉郎)

2020年12月 1日 (火)

決算対策 その7

12月決算の会社はまもなく、

3月決算の会社もあと3ヶ月ほどで、決算を迎えます。

 

前回シリーズで

・お金の支払が伴わない節税

・支払ったお金をどう落とすかの節税

についてまとめてきましたが、

その他にも節税策もご紹介しておきます。

 

どちらかといえば、

オーナー一族個人のための対策です。

 

6.役員保険に加入する

 

全額損金はなくなったものの、将来への

課税繰り延べという点では一定の効果あり。

まずは、会社で加入し、

5年後に社長が個人で買い取る保険が効果的

 

7.レバレッジド・リースへの匿名組合出資

 

航空機、トラックファンドなどが対象。

想定外のリスク(コロナショックなど)で、

当初計画どおり回収できなくなるリスクに注意。

 

 

■グループ会社を使う

 

1.グループ会社に含み損を抱えた固定資産を売却する

 

100%の支配関係がある場合は、

グループ法人税制に該当するため、注意する。

対象は、不動産、美術品など。

 

2.グループ間の取引価格を見直す

 

グループ会社との間で発生している家賃、仕入販売などの取引価格を見直してみる。中核会社が、管理業務を行っている場合、

「業務委託料」を発生させる。

また、中核会社が、経営指導業務を行っている

場合は、「経営指導料」を発生させる。

ただし、いずれも実態が伴う必要がある。

 

3.分社化することで、節税枠を広げる

例えば、以下のような優遇策が、会社の数だけ

使えることになる。

・中小企業の優遇税率(800万円まで)

・セーフティー共済(年800万円まで)

・交際費(年800万円まで)

・少額減価償却資産の枠拡大(年300万円まで)

 

 

4.赤字会社を合併する(特に子会社合併)

 

一定の条件を満たす適格合併の場合は、

繰越欠損金が引き継げる。

 

(福岡雄吉郎)

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