2020年 銀行関連の動き①
今年度、中小企業に関わる銀行関連の動きを
とりまとめてゆきます。
①金融審査マニュアルの廃止
昨年2019年度末をもって、
金融審査マニュアルが廃止となりました。
これは、金融庁が各銀行に対して、
「このようなやり方で融資をしなさいよ」
ということをまとめたものです。
そこには、
融資先の格付け(スコアリング)に対する考え方や手順など、
会社にお金を融資する際の基本ルールが記載されていました。
そのマニュアルが廃止になったのです。
マニュアルに縛られすぎて、
本来融資をするべき会社へお金が行き渡っていない、
といったことが、廃止へのきっかけでした。
しかし気になるのは、
「廃止になったら格付け(スコアリング)はどうなるんですか?」
ということでした。
結論からいえば、今も格付け(スコアリング)は運用されています。
この一年間、お会いする銀行員の方々にお聞きしました。
「金融審査マニュアルが廃止になって、
格付け(スコアリング)はどうされているんでしょうか?」
すると皆さん、ほぼ同じ返答でした。
「廃止になったとはいうものの、
金融庁が言っているような事業性評価をすぐに
運用するスキルも行員にはないから、
まだ少なくとも数年は廃止になったマニュアル通りに
運用してしまいますよね。」
とのことでした。
“マニュアルに頼らず、本来の事業性を評価して融資せよ!”
と金融庁は推し進めます。
が、今の現場の実務能力では、そこまで対応できない、
という状況なのです。
各銀行においては、融資先を管理してゆくうえで、
格付け(スコアリング)は、便利なのです。
各銀行とも、一律のルールで融資先をランク付けしています。
そのもとになるのは、決算書です。
もっと言えば、損益計算書と貸借対照表です。
だから銀行の格付け(スコアリング)を少しでもよくするために、
決算対策をうるさく言うのです。
銀行による格付け(スコアリング)は従来通りに動いています。
今後も銀行には、
「うちの格付けはどこですか?」と、
決算書を提出する都度、たずねて確認してほしいのです
(古山喜章)
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