決算対策 その10
12月決算の会社はまもなく、
3月決算の会社もあと3ヶ月ほどで、決算を迎えます。
ここからは、節税対策ではなくて、税務調査についてお話しておきます。
■調査中
1.調査対象の拡大を阻止する
別会社や個人のことまで調べられることがあるが、
基本的に、調査対象は、事前通知で指定された会社のみ。むやみに広げることを許可しない。
2.沈黙は金
・調査官の質問にすぐに答えないこと。
・わからない場合は、『わかりません』と正直に伝える
・経営者は、初日の挨拶と最終日の報告だけ、
調査に立ち会えば十分(べらべらしゃべってしまうと
墓穴を掘る可能性があるため、要注意)
3.パソコン、机の引き出しまでは見せない
・パソコンは、そのものは見せる必要がない
・「秘匿性が高い情報が入っている」
「万一、漏洩したら当社の経営に大打撃」などと
伝えて、パソコンに直接触らせない。
・「必要があれば、こちらで紙で出します」と伝える。
・机を見ようとする場合は、「なぜですか?」と
確認し、明確な理由がなければ断る。
4.議論は、税理士に任せる
・荒い言葉でケンカ腰にならず、冷静に対応する
・調査に協力的な姿勢は見せること
■調査後
1.納得いかない指摘には、修正に応じない
(修正申告ではなく、更正決定を選ぶ)
調査で何かあった場合は、原則的な取り扱いは、
更正決定である(本文参照)。
にもかかわらず、税務署は修正申告を進めてくる
(決して強制はしない)。
どうしても納得できなければ更正決定する。
税務署は、更正決定はできるだけ避けたい。
(上司の承認をもらうのが面倒だから)
2.重加算税は、絶対にさける
・重加算税とは、「仮装(でっちあげ)、隠蔽(隠す)」の行為があった場合に課される重い処分。
・重加算税をとれば、人事評価でポイントになるため
できるだけ重加算税をとろうとする傾向にある。
・単なる書き間違いやミスは、隠蔽、仮装にならない。
「これは単なる提出漏れで、隠蔽ではありませんよ。
私たちが隠蔽したという証拠はあるのでしょうか?」
と反論する。
・また、税務署に言われて、重加算税を自ら認める
ための文書に一札入れない。
3.調査が終わった次の期はチャンス
・税務調査の対象期間は、基本的に3期。
(ただし、法律上、5期までさかのぼることは可能)
・最近は、税務署も人不足、調査手続の厳格化で
次に調査に入るまでの間隔があいている。
・つまりは、調査が終わった次の期については、
将来の税務調査の対象期間から外れる可能性が
高くなる、ということは念頭に入れておく。
(福岡雄吉郎)
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